BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

ストライク・ザ・ブラッド 第21巻 「十二眷獣と血の従者たち」 感想: 女帝・浅葱が大活躍のヒロイン結集回!

2020-01-13 18:13:01 | ストブラ
前巻の最後で、アヴローラに十二の眷獣をすべて返し、自らは第四真祖の権能を失い、ただの人間に戻ってしまった古城。

そして、古城の「血の従者」による霊力の制御を失い、もはや剣巫として活躍することができなくなってしまった雪菜。

にもかかわらず、異境(ノド)に囚われてしまったアヴローラを、首魁である天部の末裔シャフリヤル・レンから奪い返そうというのだけど、それ、どう考えても無理ゲーでしょ?

・・・というところで終わった前巻からの続き。

いや、マジで無理ゲーだと思うのだけど・・・。

と、とりあえず、スペース、空けときます。







































うん、確かに無理ゲーだったんだけど、冒頭で、第一真祖のキイが、前回倒された吸血王(ザ・ブラッド)から奪った「十二眷獣のプロトタイプ」を古城に移植?して、異境に乗り込む際の「戦力」の問題はあっさり解決された。

で、あとは、その移植された十二眷獣の制御権を古城がどう握るのか、というのが、今回のお話の中心。

当初は、このシリーズのはじめのころに繰り広げられていたように、眷獣を調伏するために血の伴侶として十二人の女性に吸血行為をするとばかり、思われていたのだけど。

実際、今まで登場したヒロイン揃い踏み、という展開だったので、そのまま十二人から血を吸うのか?古城?と思っていたら、それを浅葱がまさかの拒絶。

かわりに、浅葱が、聖殲の力を使って、古城の身体を吸血鬼に変えて、かつ、そこに十分な魔力を得られるだけの措置(まぁ、ここは実際に読んで!)をして、なんとかなった、というのが今回の顛末。

まぁ、終わってみれば、とにかく浅葱の胆力、というか、漢っぷりが目立った回w

いや、浅葱の一人舞台だった、というのが正しいかな。

だって、結局、彼女が、古城・再吸血鬼化計画を練って、その実行にも全面的に関わるのだから。雪菜にしても雫梨にしても、今回に限れば、完全に浅葱の駒の一つでしかなかったら。

ましてや、煌坂なんて・・・w

それにしても、浅葱、化けたなぁ。

いくら絃神島限定にしても、聖殲の能力があまりにもチートすぎるからなのだけど。

なにしろ、古城の身体を作り変えてしまうくらいなのだから。

でも、浅葱が、カインの巫女であることを自覚してからの超人化は、ある意味で、雪菜の模造天使化を超えるレベルアップだと思うのだよね。

で、そのチート“聖殲”能力に加えて、もともとあった聡明さが加わるのだから、もはや最高司令官にして軍師、そして一騎当千の魔法師、みたいな立ち場なのだから。

確かに、これだけの知力・胆力・突破力をもつキャラは、ラ・フォリアぐらいしかいないよね。

雪菜では全然届かない。

まぁ、だからこそ、16巻からの第2部では、雪菜のカウンターパートとして雫梨を登場させるようになったのだろうな、と納得。

よく見たら、前巻も本巻も、カラーイラストで雪菜と雫梨が二人で登場しているしね。まさに、前衛のツートップ、という感じで。

その意味では、浅葱とラ・フォリアが後衛のツーマンセルって感じかな。

この4人に比べたら、あのヒロインズwは、もう、ホント、戦闘要員でしかない。

まぁ、夏音だけは、ちょっと別格という感じがしたけどね。

ともあれ、浅葱司令!指揮下でヒロインズがそれぞれ奮闘し暴れる眷獣たちを抑え込む力技で、なんとか古城を吸血鬼に戻して、そうして、次巻、どうやらノドに乗り込む、という展開だね。

