まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

「政と源」三浦しをん

2014-04-21 23:45:03 | 読書のすすめ
今日も寒かったですね。
明日は幾分温かいみたいですが・・・

さて 三浦しをんの「政と源」を読みました。

政と源
三浦 しをん
集英社


待ちましたよ~
去年の8月からだから実に半年以上。
本棚がいっぱいだから、好きな作家の小説も買わない!と決めてから、
新刊本を待ち続けるのががつらいわあ。TT

墨田区Y町。
御歳74歳の有田国政。
銀行員を勤めあげ、悠々自適と言いたいところだが
ある日、妻が突然家を出て、娘の家に行ったきり戻らなくなってしまった。

その幼馴染である堀源二郎。
つまみ簪職人である。
大恋愛の末、駆け落ち同然で一緒になった妻に40代で先立たれ
いろいろあったが、今は独り身。
弟子の吉岡徹平を厳しく指導中。

そんな二人が繰り広げる物語。

あれ・・・三浦しをん。
三匹のおっさんよりもさらに高齢の主人公にチャレンジしちゃったんですね。

常識人で紳士の・・・そのくせ妻の気持ちは全く読めない・・・国政は
現役職人であり好き勝手やっているように見えるのに
常に人に囲まれている源二郎がうらやましくて仕方ない。

年から年中、内心穏やかではない。
なにせ源次郎は、いまだかつて「常識と握手したことがない」人物で
禿頭なのに、残った髪を赤に、青に、緑に染めてけろっとしている人間である。
保護的立場としても、ハラハラし通しである。

しかし、そういう減二郎も実は、
「自分だけなんでいつまでも生き残っているんだろう?」
という想いを抱えていたりする。

三浦しをんの描く二人の老人(といっても今の70代は若いですが)は
元気に悩んだり、人生を楽しんだりしている。
ただ何せ70代なので、朝異常に早く目が覚めて、途方にくれたりしている。

自分もいい年になってきて この先の目標もいまひとつないし
体力も記憶力も驚くほど目に見えるほど衰えてくるし
人生枯れていく一方だろうなあと感じる今日このごろ。
励みになりました。

70代でもこうやって悩んでていいんだ!

それにしても、国政の心の中の突っ込みがともかく笑える。

青く髪を染めた減二郎に絶句している常識人国政。
暖色系はまだ分かる。髪を青に染める意味が分からない・・と。
すると弟子の徹平が

「マミさんが染めたんすけど、今回もイケてますよ。
 アニメに出てくる悪の総督みたいで。」
きみは師匠がアニメみたいでいいのか、と問いただしたかった


そんな減二郎もたまには?いいことを言う。
物語終盤
「なにごとに関しても、『堅実』なんてことはありえねえよ。
 ゴールも正解もないからいいんじゃねえか。」
「だから生きるんだろ。」

このままずっと、国政と減二郎コンビを眺めていたい。
そんな気持ちになる一冊でした。
続編出ないかな?


いがぐりおは 青い髪の毛どう思う?
いがぐりおをクリックしていただけると嬉しいです。いつもありがとうございます。^^/
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2 コメント

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ブタフィーヌさんへ (まんじゅう)
2014-04-22 21:08:40
すみません、誤解を招く書き方してしまって・・・
「三匹のおっさん」を書いたのは、有川浩です。^^

自由奔放ってあこがれますが・・・
意外と周りが思っているより、本人にとっては
気楽な生き方ではないのかもしれませんね。
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Unknown (ブタフィーヌ)
2014-04-22 16:11:39
「三匹のおっさん」って三浦しをんさんの作品だったんですね。
テレビドラマは、みてましたが、作者のことは気にしてませんでした^^
「ゴールも正解もない~」心に響くことばだわ。
自由奔放に生きていきたいなあ。
なかなか思うようにはいかないのが人生ですね(笑)
返信する

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