まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

村田沙耶香「コンビニ人間」

2017-05-02 07:26:37 | 読書のすすめ
今日はいいお天気見たいですね。
10連休なんて方もいらっしゃるようですが
連休中一日おき出勤です。(まあ今日は平日か・・・)

さて 村田沙耶香の「コンビニ人間」を読みました。
155回芥川賞受賞作です。

通常芥川賞は 「村上春樹」臭がするので パスなのですが
(春樹ニストの皆様 ごめんなさい。ただ単に合わないのです。)
今回は かなり評判も良かったので 予約してみました。

ものすごーーく図書館予約の長い列に並んで待つこと10カ月。
ようやく巡り合えました。(だったら買え?^^;)

そしてこの後も 長ーーい列がつながっているため
これだけは 読まねば!と思いがんばって読みはじめました。

コンビニ人間
村田 沙耶香
文藝春秋


コンビニでアルバイトとして働く女性 古倉恵子が主人公。

彼女は いわゆる人格障碍ではないかと思う。
別に反社会的でも 殺人も幸い犯してもいないが
自分の気持ちも揺れなければ 人の気持ちの揺れにも対応できないのである。
いわゆる共感能力がゼロ。

とはいえ 大学まで進学したことを思えば 学習能力が低いわけではない。
にもかかわらず 言われたことを型どおりにしか受け取れない。
「悲しい」とか「腹が立つ」とか「うれしい」とかいう感情もない。

彼女の幼いころのエピソードも出てくるので 自然とその事実に読者は納得させられる。
とはいえ 彼女は彼女なりに まわりと上手くやっていきたいという思いがあり
周りにいる人に擬態することで なんとか普通の仮面をかぶっている。
気付けば18年コンビニで アルバイトを続けるコンビニ人間なのである。

彼女には「普通」の妹がいて 
彼女が「普通」にふるまうためのいいわけやアドバイスをしてくれている。

「普通」にふるまってコンビニではたらいていた彼女の職場に
「白羽さん」というモラトリアム男性が入ってくる。
いつかはビックになってやると言いつつ
仕事はさぼるし ろくに何もしないのに コンビニで働く人たちを見下す彼は
当然 コンビニの人たちと擦れ合う。

そして 普通にふるまっていた恵子の日々が変化して行ってしまう。



これは 評判になりますね。
恵子は ある意味なにも悪いことはしていないんですが
理解しがたいところが怖い。
自分も含めて人は 他人をなんらかの型にはめて 
そうすることで安心しているんだなと 手痛い気持ちになりました。

例えば 会社員 サラリーマン 主婦 学生 など。
それぞれのカテゴリーに それぞれの役割や立ち位置があって
でもそれを見て 納得している。
この人はこう言う人なんだ・・・と納得することで次のステップに進める。

でも 相手が 自分の知るどの型にもあてはまらないとすると
それが 芸術家でもヤクザでも芸能人でもないとすると・・・

人はパニックになるんですね。

「コンビニ人間」お勧めです。
シュールな気分にはなりますし 妙な自己反省させられますが・・・・


いがぐりおは どこのコンビニが好き?
いがぐりおをクリックしていただけると嬉しいです。いつもありがとうございます。^^/
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2 コメント

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Unknown (maki)
2017-05-02 21:23:39
こんばんは。
コンビニ人間、以前買ってきたんですが・・・半分くらい読んでパス。
なんとなく自分と違いが多すぎると続けるのは難しいです。
主人公に凄い魅力があれば、たとえば『古着屋惣兵衛』などは全巻一気読みしました(笑)
こんな人がいたら飛びつきそう(爆・爆・爆)
makiさんへ (まんじゅう)
2017-05-03 18:06:57
こんばんは。

そうでしたか。
合いませんでしたか。^^;
主人公が好きになれるかどうかは重要ですよね。

佐伯さん図書館でも大人気です。
古着屋総兵衛面白いんですね。
今度読んでみようかな。

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