まぁ、そこにも、ヒロインズはみなついてきそうだけどw

なんか、ひとりのヒーローにその取り巻きの複数のヒロインがつきしたがって、囚われの姫の救出に乗り出す、という展開は、まんま「ネギま!」の終盤そっくりなのだけどねw

ともあれ、次回、アヴローラ救出作戦が決行されるはず。


以上が、今回のながれ。

なのだけど、今回、一番びっくりしたのは、あれ、第一真祖も第二真祖も第三真祖もみんな、カインの友だちだったわけ?という設定の開示。

いやー、それ、さすがに世界が狭くないか?と思わないでいられないのだけど。

だって、今の古城たちの世界は、基本的にカインとその友だちの、都合4人で作られたことになるのだから。

それに、今回の設定バレでわかったのは、そもそも吸血鬼とその眷獣という主従の設定が、むしろ、初期においては逆だった、ということだよね。

要するに、眷獣として顕現してしまった魔力の塊を諌めるために、天部の三人(それが三人の真祖)が、いわば自分の身体を差し出して、おのが身体にそれら眷獣を取り込んだ。つまり、眷獣は天部の人間に寄生したわけで、眷獣からすれば宿主が死ねば自分たちも存在続けることができなくなるため、全力で宿主たる天部の人間の身体修復を行う。その結果、不死者としての吸血鬼が誕生した、というのだから。


つまり、もともとカインや第一から第三の真祖らは、人間の血を栄養補給源とする生命体であって、決して不死者ではなかった。ただ、バカバカしいほどまでテクノロジーを発達させていただけだった、ということで。

とりわけカインは超がつくほどの天才、というかタブーを気にしないという意味でマッドサイエンティストであって、その彼が、友人三人を吸血鬼にし、加えて、一番厄介な眷獣12体を抑え込むために「製作」したのがアヴローラたちだった、ということ。

そもそも、一種の禁じ手として天部でもその利用を禁じていた眷獣の暴走が始まったのは、アホな天部の貴族が、眷獣/魔力を召喚してしまったからであって、けっして、カインが引き起こしたものではなかった。

カインからすれば、地上の存在を守るために行ったのが、友人三人の吸血鬼真祖化と、第四真祖の創造だった。

となると、真祖たちが古城に関心を示すのはわかって、なぜなら、古城は、眷獣/魔力を従える真性の「人間」だったわけで、元天部でやむなく真祖になった三人からすれば、新たな希望となる存在だったのだろうね。

そして、天部以外の存在につなぐ、という点では、古城たち「暁の帝国」の誕生は、ようやく自分たちもお役御免となるときが近づいた、ということなのかもしれない。

で、そう思ってきたら、初見では超・ご都合主義にみえた第一真祖による古城への新たな眷獣の付与も、第一真祖からすれば、自分たちが真祖になって以来、延々と背負わされてきた業からようやく解放される時がくるかもしれない、ということで。

しかも、単に真祖三人が解放されるというだけでなく、新たな時代の幕開けも予感させるものなのだから。

だったら、なにがあっても、古城とアヴローラを支援する側に回るしかないよね。

となると、第二真祖が、あっさりカレーでオチたwとしてもやむなき、ということになるw

あ、でも、あの第二真祖の場面は、むしろ、かつての盟友カインの後継者にあたる「カインの巫女」たる浅葱が直々に謁見に来たから、ということもあったのかもしれないけれど。

