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オモト・2~堀之内地区

 京王堀之内駅付近で見られる「オモト(万年青)」。キジカクシ科(←ユリ科)オモト属の多年草で、春に花を咲かせ秋に果実が稔る。オモトの栽培は古くから行われており、江戸時代には各地大名が栽培し、品種改良により高値で売買されるようにもなった。
 以前、直木賞作家/青山文平氏の時代小説『半席』を紹介したが『鬼はもとより』(徳間文庫)もまた面白い。この作品は2014年に直木賞候補となり同年の大藪春彦賞を受賞した。主人公の奥脇抄一郎が藩札掛となり藩札が藩の経済を活性化させることを理解していくのだが、飢饉の際に藩の藩札増刷案に断固反対し、藩札原版を抱えて脱藩する。そして江戸で浪人としてオモトを売りながら生活し、裏では自身の経験をもとに各藩の藩札に関する指南役をしている。そしてある貧しい小藩の経済立て直しに自ら考えた方策を実行していく。武士の矜持とは何か、そしてそれを支える女性達。お薦めの時代小説である。
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (平家蟹)
2018-12-27 19:27:36
オモトはカタカナ名より漢字名の方が印象に残っているので
初めてオレンジ色の実を見た時アレッと思いました。
ジャノヒゲの青い実と混同していたのかもしれません。
 
 
 
Unknown (YAKUMA)
2018-12-27 21:28:30
最近小説を読んでいません。
心に余裕がないのかもしれません。
オモト、林の中でこの実を見つけると嬉しくなります。
 
 
 
Unknown (ディック)
2018-12-27 22:16:20
江戸時代に、万年青に狂ったように大騒ぎした話は、よくドラマなどにもなりますね。
 
 
 
平家蟹様 (多摩NTの住人)
2018-12-28 17:07:43
コメント有り難うございます。オモトは結実率が低いのか、あまり果実を見ることがありませんね。果実はオレンジ色です。
 
 
 
YAKUMA様 (多摩NTの住人)
2018-12-28 17:11:29
コメント有り難うございます。この小説はとても面白いです。お正月休みにでもどうぞ。
 
 
 
ディック様 (多摩NTの住人)
2018-12-28 17:14:54
コメント有り難うございます。侍たちがオモトに熱中するというのは興味深いですね。生活はかなり苦しかったようですね。
 
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