あいにくの小雨模様だったので、室内で開催された
高崎市の山奥、倉渕。二度上峠途中の、はまゆう山荘で行なわれた
今年で21回目だそうだ
お昼から夕方までジャズを堪能
最初はアマ、だんだんプロが登場
中でも、山口泰一郎トリオ with 堀内実智代 が良かったな〜
坪根剛介さんのドラム、かっこよかった!最高!
グルーブ感が凄いし、とてもお洒落なドラムだった
ボーカルの堀内さんの声も素晴らしい
まさにジャズの声
勿論ピアノ、ベースがいいのは言うまでもない
また聴きたいものだ
楽しかった!
お盆休みの読書のつづき。
野村胡堂『奇談クラブ』を読んだ。
野村胡堂は『銭形平次』の原作者。しかし、『銭形平次』と言っても、もう知らない人が多いだろうな。
その時代小説家が書いた本作品は、奇談クラブに集まった会員が、各々とっておきの話を披露するという
百物語風の構成だ。時代は明治。その会員が語るのは江戸末期から当時の物語り。
会員の内に、江戸と明治の断層がないことが、新鮮だった。ついこの間の事が、江戸の出来事なのだ。
要するに古い作品であるのだが。
内容は、探偵小説風の謎解きや、心霊現象、時代活劇と色々だ。
江戸川乱歩、泉鏡花などに通ずるモダンな雰囲気を持つ。
しかし、通読すると、胡堂の心棒はやはり時代活劇なのだろうと思わずにはいられない。
最終話「鏨地獄」など、ずいぶん力の入ったチャンバラに仕上がっている。
少し冗漫な感は厭えないが、たまにはこういったのもいいかな?
お盆休みは昼寝と読書。
古処誠二さんの『生き残り』を読んだ。
古処さんは、航空自衛隊には在籍していたものの、戦争を体験していない。
調査をもとに戦争を描いている。
地味な作家だな、とずっと思ってきた。けれど忘れられない作家。
近作には、ミステリー要素を取り入れ、支持層が拡大しているようだ。
『生き残り』も同様。
北ビルマ戦線において、傷病に罹患した「兵隊」に降りかかる想像を絶する苦難。
その中で人間の存在にかかる「事件」が起きる。
構成と謎解きは読んでいただきたいのだが、読後感は軽くはない。
読後、久々に開高健の『輝ける闇』が読みたくなった。
『輝ける闇』は、開高健が実際にベトナム戦争に記者として従軍した体験をベースにしていると言われている。
自身の所属した部隊がほぼ全滅し、開高健はかろうじて生き残ったのだ。
両書とも陰惨な戦争を扱っている。
戦場において、人間の根源に触れようとしているのだが、『輝ける闇』の印象は、『生き残り』よりも遥かに明るい。
開高健の、華麗な文体がそのようにさせるのか。
『輝ける闇』は、折に触れて幾度も読み返している。
また読み返そうと書棚を探った。
ところが、いくら探しても見つからない。新たに購入するか。
その途端に見つかるのだろうな、きっと・・・・。