その意味では、マジで、浅葱は真祖たちからみても、トップクラスの重要人物ってことでw

いずれにせよ、真祖三人からすれば、チーム古城の面々は、長い退屈な時代を経てようやく現れてきた「新世代という希望」の候補なんだろうね。

だから、期待もするし、試練も課す。
けれども、ギリギリのところでは支援もする。

そして、そんな真祖たちからすれば、天部の時計の針を戻そうとするシャフリヤル・レンなんて、天部の末裔だけど、もはや反動的な老害にしかみえないのだろう。

ということで、次回の古城たちのノドへの殴り込みが楽しみ。


それにしても、ストブラもまじめに終わりそうだね。

このままの展開なら、あと1巻か2巻くらいかね。

もちろん、新章としてガチで「暁の帝国」を始めることも可能だと思うけど。

しかし、ホント、今回は、浅葱の存在意義がまさにストップ高だった。

文字通りの「女帝」。

「暁の帝国」あらため「暁の女帝国」でもいいんじゃないのw

もっとも今回の裏のMVPは、デレまでもう少し?と思わされたほど、活躍がおもしろかった妃崎霧葉だったのだけどw

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虚構推理 第1話 『一眼一足』 感想

2020-01-12 09:44:26 | 虚構推理
なんかちょっとイメージしていたものと違った。

もっとシャープな画面づくりをしてくると思っていたのだけど、思いの外、コミカル、というか、間抜けな絵になってしまった。。。

うーん。

なんか、ちょっとこれじゃないかなー感が強い。

あと、シリーズ構成もちょっと原作と変えてきたね。

最初に短篇をいくつかこなして、そこで琴子や九郎のキャラを先に紹介してしまおう、ということみたい。

で、一通り、この世界の様子やキャラの性格がわかったところで、おもむろに「鋼人七瀬」の事件に向かう展開のようだね。

確かにそのほうが「鋼人七瀬」の話をテンポよく、加速させて終えられるようには思えるので、多分、正解。

あと、CVは琴子の方はアタリだね。ああいうなにを語るにしても必ず一言二言飲み込んで語るタイプの、言葉を選ぶ、その分腹に一物抱えた感じの、ちょいワルでマセた女子の役は、とても合っているw

一方、九郎の方は、原作で受けた印象はもう少し根暗な感じだったので、ちょっと優男すぎる気もするけど、こんなもんなのかね。

ともあれ、全体的に、怪異譚というよりも日本昔話のようなコミカルな感じになってしまったことが、どう転ぶか、かな。

どうでもいいディテールだけど、落ち武者とかのアヤカシは、絵面的にはガチな造形でありながら、芝居でコミカルな雰囲気を作ったほうが、原作の雰囲気に合っていると思っていたので、そういうところがとにかく心配。

漫画風の絵面にはアヤカシはしてほしくなかったかな。

もっとも、こんなふうに感じるのも、同じ作家の原作ということで、『絶園のテンペスト』のボンズの雰囲気をイメージしながら、原作を読んでしまったからなのかもしれないけれど。

物語的には面白いと思っているので、あとは画作りがどこまでそれにマッチしていくのか。

そういう意味では、ちょっと「鋼人七瀬」が心配だったりする。

きちんと、シリアスに振ってほしいな。コミカルではなく。

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とある科学の超電磁砲T 第1話 『超能力者』 感想: やっぱり禁書よりオモシロイ!

2020-01-11 18:47:37 | 超電磁砲/禁書目録
ものすごく久しぶりの「レールガン」第3期!

正直、禁書目録の3期がヒドイにも程があるほどの出来(の悪さ)だったので、心配していたのだけど、さすがは長井龍雪! 安定のクオリティ。

このまま安心したままで、黒子や佐天さんの活躍を見たいw
いやもちろん、初春と美琴もだけどね。

ちなみに、原作の漫画は未読。

なのでストーリーとしても素直に楽しみ。

にしても、大覇星祭(笑)、ですかw

いやー、新約の禁書のことを考えると、恐ろしいくらい前だね。

といっても、作中時間では、数ヶ月くらい前なのだろうけど。

フレンダがまだ生きていてw、びっくりだよw

個人的には、みさきちが活躍してくれそうなので、そこが楽しみかな。

あとはやはり、黒子!

彼女が出ると、やっぱり画面にリズムが出るよねー。

ホント、禁書とかもう新刊ださなくていいから、超電磁砲だけで進めていけばよかったのにね。

訳のわからない、基本的に後出しジャンケンだらけの魔術(ヲタ)の話よりも、学園都市を舞台にした「レベル5」の超能力を基準にした物語のほうが、話の筋も見えて面白いのにね。

やはり、読者や視聴者のほうが、一定の範囲内で次の展開が予測可能なくらいのものでないとエンタメにならないからね。

その点で、禁書目録は、ホント、新約以降、もうわけのわからない屁理屈ばかりが並べられて、その上、その場限りの新キャラが次から次へと出てきて、読まされているものが、事実上、設定集のようなものになり下がってしまって、ホント、つまらなかったから。

