time goes by

機内持ち込みサイズのスーツケースひとつで、気ままにひとり旅。
日付変更線を越えて、さて、次は何処へ・・・。

Rome 2008 / ライバル同士の作品

2010-06-30 | Italy

ベルニーニが手がけた四大河の噴水 [Fontana dei Quattro Fiumi] は、ナヴォーナ広場 [Piazza Navona] の真ん中という位置だけではなく、サンタ・ニェーゼ・イン・アゴーネ教会 [Sant'Agnese in Agone] の前に建てました。
このクーポラを持つ教会は、ベルニーニと同じくバロック時代の代表的な建築家ボッロミーニの設計によるものです。
実はベルニーニとボッロミーニはライバル同士だったらしく、ベルニーニは四大河の噴水でボッロミーニに対抗したのだと伝えられています。

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来月は、モーツァルトの生まれ故郷、オーストリアのザルツブルクを紹介します。

Rome 2008 / 広場の中央を飾るオベリスク

2010-06-29 | Italy

オベリスク [obelisk] とは、古代エジプトに製作された神殿の門前の両脇に立てられた石造の記念碑で、上に向かって細くなり、先端はピラミッド型になっています。
世界に現存するオベリスクは現在30本あり、内13本がローマにあるというのは驚きです。
中でもこのナヴォーナ広場のオベリスク [Obelisco Agonale] は、ベルニーニの代表作の四大河の噴水 [Fontana dei Quattro Fiumi] の真ん中に聳え立っています。
残念ながら私が訪れた時は、その見事なバロックの彫刻は修復中でパネルで囲われていて、離れたところから上部が少し見えただけでした。

Rome 2008 / 人魚なおじさん

2010-06-28 | Italy

マーメイドという言葉は一般的ですが、これは若い女性の人魚のことを指し、男性の人魚はマーマンと呼ばれるのだそうです。
ナヴォーナ広場 [Piazza Navona] のムーア人の噴水 [Fontana del Moro] は、真ん中にイルカと戦うムーア人が立っていて、その周りを4体の人魚のようなおじさんが中腰になって口元のふたつの管から水を流しています。
これらの彫刻はレプリカで、オリジナルはボルゲーゼ公園にあります。

Rome 2008 / 鳩にとっても憩いの場

2010-06-27 | Italy

イタリアは広場が市民の憩いの場で、ローマにもその広場がたくさんあります。そしてその広場には、必ずと言ってよいほど泉(噴水)があります。
ローマでいちばん美しい広場と言われる、芸術的なナヴォーナ広場 [Piazza Navona] にある3つの泉のひとつ、ムーア人の噴水 [Fontana del Moro] は、ベルニーニの下絵を元に完成されました。
彫刻のあちこちで、鳩たちもくつろいでいました。


[関連記事]
Rome 2008 / ナヴォーナ広場 [2008-03-31]

Rome 2008 / かつては競技場だった

2010-06-25 | Italy

紀元1世紀に、ローマ帝国の第11代皇帝ドミティアヌス帝が造らせたのが、現在のナヴォーナ広場 [Piazza Navona] です。
当時は馬車の競争などが行なわれる競技場として使用されていました。
現在はローマ市民の憩いの広場のひとつで、特に土日は露店が出て似顔絵描きが集まり、たくさんの人たちで賑わいます(写真は土曜の午後の様子)。
縦長の広場で、南と北と真ん中に壮大な3つのバロックの泉(噴水)があります。


Rome 2008 / 古代ローマ時代最後のフォロ

2010-06-23 | Italy

トラヤヌスのフォロ [Foro di Traiano] はトラヤヌスの記念柱 [Colonna Traiana] 同様、ダキア戦争での勝利を記念して造られました。
古代ローマ時代のローマに置かれた皇帝たちのフォロの中でいちばん広く、いちばん最後のフォロです。
紀元前に建設された列柱や基盤が今も残っているというのが、ローマ遺跡の凄いところです。

Rome 2008 / 丘の斜面を削って造った広場

2010-06-22 | Italy

トラヤヌスの記念柱 [Colonna Traiana] の横には、トラヤヌスのフォロ [Foro di Traiano] の跡があります。
フォロとはフォルム(forum)のことで、英語のフォーラムの語源、つまり広場のことです。
古代ローマの都市には、政治・宗教の中心として、フォロと呼ばれる広場がありました。
当時、ローマのこの辺りはローマの七つの丘のひとつ、クイリナーレの丘の裾にあたり、トラヤヌス帝はその丘の斜面を削らせて大規模なフォロを造らせました。
その削った深さと、トラヤヌスの記念柱の高さが同じ(約30メートル)とされています。

Rome 2008 / 頂上にいるのは?

