イワボタン･2～葉色

　ユキノシタ科ネコノメソウ属の「イワボタン（岩牡丹）」。姿はヨゴレネコノメにそっくりだが、葯の色が黄色く赤いヨゴレネコノメとは異なる。山地の沢沿いに生育しているがヨゴレネコノメに比べて個体数は極めて少ない。地元情報に詳しい方に教えて頂いた沢を探索し2年前に初めて見つけた花。沢沿いにはヨゴレネコノメが多いが、その中に数株イワボタンがある。去年までは花を見つけたら屈んでひとつひとつ蕊の色を確認していたが、今年は少し離れた位置からでもヨゴレネコノメとイワボタンの違いが何となく見分けられるようになった。花を取り巻く葉の色がイワボタンのほうが更に明るいような気がする。私は毎年イワボタンを見るためにこの沢を登る。

ヨゴレネコノメ･1～変種

　高尾山の登山道で多く見られる「ヨゴレネコノメ（汚れ猫の目）」。ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草で葯が黄色いイワボタンに対して葯が赤い変種になる。と言っても個体数はヨゴレネコノメのほうが圧倒的に多いので、イワボタンのほうがヨゴレネコノメの変種と言ったほうがしっくりくる。沢沿いなど山地の湿った場所に生育し濃い緑色の葉に灰色を帯びた模様が入るので“汚れ”と名付けられているが花に近い部分は鮮やかな黄色で美しい。花弁は無く4枚の暗紅色の萼片の中に紅色の雄蕊が見える。