といっても、来月、「創約」?はぁ?という感じの新シリーズが出るらしいので、マジで、終われないコンテンツになってしまって、もはや痛々しいのだけど。。。

なので、こちらのレールガンの方で、口直しができるといいなぁ、と期待しているw

もっとも、科学側といっても一通さんのスピンオフも、随分痛々しかったので、科学だから全てうまくいく、というわけでもないのだけどね。

あとは、正直なところ、美琴自体にはさしてキャラとして魅力を感じないので、みさきち(食蜂操祈)や黒子、佐天さんの活躍に期待w

あ、そうそう、婚后さんが出てきたときには、あー、そういえばいたなー、婚后さん!って感じで妙に懐かしく思ってしまったw

なんだかんだいって、常盤台中学の面々が、超電磁砲の物語の中核なんだな、と改めて思った次第。

ということで、続きが楽しみ。

にしても、大覇星祭かぁ。。。
びっくりだなぁ。

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進撃の巨人 第125話 『夕焼け』 感想:アッカーマン一族は最後のワイルドカードなのか?

2020-01-10 15:46:20 | 進撃
前回の最後で「氷解」し、氷漬けの中からでてきたアニ。

そのアニを筆頭に、ジャン、アルミン、ミカサ、コニー。

そして、ハンジさんに、瀕死の状態の、しかしまだ生きているリヴァイ。

彼らの再結集を予感させるような描写が続いて、とりあえず次回へ、という流れ。

始祖の巨人の力をとにかく使うために、ジークをも騙したエレンは、この先、どうなるのか? どう扱われるのか?

今回の描写だけでは、全く先が見えない。

ただ、前回も書いたけど、今のエレンの行動は、まんまコードギアスの時のルルーシュそっくりに見えるので、彼を止める、あるいは、彼の真意を知る存在があるとすれば、それはやはりミカサなんだろうな。

今回の描写からは、具体的になにがなされるかは、全くわからないけれど。

でも、王家に仕えるアッカーマン一族の末裔という点で、何か隠された秘策のようなものがあるとすれば、ミカサくらいしか思いつかないというのが正確なところかな。

その意味では、同じくアッカーマンのリヴァイもそうなのだけど。

でも、あの満身創痍の状態では、リヴァイ自身がなにか活動する、ということは期待できそうもない。

むしろ、リヴァイ&ハンジが、ミカサたちと合流することで、リヴァイがミカサに具体的行動を託す展開もありそうだけど。

もっとも、その場合は、ハンジが車力の巨人とかと手を結ぶ必要があるのだけど。

でも、今回明らかにされたように、氷漬けされていても意識はちゃんとあったアニが、この間あった事態を概ね掌握しているのだから、そのアニと、ベルトルトの記憶も継承しているアルミンが合流して、そこにライナーも加わって・・・、という形で、訓練生時代の同期が結集して、エレンに対峙する、という流れがやっぱり一番ありそう。

まぁ、そうするとホントにエレンはルルーシュになってしまうのだけど。

しかし、マジで、物語、畳みに来たなぁ。

一時はどうなるのか、と思ったけど、きちんと物語に決着が付きそうで、わりと真剣に驚いている。

って、まだ終わったわけじゃないけど。

でも、前回見せた、エレンが、始祖の巨人のちからを得ることで、まさに「神」らしく、時間を超越した存在となって、過去、現在、未来の、全ての時間に一律に干渉できる、という力は、あまりにもマイティすぎて、物語的には完全に禁じ手であるべきなのだけど、問題は、そのような「時間超越者エレン」という存在が終盤に登場することを見越した上で、今までのエレンの描写がなされていたことで。

これは、まぁ、終わってみないとなんとも言えないけど、文字通り、神話だったな、巨人の物語だったな、という感想を持つことになるのかな?

個々の人物の行く末も、物語世界の決着も、このままだと、ともに何らかの結論が示されそうで、それはそれで、実は驚いているし、期待もしている。

次回、ハンジさんは車力と同盟を組めるのか?

