「子ども科学電話相談」(NHKラジオ第一)の質問は
恐竜や植物、動物、星のことから命のことまで多岐にわたった。
しかも、聞いてくるのが3歳から12歳までの乳幼児、と言っては失礼だが、
とにかく小っちゃい子たちなのだ(一人だけ中学3年の女の子が恐竜の質問をしていた)。
私は植物や動物に関する専門家の答えを聞くと、
その植物や動物の生活が垣間見られるようでワクワクして聞いていた。
例えば、こんなこと。
Q「胡瓜には支柱が必要なのに、トマトには要りません。
植物によってこの違いがあるのはどうしてですか」
A「胡瓜は支柱にぐるぐる巻きつくことで、
しっかり立つのに要するエネルギーを節約している。その分、早く成長できるんだよ。
トマトは自分で茎を太くさせてしっかり立つ。その代り、成長に時間がかかるんだ。
君ならどっちを選ぶ?」
とか。
Q「タンポポの茎はどうして空洞なんですか」
(これは去年の質問だが、感動的なのでまだ覚えている)
A「タンポポは茎を空洞にすることで、使う栄養を節約しているんだよ。
始め、茎は短いでしょう?でも、ある時、空気が一定以上に乾燥すると、
急いで茎を伸ばすんだ。何故かって?茎を伸ばして、花を高くして風に当て、
種を遠くまで飛ばすためなんだ。植物は自分が動き回れないから、
ほんの少しのことも節約して、ちょうどいい条件がそろったら、
せいいっぱい頑張るんだよ」
………植物にとって、日照、湿度、温度などは死活問題だ。
一℃でも気温が変化したら、たいへんな影響を受ける。
科学は、そんなことも解明してくれる。
しかし、ときには、そうした動植物の健気な生を簡単に踏みにじってしまうのも科学だ。
原発事故はその最たるものだ。
中には科学相談とどう関係があるのかハラハラするのもあった。
小学校一年生くらいの女の子の質問だった。
Q「どうしてお母さんはいつも怒っているんですか」
(こんな質問には、先生は適当に答えるしかないな)と私は思った。
先生の答えは、
A「お母さん、よく怒るの?ああ、昨日も怒ったのね。なんでお母さんは怒ったの?
もう忘れた?ああ、そうですか。……
あのね、こうしようよ。〈お母さんはいつも怒る〉と思うんじゃなくて、
〈お母さんはどうして怒るのかな〉って考えよう。
もし、机を片づけないから怒られるんだったら、片づけようね。
そしてお母さんに
『きちんと片づけるから、もしできたら“よくできたね”って褒めて』って言ってごらん。
きっと、お母さんは〈いつも怒るお母さん〉じゃなくなるはずだよ」
………さすが科学者だ。
原因を探求して、分析し、どうすべきか対策を立てて解決にあたる。
科学でなんでも説明しつくせるはずもないし、解決できないこともあるが、
やってみる価値がある一つの方法ではある。ふむふむ。
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