娘は初めての生野球、ナイトゲーム。
雨を心配したが、日頃の行いが良いので、降られなかった。
ライオンズ主催ゲームだが、わたしはにわかファンなので、三塁側内野席だ。
眼の前で、イーグルスの則本が肩を暖めているのも見られたし。
何より4年ぶりの三重殺! を見た‼︎
娘に運転を任せて、妻とビールを飲んだ。
やっぱ、楽しい
お盆休みの読書のつづき。
野村胡堂『奇談クラブ』を読んだ。
野村胡堂は『銭形平次』の原作者。しかし、『銭形平次』と言っても、もう知らない人が多いだろうな。
その時代小説家が書いた本作品は、奇談クラブに集まった会員が、各々とっておきの話を披露するという
百物語風の構成だ。時代は明治。その会員が語るのは江戸末期から当時の物語り。
会員の内に、江戸と明治の断層がないことが、新鮮だった。ついこの間の事が、江戸の出来事なのだ。
要するに古い作品であるのだが。
内容は、探偵小説風の謎解きや、心霊現象、時代活劇と色々だ。
江戸川乱歩、泉鏡花などに通ずるモダンな雰囲気を持つ。
しかし、通読すると、胡堂の心棒はやはり時代活劇なのだろうと思わずにはいられない。
最終話「鏨地獄」など、ずいぶん力の入ったチャンバラに仕上がっている。
少し冗漫な感は厭えないが、たまにはこういったのもいいかな?
お盆休みは昼寝と読書。
古処誠二さんの『生き残り』を読んだ。
古処さんは、航空自衛隊には在籍していたものの、戦争を体験していない。
調査をもとに戦争を描いている。
地味な作家だな、とずっと思ってきた。けれど忘れられない作家。
近作には、ミステリー要素を取り入れ、支持層が拡大しているようだ。
『生き残り』も同様。
北ビルマ戦線において、傷病に罹患した「兵隊」に降りかかる想像を絶する苦難。
その中で人間の存在にかかる「事件」が起きる。
構成と謎解きは読んでいただきたいのだが、読後感は軽くはない。
読後、久々に開高健の『輝ける闇』が読みたくなった。
『輝ける闇』は、開高健が実際にベトナム戦争に記者として従軍した体験をベースにしていると言われている。
自身の所属した部隊がほぼ全滅し、開高健はかろうじて生き残ったのだ。
両書とも陰惨な戦争を扱っている。
戦場において、人間の根源に触れようとしているのだが、『輝ける闇』の印象は、『生き残り』よりも遥かに明るい。
開高健の、華麗な文体がそのようにさせるのか。
『輝ける闇』は、折に触れて幾度も読み返している。
また読み返そうと書棚を探った。
ところが、いくら探しても見つからない。新たに購入するか。
その途端に見つかるのだろうな、きっと・・・・。