昨年はいつもより本を読めませんでした、と書きました。
それなので、今年は目標を定めて読書したいと思います。
今年の目標はスタンダードを読むこと。
あまりにも有名で手に取るのも恥ずかしい、でも読んでいなかった本。
こう言うのを改めて読んでもいいじゃないですか。
手始めに「雪国」を読みました。
以前に川端のものは「眠れる美女」、「片腕」あたりは読みました。
「眠れる美女」は廃頽的な雰囲気を色濃く醸し出した作品でお気に入りの一冊です。
「片腕」はシュールレアリズムの手法を使った幻想的な作品。
「雪国」や「伊豆の踊子」とは対極にあるのではないかと思っていました。
私の中で川端のイメージは古い日本の美意識を強く打ち出したものでした。
ですから「雪国」や「伊豆の踊り子」は、古くさいだろう、と読む気がおこりませんでした。
でも今年は心を入れ替えて、偏見無しで挑戦します。
そして読んでみて、さすがに密度が高い描写が多く、しっかりした手応えを感じました。
非常に完成度が高い小説だと思いました。
特に性的な表現について、その婉曲さ、隠喩の用い方などに大変品位があります。
やはり並みの作家ではないですね。
今日「伊豆の踊子」「古都」を買い求めてきました。比較しながら読むのが楽しみです。