発見記録

フランスの歴史と文学

一九五五年四月三日の法

2005-11-12 21:26:01 | 歴史
一九六一年、アルジェリア独立戦争はようやく終結に向かいつつあったが、それだけに却って、フランス本土では血なまぐさい事件が頻出していた。(中略)一九五八年から政権に返り咲いていたドゴール大統領は、最終的にはアルジェリアの独立を認める腹をすでに固め、交渉によるアルジェリア問題解決を模索していた。アルジェリアの独立を阻止しようとする極右秘密軍事組織OASによるドゴール暗殺未遂は、一九六一年九月八日に起こっている。その九月、パリで、アルジェリア人・モロッコ人・チュニジア人など北アフリカ系住民が警官のグループに殴られ、体を縛られてセーヌ川に投げ込まれ、死体となって浮かび上がったり、稀には命からがら生き延びるという事件が連日のように起こっていた。                                           
同年の夏の終わり頃からFLNは内部の過激分子のテロ行為を抑制し、十月七日にはそれをいっさい禁止するに到ったが、パリ警視庁は弾圧態勢を強化し、十月五日、パリおよびパリ郊外のアルジェリア系労働者だけを対象に夜間外出禁止を実施した。夜間外出禁止令は明らかな憲法違反だった。一九五八年に制定された第五共和制憲法 (現行憲法) はその第二条に、フランスは 「すべての市民の法の下の平等を、市民の出身、民族、宗教の如何にかかわりなく保障する」と定めているのだから。
  (堀茂樹氏、デナンクス『記憶のための殺人』訳者あとがき)

このあいだからのフランス各地での夜間外出禁止は"la loi du 3 avril 1955" によるものらしい。記事によりこの法をappliquer適用する recourir à ~の力に訴える activerやréactiver (再)活用する、特にこのréactiverがひっかかる。アルジェリア戦争中(1955~1962)とニューカレドニア分離独立派の反乱(1984-1985)時にしか適用されてないという。(Alternative libertaire, Non à l’état d’urgence ! Non à la guerre coloniale !
lois2
Legifranceで探す。慣れないので手間取る。 LOI, 55-385, 1955-04-03, INSTITUANT UN ETAT D'URGENCE ET EN DECLARANT L'APPLICATION EN ALGERIE これこれ、しかし直リンクができない。

追記ー苦労しなくてもttp://www.liberation.fr/page.php?Article=336694
とか、掲載されてるのですね。7 avril 1955と日付けのついた官報のページをPDFで見れるほうが、じかに歴史にふれる感触がある、それだけのことでした。
粘り強さはないので、archiviste気分が味わえればいいのです。



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