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ZPDとEVTの違い

2023-08-30 07:10:29 | 理系オタク
ZPDとEVTは、どっちも零相電圧を検出する機器。
PDとEVT、それぞれについては理解したけど、違いが分からないってのがあるでつ。

ZPDとEVTはどちらも零相電圧を検出する為の機器で、これから得られた零相電圧を地絡過電圧継電器や、
地絡方向継電器に入力して利用するでつ。
検出する要素も、その先につながる機器もほぼ同じ。

だからコンガラガルでつ。
で~それぞれの機能を理解すると…

ZPDは、零相電圧検出装置が正式名称。
ZPDはZero-Phase Potential Deviceの略称。
他にもZVTと呼ぶこともあるでつが、機能的には同じ。

ZPDは、主に需要家で零相電圧を検出する必要がある時に設置されるでつ。
零相電圧は地絡方向継電器の検出要素の1つで、普通の高圧受電の需要家であればPASに内蔵されているでつ。
地絡が発生すると、零相電圧が発生。
この零相電圧を検出するのがZPDの役割。
ZPDは検出した零相電圧を内蔵のコンデンサにより分圧し、また変圧器で扱いやすい電圧に変換。
変換した零相電圧は、保護継電器などに入力して利用。

PASに付属しているSOG制御装置が方向性だった場合は、PASの中にZPDが設置。
またサブ変電所があり、メインの変電所からの送り出しに地絡方向継電器が設置されている場合にも設置。
PASとは別に、受電所で地絡方向継電器が設置されているなら間違いなく設置されているでつ。

また最近よく見られるメガソーラーと言われる、太陽光発電所にも必ず設置されているでつ。
これは地絡方向継電器の為ではなく、地絡過電圧継電器の為に設置されているでつ。

ZPDは、コンデンサによって地絡電圧を検出。
また零相電圧は最大で3810Vになるので、継電器などで扱い易くする為に小さい電圧に変換。
これは計器用変圧器や計器用変流器と同じ考え方。

実際に地絡が発生した時に、各部にどの様な電圧が発生するのか。
三相対称交流は零相電圧は発生しないでつ。
完全一線地絡時に零相電圧(11430V)が発生。

だけど、これは各相コンデンサと検出用コンデンサで分圧されるでつ。
各相コンデンサと検出用コンデンサの容量の比率で、検出用コンデンサには数十V程度の電圧しかかからないでつ。

検出用コンデンサにかかる電圧を、さらに変圧器で小さくしたものが「Y1-Y2」間に発生。
この変圧器は、絶縁の為と継電器入力を小さくする為。

次にEVTでつが…
EVTは、接地形計器用変圧器が正式名称。
EVTはEarthed Voltage Transformerの略称。
他にもGPTと呼ぶこともあるでつが、機能的には同じ。
昔は「GPT」が一般的でしたが、近年では「EVT」が一般的。

EVTは、主に特高変圧器の二次側に設置されるでつ。
接地形計器用変圧器(EVT)の設置の目的は、地絡保護の為。

日本における高圧配電系統は、非接地方式を採用しているでつ。
これは地絡電流が小さいことが特徴。
非接地方式は完全に非接地ではなく、今回の接地形計器用変圧器を介して模擬的に接地されているでつ。

接地形計器用変圧器(EVT)の三次回路は、オープンデルタと呼ばれる結線になっているでつ。
これはデルタ回路の一端を開放しているものでつ。
この開放端に限流抵抗を接続することで、一次側に模擬的に抵抗接地されているのこととなるでつ。

この時に接続される抵抗は一次換算で10kΩ程度。
これにより非接地方式でも、地絡時に安定して地絡電流を流すことができるでつ。
また地絡時には、接地形計器用変圧器の三次側に零相電圧が発生。

これを地絡継電器に入力して地絡保護をするでつ。
検出原理は…
正常時の一次回路には、画像の左上の通りの電圧が印加されているでつ。
線間電圧が6600Vなので、相電圧は6600/√3Vとなるでつ。
これに対応して三次回路に電圧が発生。

