クイーンといえば、ヨーロッパ美意識のバンドとしての雰囲気のあった「華麗なるレース」まで、という方もいるように、ワールドクラスのスタンダード2曲を含みながら、通算6作目の「世界に捧ぐ」は、いまでもファンにとっての評価は2分されています。
節操のない選曲はビートルズのホワイトアルバムのようであるし、録音状態もマチマチに感じられ、なにより維持してきたトータルイメージがなく、アルバムアーティストとしての姿勢は感じられませんが、曲順は自然で、駄作がなく、四人の作曲家のバランスにも配慮が行き届いていて、私は好きです。
当時、エアロスミスやチープトリックで有名だったジャックダグラスがクイーンをプロデュースすると、こんな感じになるかなってとこです。
音楽はさておき、私がずっと気になっていたのは、日本では原題「News of the world」が「世界に捧ぐ」という邦題に差し替えられたともいうべき誤訳によってこの作品名が定着しているということ、そしてこれを日本人の多くが「世界に告(棒)ぐ」と読んでいたということです。
まるで、NEWという動詞があって、Sがつき、3人称のように思ったのか(つまり報道、重大発表みたいな)、原題の引用元であるイギリスの大衆紙「News of the world」からイメージしたのか、邦題は「捧ぐ」でありながら「告ぐ」と読んでしまう心理は、私にも決して解からないものではありません。
さらに、「ミュージックライフ」誌の読者投稿コーナーで、フランク・ケリー・フリースによるジャケットのロボットが、ごはんをついでいる様子に差し替えたパロディイラスト(ご飯をつぐ)が掲載されるに至り、やっぱり「告ぐ」じゃないかという、裏付けもあり、私も不安はあったのですが「世界につぐ」と読んでいました。
NEWが動詞なら、続く助詞は of ではなく to じゃないのかいな、と思いつつその響きの良さから、まあいいや、「ロックンローラーはメッセージを発するもんや」ってことで、と思ってしばらくはやり過ごしたものです。
先日、クイーンが、誇り高きイギリスのメディアから採用し、上記のごとく十重二十重と誤解されたアルバムの原題の元ネタ「News of the world」も、ロックのようなリベラリズムの敵、ルパードマードックというイエロージャーナリズムの親玉に牛耳られ、退廃の一途を辿り、今回の盗聴問題によりあえなく廃刊となりました。
一度も見たことのない新聞なので何の感慨もありませんが、イギリスが世界の雄だった頃の名残りのひとつとして記憶されるとともに、「世界に捧ぐ」問題としても人々の記憶に刻印され、忘れさられることはないでしょう。
節操のない選曲はビートルズのホワイトアルバムのようであるし、録音状態もマチマチに感じられ、なにより維持してきたトータルイメージがなく、アルバムアーティストとしての姿勢は感じられませんが、曲順は自然で、駄作がなく、四人の作曲家のバランスにも配慮が行き届いていて、私は好きです。
当時、エアロスミスやチープトリックで有名だったジャックダグラスがクイーンをプロデュースすると、こんな感じになるかなってとこです。
音楽はさておき、私がずっと気になっていたのは、日本では原題「News of the world」が「世界に捧ぐ」という邦題に差し替えられたともいうべき誤訳によってこの作品名が定着しているということ、そしてこれを日本人の多くが「世界に告(棒)ぐ」と読んでいたということです。
まるで、NEWという動詞があって、Sがつき、3人称のように思ったのか(つまり報道、重大発表みたいな)、原題の引用元であるイギリスの大衆紙「News of the world」からイメージしたのか、邦題は「捧ぐ」でありながら「告ぐ」と読んでしまう心理は、私にも決して解からないものではありません。
さらに、「ミュージックライフ」誌の読者投稿コーナーで、フランク・ケリー・フリースによるジャケットのロボットが、ごはんをついでいる様子に差し替えたパロディイラスト(ご飯をつぐ)が掲載されるに至り、やっぱり「告ぐ」じゃないかという、裏付けもあり、私も不安はあったのですが「世界につぐ」と読んでいました。
NEWが動詞なら、続く助詞は of ではなく to じゃないのかいな、と思いつつその響きの良さから、まあいいや、「ロックンローラーはメッセージを発するもんや」ってことで、と思ってしばらくはやり過ごしたものです。
先日、クイーンが、誇り高きイギリスのメディアから採用し、上記のごとく十重二十重と誤解されたアルバムの原題の元ネタ「News of the world」も、ロックのようなリベラリズムの敵、ルパードマードックというイエロージャーナリズムの親玉に牛耳られ、退廃の一途を辿り、今回の盗聴問題によりあえなく廃刊となりました。
一度も見たことのない新聞なので何の感慨もありませんが、イギリスが世界の雄だった頃の名残りのひとつとして記憶されるとともに、「世界に捧ぐ」問題としても人々の記憶に刻印され、忘れさられることはないでしょう。