そして、リヴァイは、なんとか復活できるのか?

ここに来て、アッカーマン一族の役割がまだあるように思うので。

アッカーマン一族は、なぜ、王の護衛役だったのか?

御庭番のような存在だったのか?

それはもしかしたら、いざという時の「カウンターパワー」としての存在だったのではないか?

王族が暴走した時、あるいは、始祖の巨人を悪用しようとした時、それを無効化する存在がアッカーマン一族だったのではないか?

そんな気がするのだよね。

最後の奥の手としてのアッカーマン一族。

でなければ、人間の身体のまま、巨人のような驚異的な力を発揮できる彼らの身体構造の謎も解けないように思っているので。

つまり、ミカサとリヴァイのこの先の決断にも関心を持ちつつ、次回を楽しみにしたい。

いやー、盛り上がってきた!

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UQ HOLDER! 第168話 『幸せのかたち』 感想

2020-01-10 11:25:34 | UQH/ネギま!
フフフ、やっと待ち望んでいた時が来たね!

エヴァのデレ回
そして、エヴァを愛でる回

突き詰めれば、それだけw

ひたすら、エヴァの回。

でも、今回の話を見ると、あー、いや、マジでUQ HOLDER! も終盤なんだな、と思うよね。

だって、今回、エヴァが刀太に見せた「幸せ」の顔は、まさに、UQH第1話の扉の、麻帆良学園の3-Aのみんなが一人ひとり消えていき、最後はエヴァ一人になってしまった悲しみへの、孤立感への、憂鬱への、回答になっているから。

不死者としてひとり残されたエヴァが、今が「幸せだ」と思える時を迎えたのだから。

それも、3-Aのメンバーだけでなく、UQHのメンバーも含めてのこと、というのだから。

かつて刀太が出会った「孤独の姫」だったキティが、紆余曲折を経て、今に至る。

もちろん、最大の転機は、ネギ君を含む3-Aのクラスメイトと出会って馬鹿騒ぎをしたことにあるのだけど、その後、自分だけ不死者として取り残されたところで、目的は確かにあったものの半ば手慰みに作ったUQHの面々に、エヴァ自身も救われているのだから。

この展開は、一応、第1話の扉と見開き(=UQH揃い踏み)で予告したことの、見事な回収だよね。

うん、今回は素晴らしい。

もちろん、あくまでもエヴァの「幸せ」だから、ここまでの解釈はエヴァ視点でのもので、たとえば、いや龍宮隊長とかザジとかまだ残ってんじゃん!ということはあるわけど、でも、委員長がおばあちゃんで登場したりと、ちゃんと作中時間は(残酷にも)流れていることも描写されていて。

その中での、エヴァの幸せである。

しかも、今回、刀太に幸せな自分を見せたのが、火星の「新オスティア」というのもね。

よくよく考えたら、エヴァは、ネギま!のときの、火星大戦には参戦してないんだよね。麻帆良学園に囚われたままだったから。

その意味では、かつては行けなかった場所である火星に赴いて、ネギ君を始めとする3-Aの面々の勇姿が石像になっているのを見るのは、エヴァにとっては感慨深いはずだよね。

いや、大爆笑してただけなんだけどさw

でも、今この地で、ネギ君救出作戦にこれから臨もうとするところで、彼らの姿を目にするのは、それだけでも勇気づけられるのだろうし、エヴァとしても、この地にやって来れたのも、自分だけの力ではなく、紆余曲折を経て、UQHの面々の力添えがあってこそ、とりわけ、直球・直進バカの刀太のおかげだった、ってことにも気付かされて。

