超電導モーターで航空機

環境負荷の低い航空機を目指し、燃料を燃やしてタービンをまわす
ジェットエンジンから電動モーターに転換する取り組みが注目されているでつ。

九州大学は、米ボーイングなどと、極低温で冷やして電気抵抗を
ゼロにする「超電導」を使ったモーターの開発に取組でるでつ。

超電導で発生した強力な磁場でモーターを回し、軽量で小型ながら強力な動力源。

現在は出力1キロワットの試作機の段階。
2030年には電気の力だけで飛ぶ航空機が生まれるでつ。

現在の航空機は圧力を上げた空気とジェット燃料を混ぜて燃やし、
ガスの力でタービンをまわして推進力を出すでつ。

モーターで飛行すれば、電気を使うため放出する燃焼による
二酸化炭素（CO2）が大きく減らせるでつ。

電動飛行機は小型のガスタービンを回して発電し、モーターでファンを回す。
機体の上部に小型モーターを並べることで揚力が上がり、必要な燃料を抑えられるでつ。

ただ、小型機であるボーイング737型機を飛ばすためにも
最大で20メガ（メガは100万）ワットの出力がいるでつ。

普通のモーターで出そうとすると、発電機からモーターまでの
推進システム全体で10トンほどの重さになるでつ。

軽いモーターが求められているでつ。
超電導を使ってモーターを小さくする研究に取組でつ。
銅線の代わりに超電導線材を使ってコイルを作るでつ。

冷却には液体窒素と気体の水素やヘリウムを使うでつ。
気体を使うことで液体窒素を減らし、モーターが回転するときの抵抗も減らすでつ。

超電導は抵抗がゼロになるため、多くの電力を流すことができ強力な磁場が発生。
この磁場でモーターをまわすでつ。

普通のモーターが重いのは、磁場を高めるために磁性材料の鉄を使うため。

超電導モーターならば鉄を使わないので重量を10分の1以下にでき、
出力を2倍にできると試算しているでつ。

ガスタービンで発電する際や、そこからモーターに送電する際も
全て超電導を利用して、損失を限りなく減らして効率化を狙うでつ。
推進システム全体の重量は2.5トンになると試算。

目標とする超電導モーターの大きさは直径50センチメートル、長さ約1メートル。
これを機体に複数並べて飛ぶ想定。

現在の大型のエンジンに比べて小さくなることで、騒音を低減する効果なども
狙えるでつ。

試作した超電導モーターの出力は高くても約1キロワット。
今後は素材の探索や設計の見直しが重要。
今はステンレスなどを使うが、さらに軽い材料を探すでつ。

超電導を維持するためにモーター部を断熱するが、断熱材や空間を設けるなどして
温度を維持する方法だと、モーターが大きくなるという課題があるでつ。

3年後には出力を500キロワットにまで高める目標。
さらに3年で1メガワットまで高め、システムを完成させたいとのこと。

これくらいの能力があれば個人所有の飛行機は飛ばせるでつ。
30年にはこうした推進システムを使う「超電導飛行機」の試作機が空を
飛ぶ姿が見られるでつ。

空飛ぶクルマにも応用でつなぁ～

航空機からは国内で年間約900万トン、世界で約5億トンのCO2が放出。

国際民間航空機関などは国際航空輸送に伴うCO2の排出を50年に05年から
半減すると宣言。

ただ50年には航空機の数が倍増すると予想されてて、達成には大幅なエンジンの
改良が必要。

電動飛行機のアイデアを最初に打ち出したのは米航空宇宙局（NASA)。

NASAが示した未来の飛行機は大きな主翼が後方に付き、機体の最後尾には
小型の電動モーターが横並びに載っているでつ。



ジェットエンジンを主翼の下に抱える今の飛行機とは大きく違う形。

航空機の電動化は、油圧に代えて飛行状態の制御をする研究など様々な試みがあるでつ。
電動モーターは独シーメンスなどの企業も取り組むが、出力の高い小型モーターの
設計は難しく、あまり進んでいないでつ。

そこで超電導の研究を長く続けてきた九州大学の技術に目を付けたのが
米ボーイング社。

17年から協力して研究を始めたでつ。
九州大学では航空機のほかに「空飛ぶクルマ」の動力を超電導にする研究も進めるでつ。

小さくて乗員も少ないので、1メガワット程度の能力で十分に使用でき
「航空機よりも実現は近いのではないか」と期待されているでつ。

電動機で飛ぶ飛行機というより、ハイブリッドになりそうでつなぁ〜