長電話

~自費出版のススメ~

前田智徳に栄光を

2011-07-01 | スポーツ
毎年パ・リーグのチームが優勝する交流戦。今年もパ・リーグの、特に投手の強さが目立ちました。飛ばないボール、広い球場、緩いスケジュールによるローテーションの余裕、(節電の勅命を受けた審判団の陰謀とも言われる)外角に甘い投手よりのジャッジなどをその原因とするのが通説です。

よって短時間ロースコアの締まった試合が増え、パ・リーグのベスト10に入る投手の防御率のほとんどが1点代という異常事態を招き、セ・リーグのチームはパ・リーグ的ディフェンスを持つ中日以外は残念な結果となりました。これだけこの傾向が定着してしまうと、もうトレンドといってよく、セ・リーグ各チームのこれからの交流戦対策が急がれるところです。

セ・リーグは長らく小さな球場(東ド、旧広島市民、横スタ、神宮)での派手な打ち合いがよしとされ、人気のベテランの守備力もそれほど気にならず、交流戦以外ではその閉じられた世界に安住してきました。

それが、WBCやオリンピック、選手の大リーグ移籍の増加というグローバリズムの嵐のなか、なにやっとんじゃという、巨人人気にすがるセ・リーグ野球の限界が露呈してきたということでしょう。

広い球場は、守備力を促すとともに、細かいミスが致命的になるので選手に緊張を強い、意識も変わるのでしょうか、盗塁という機動力の反映そのものである作戦を見てみると、パ・リーグ193、セ・リーグ129と、倍近くの記録が残っており、ホームランによる空中戦時代の終焉と、環境の変化による野球への取組みの前提の違いを顕著に表わすところとなっています。

中日はかつての阪急や森時代の西武野球のダンディズムを継承し成功しました。阪神はチームカラーとして機動力は似合わないので、次は球場を広くした広島が環境に適応し躍進する番です。個性は揃いはじめていますので、来年黒田が戻ってきたりすると、ひょっとして優勝戦線に絡む活躍が見られるかもしれません。思い入れのできる最後のプロ野球選手、前田智徳に花道を用意するという意味でも、ぜひ頑張ってほしいのです、広島カープには。