いや、だから、さっきも書いたとおり、今回のエピソードは、UQH第1回の扉にあった、ひとりぽつねんと佇んでいるエヴァに対する、救済であり、祝福だよね。

もっといえば、ネギま!の頃から、ボッチキャラだったエヴァが、完全にデレた瞬間。

それにしても、仲間に感謝するエヴァ、なんて見る日が来るとも思わなかったよなぁ。

まぁ、一応、そのエヴァの精神的成長を感じさせるために、日頃は、雪姫という大人の女性モードでいたのだろうな。

正直、雪姫モードは好みではなかったのだけど、「成長の証」を視覚的に示すための措置だった、ということであれば、納得。

でもまぁ、やっぱり、キティモードのエヴァのほうがエヴァらしくていいけどね。

で、今回、その姿でエヴァは、刀太が初恋だった、と告げるのだからw

いやはや、エヴァ本人でなくとも複雑だよね。

でも、そりゃそうだよね。

自分が最愛のネギ君救済のために作った「道具」「兵器」であった存在が、自分がかつて吸血鬼になって間もない時に会ったことのある初恋の相手で、けれども、その子は遺伝子的にはネギ君の子孫に当たるというのだから。

ここは、さすがに刀太の設定、盛り過ぎw!と思ったよw

そりゃ、エヴァじゃなくても、そんな相手が目の前に現れたら、あれこれと自動的に自分の行動を抑制しちゃうよね。

でもまぁ、これくらい複雑な経緯のある相手なら、エヴァが完全にデレた表情を見せる相手として申し分なかったということなんだろうな。

冷静に考えれば、エヴァには初期設定でナギを懸想していた、というのがあったし、その設定のもとでネギくんにも惹かれつつあったのがネギま!の物語だったからね。

で、あの頃は、寸止めで終わっていたネギくんへの気持ちが、まさにあの頃、ネギくん自身も言っていたことだけど、不死者として二人だけ残ってしまったからこそ、堰を切ったように動き出してしまった、というのがUQHだったからね。

今回、刀太がしょげてたように、ネギま!最終回の時間線なら、あのあと、エヴァは初志貫徹w、ナギと結ばれることになるわけで、その場合、エヴァもUQHの時間線にあるように、超鬱の状態になることもなかったわけで。

となると、そもそも刀太がいうように、エヴァが不幸を再び背負い込むことはなかったわけだよね。

でも、そこで、ダーマ師匠の計らい?で、同じくダウナーだった初期エヴァと出会っていたことで、刀太の存在意義というか、生きる目的も生まれたし、エヴァはエヴァで刀太を訳ありだけど懸想できる相手に留めることができた、ということだよね―。

いや、これ、かなりアクロバティックな展開で、正直、ツッコミどころは満載なものだと、今回のエピソードを読んだ後でも思っているのだけど。

だって、エヴァからすれば、刀太は自分が「作った」、いわばチャチャ丸みたいな存在で、それがいつの間にか、自意識をもち、自分を支える存在になろうと目指し、実際、自分を支えてくれている、若干3歳とか4歳とか、誕生してからまだそれくらいのことなのに。