2010-06-20 | Italy

トラヤヌスの記念柱 [Colonna Traiana] というくらいなので、当然この柱の上の彫像はトラヤヌス帝・・・と思いきや、そうではありません。
完成当初は、もちろん皇帝の像が置かれていましたが、中世期に失われたのだそうです。
その後、ローマ教皇の命によって聖ペトロの像が置かれました。
円柱の内部は空洞になっていて、185段の階段で頂上まで登ることができるようになっていましたが、現在は封鎖されているようです。
隣りに見えるのは、サンタ・マリア・ディ・ロレト教会 [Santa Maria di Loreto] です。

Rome 2008 / 石柱の絵巻物

2010-06-19 | Italy

トラヤヌスの記念柱 [Colonna Traiana] がダキア戦争の戦勝記念で建てられということは既出ですが、この柱はその二度に渡るダキア戦争の物語が、彫刻によって見事に描かれています。
下から少し斜めに巻くように描かれていて、当時の書物であるパピルスの巻物が全部読めるように工夫されています。

Rome 2008 / 至高の皇帝

2010-06-16 | Italy

ヴェネツィア広場の横からコロッセオまで続く大通り、フォーリ・インペリアーリ通り [Via dei Fori Imperiali] に差し掛かってすぐ左側に、第13代ローマ皇帝トラヤヌスの記念柱 [Colonna Traiana] が建っています。
高さ40mのこの柱は、二度に渡るダキア(現在のルーマニア)戦争の戦勝記念で建てられました。
トラヤヌスは、ローマ市民からも政策に共感を得ていて、それらの功績を称えて元老院(王政ローマにおける王の助言機関)から “至高の皇帝” [Optimus Princeps] の称号が贈られました。


Rome 2008 / イエズス会の宣教師

2010-06-15 | Italy

写真とは直接関係ないのですが、日本でも馴染みの深い宣教師と言えば、イエズス会の創設メンバーの1人、フランシスコ・ザビエルです。
かつてイエズス会の本拠地であったジェズ教会 [Chiesa del Gesù] には、聖フランシスコ・ザビエル礼拝堂があり、右腕の一部が保存されています。

Rome 2008 / ストラーダの聖母

2010-06-14 | Italy

イタリアの教会は、フランスやオーストリアの教会に比べると、オープンする時間がとても早く、私がジェズ教会 [Chiesa del Gesù] を訪れたのは朝8時を少し過ぎた頃でした。
誰もいない教会内は、ひんやりとした空気が漂い、とても穏やかな気持ちになりました。
早朝ということもあってか照明は点いていなく、窓からさす自然光だけで、キンキラ輝く金の装飾の内装もとても落ち着いて見えました。

これはストラーダの聖母礼拝堂 [Cappella della Madonna della Strada] で、祭壇には15世紀にあったサンタ・マリア・デッラ・ストラーダ [Santa Maria della Strada] という教会に飾られていた聖母子像画が飾られています。

Rome 2008 / イエスの御名の勝利

2010-06-12 | Italy

ジェズ教会 [Chiesa del Gesù] 内で最も目に付く装飾は、壮大な身廊の天井一面に描かれたフレスコ画です。
“イエスの御名の勝利” [Trionfo del Nome di Gesù / Triumph of the Name of Jesus] と題されるそのフレスコ画を制作したのは、ジョヴァンニ・バッティスタ・ガウッリ(※)という人で、クーポラのフレスコ画も手がけています。
回りに装飾された漆喰で作られた立体的な天使と、天を舞うかのように描かれている天使たちがとても躍動的で素敵です。


※「バチッチャ」 と表記されている場合もありますが、「Battista」 のイタリア語読みは 「バッティスタ」 です。

Rome 2008 / クーポラの天使たち

2010-06-10 | Italy

教会や大聖堂の丸屋根部分、いわゆるドームのことを、イタリア語ではクーポラ [cupola] と言います。
ジェズ教会 [Chiesa del Gesù] のクーポラには天使のフレスコ画が描かれていて、屋根部分の付け根あたりには、可愛い天使のステンドグラスがはめられています。