まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

塩田武志「罪の声」

2017-11-12 07:30:54 | 読書のすすめ
ずっと朝晩寒いですね。
風邪などお召しになっていませんか?

さて 塩田武志の「罪の声」を読みました。

罪の声
塩田 武士
講談社


曽根俊也は亡くなった父 光雄から受け継いだ「テーラー曽根」を営んでいる。
母は4日前に血を吐き、救急車で運ばれた。
検査の結果、胃潰瘍とわかり入院。

母から頼まれた探し物を探していると、黒革のノートとカセットテープを見つけた。
黒革のノートはびっしりと英文が記入されている。
仕方ないのでカセットテープを聞くと

幼いころの自分の声で
「ばーすーてーい、じょーなんぐーの、べんちの」
「きょうとへむかって、いちごうせんを・・・・・にきろ、
 ばーすーてーい、じょーなんぐーの、べんちの、こしかけのうら」
という音が流れた。

もう一度黒革のノートをめくると『ギンガ』『萬堂』という文字が目に飛び込んできた。
ノートを閉じた時「ギン萬事件」という言葉が浮かんだ。
俊也が幼少のころ、関西を中心に起きた有名な事件だ。
キツネ目の男の似顔絵はいまも鮮明に覚えている。
検索サイトでギン萬事件を調べるうちに
ホープ食品恐喝に使われたテープとし男児の声が流れた。
「ばーすーてーい、じょーなんぐーの、べんちの」
「きょうとへむかって、いちごうせんを・・・・・にきろ、
 ばーすーてーい、じょーなんぐーの、べんちの、こしかけのうら」

流れ出る汗に天を仰いだ。

一方 大日新聞文化部の記者阿久津英二は ある日社会部の鳥居より
オランダのハイネケン事件、ギン萬事件との関係を調べるように依頼される。

父、叔父、祖父をたどる旅を続ける曽根と
だんだん事件にくらいついて行く阿久津の線と線が交わるとき・・・・




大人な方はご存知の「グリコ・森永事件」
筆者は発生日時、場所、犯人グループの脅迫挑戦状の内容、その後の事件報道については
極力史実通りに再現したという。
著者を動かしたのは 戦後最大の未解決事件に「子供を巻き込んだ事件なんだ」という強い想い。

その想いに最後までノンストップで 引きずられます。
結構真相まで迫っているのでは?と思ってしまいます。

ただ 全体を流れる罪の雰囲気は重く
決して軽くはありませんでしので ページをめくるの
ためらわれることも多々ありました。
(残酷なシーンが出てくるわけじゃないです。)

犯人がマスコミ用の挑戦状と企業用の脅迫状を見事に使い分け
かなり悪質に企業を脅し続けた経緯がよく分かり
私たちが思っていた以上に ひどい事件であることも分かりました。

ぜひご一読を!

いがぐりおはお菓子にどく入っていたら嫌だよね。^^
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コメント (2)
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