ここでは変圧比は60とするでつ。
またΔ結線なので、三相平衡していれば、零相電圧は発生しないでつ。
T相が完全一線地絡下と仮定した時が、画像の左下になるでつ。

接地点がT相に移動したことにより、R相とS相の相電圧が√3倍となり6600Vとなるでつ。
零相電圧はこの2つのベクトルの合成なので11430Vとなるでつ。
この11430Vは3V0で、V0は3810V。

三次回路では画像の右下のように、R相とS相に一次回路に対応して電圧が発生。
これにより完全一線地絡時には、接地形計器用変圧器のオープンΔ回路の開放端に190Vが発生するでつ。

接地形計器用変圧器(EVT)にはいくつか注意が必要。
接地形計器用変圧器は、1つの系統に1つしか設置してはいけないでつ。
これは複数台を設置すると、地絡電流が分流して地絡電流の検出に支障があるからでつ。

よって高圧需要家ではほとんど設置されてないでつ。
高圧配電系統では、電力会社の変電所に設置されているでつ。
高圧需要家で設置する場合は、高圧発電機がある時。

だけど、これも商用回路に接続されない様に、高圧発電機による送電時のみ回路に接続される様に工夫が必要。
高圧需要家で零相電圧を検出するには、零相電圧検出装置(ZPD)を使用。
この190Vが完全一線地絡時の三次回路に発生する電圧であり、3V0=190Vとなるでつ。

接地形計器用変圧器(EVT)の三次回路の開放端の電圧を190V。
だけど、接地形計器用変圧器(EVT)の三次回路の開放端の電圧は、110V仕様の物もあ接地形計器用変圧器の零相電圧で、
190Vの値について混同することがあるでつ。

高圧受電設備の地絡方向継電器の零相電圧の動作値は190V。
この190VはV0の3810Vの5%で190V。

だけど、接地形計器用変圧器の190Vは、3V0の100%で190V。
同じ数値で混同しないように注意が必要。
最近は110V仕様のものが主流。

接地形計器用変圧器(EVT)の零相電圧で、190Vの値について混同することがあるでつ。
高圧受電設備の地絡方向継電器の零相電圧の動作値は190Vです。この190VはV0の3810Vの5%で190V。
しかし接地形計器用変圧器(EVT)の190Vは、3V0の100%で190V。

同じ数値で混同しないように注意が必要。

接地形計器用変圧器が接続されている回路では、絶縁抵抗測定をすると0[MΩ]になってしまうでつ。
これは絶縁抵抗計が直流電圧である為。
測定の際は、回路から切り離す必要があるでつ。

では、ZPDとEVTその使い分けはというと…
まずEVTは、オープンΔ回路の開放端に抵抗を挿入しているでつ。
この抵抗により、一次側の中性点が高抵抗で接地されていることと同等になるでつ。

これは6600V配電系統で採用される、非接地方式の仕組。
非接地方式と言いながら、実は高抵抗で接地されているでつ。
EVTは、特高変圧器の二次側の母線に設置されるでつ。

高圧受電の需要家については、電力会社の変電所に設置されているので、基本的に需要家の設備には設置されないでつ。
高圧受電の需要家でも設置されるのは、高圧発電機が設置されている場合。
ただしEVTが商用系統には接続されないような工夫が必要。

高圧発電機のみで需要家内の電気を使用する場合だけEVTが回路に接続されるようにしないといけないでつ。
EVTは高抵抗により中性点を接地するので、系統に複数台あると多重接地となり、地絡電流がそれぞれのEVTに分流して
保護継電器の動作に影響するでつ。

また同じ理由で、事故時の探査が困難になるでつ。
この様なことから、高圧受電の需要家にはEVTの設置が禁止されているでつ。
そいうことで高圧受電の需要家で、零相電圧を検出する必要がある場合にZPDが利用されるでつ。

ZPDでは中性点が接地されないので、何台設置しても問題ないでつ。

電圧要素の取り込みに電源の配電用変電所では接地形計器用変圧器が使用されるでつが、
自家用受電設備などでは使用されず、コンデンサ形地絡検出装置(ZPD)が使用されるでつ。

知っているようで知らないことは多いでつ。
使い分けに注意が必要でつなぁ~
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