という設定を聞けば、これ、完全にエヴァの自作自演じゃないの?って思うよね。

悪く言えば、慰みもののガジェットを作ったら、本気でそれを好きになってしまった、という、かなりゴシック風味のグロテスクな展開だから。

で、ちょっとだけずるいのは、それをエヴァの心象として描くのではなく、刀太の涙として描いてしまったところで。

そして、そのため、刀太にかつてのキティとの遭遇をさせていたとしたら、それはそれで趣味が悪いと思いたくなるところでもある。

なので、刀太の相手は、エヴァでホントにいいの?という疑問は、むしろ高まった。

てか、キリヱたち、どうするのさ?てこともあるし。

その意味では、エヴァに「初恋」と言わせたところも含みがあるよね。

エヴァにとって自分が今こうしてある原点に刀太があった、ということで。

あ、いま、ここまで書いて気づいたけど、これ、完全に『五等分の花嫁』の四葉と風太郎の設定と同じじゃんw 

さすがは、『五等分の花嫁』作者がバイブルと称える『ネギま!』の続編だけのことはあるw

となると、今どきは、『ぼく勉』なんかも含めて、タブーだった幼馴染エンドがむしろ普通になりそうな勢いにあるけど、エヴァと刀太はどうなるのだろうね。

多分、このタイミングでこの「初恋」という言葉をエヴァに出させたのは、きっと、だから、お前は大切だけどこれまでだな、というのがエヴァの側の本心のように思うけどね。

むしろ、刀太の気持ちに整理をつけさせるための措置というか。

で、首尾よくネギくんをヨルダの枷から解き放ったときは、晴れてネギくんとエヴァが抱き合って喜ぶエンド。

うん、多分、それだな。

刀太にとっては、年上のお姉さんとの淡い初恋として終わる。

うん、だから、終始、刀太の前では、雪姫の姿でいたのだろうな。

刀太にとって、エヴァの姿は禁じ手なんだよ、きっと。

セピア色の写真を見るような感覚。

いや、4歳? 5歳なんだけどw

しかし、この、時間線をどんどん飛ぶと、年齢と経験量が全く比例しない世界、というのは、真面目にSF的だね。

多分、この作品に、いまいちのめり込むことができなかったのは、そのあたりの時間の扱いが、良く言えば「斬新」、悪く言えば「雑」だったからなんだったんだな、と改めて感じた次第。

・・・って、これじゃ、今回が最終回みたいな感想だけど。

でもまぁ、いよいよ、大団円間近!ってことだよね。

次回、是非、ネギ=ヨルダのもとへ、進軍してほしいぞ!

最後は、ユエとか本屋とか、ラカンとかも、刀太側について、皆の力で、ヨルダを粉砕する大団円を期待している!

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五等分の花嫁 第116話 感想3: 結局、五つ子それぞれの伏線って特に回収されずに終わるのかね?

2020-01-09 16:35:17 | 五等分の花嫁
今回、三玖は、わりとあっさりと、というか、実は期待外れなくらい、風太郎に選ばれなかったことに納得してしまった。

最後には、「私は私を好きになれたんだ」なんて、自己満足の言葉を残して、自己完結してしまったのだけど。

でも、相変わらず、日の出祭の時に言っていた、風太郎への恋が実らないことを知っている、という言葉の意味とか、わからないまま。

これ、このまま、特に説明もないまま、作者は逃げ切るつもりなのかな?

なんか、一花についても、前回の115話で、もう全部終わった、という見方もあるようだけど、一花にしても、例の京都旅行における「全部、嘘」の真意とか、明かされていないよね?

こうした伏線、というか、もっとあけすけに言えば「思わせぶりな発言」については、ここから先、もう触れずに、四葉以外は畳んだことにして終わるのかね?

なんか、ホントに敗戦処理、というか、消化試合、みたいなんですけど。

百歩譲って、もう残りの尺から見ても、これは四葉エンドで確定、というのは認めるにしても、これまでの過程で、適宜、ばらまかれてきた「伏線(という名のただの思わせぶりな言葉)」は、それなりに、あれはね?、という説明がほしいと思ってしまうのだけど。

それもなしなのかな?

さすがにそれはないと思いたいけど。

でもさ、たとえば、なんで竹林は突然、それこそ唐突に風太郎の前に現れたの?とかさ、なにかしら背景があったんじゃないの?と思わされてきたことは、結構あるじゃない。

その全部をスッキリさせろとは言わないけれど。

だいたい、どれだけあるのか見当つかないし。

でも、主だったもの、とりわけ、日の出祭でばらまいた発言や行動については、もう少し説明がほしい。。

でないと、あの五つ子ごとに時系列を入れ替えてきた物語構成って、単純に読者を最終的に煙に巻くためだけのものだった、ってことになりかねないから。

それは嫌だな。

ということで、そのあたりの(読者の)不満も含めて、二乃には爆発してもらいたい。

あるいは、五月に。

それにしても、五月って、いったいなんのためにいたんだろう?

ホント、ただのくいしんぼのデブで、要領の悪い意識高い系のアホの子だった、ってだけなのかね?

確かに、ただひとり、アホ毛はあったけどさw

そういう意味では、五月が最大の「伏線(と思しき思わせぶり)」だったんだけど。

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五等分の花嫁 第116話 感想2: 次回第117話での二乃の逆襲に期待する!

2020-01-08 18:11:54 | 五等分の花嫁
ところで、風太郎は、今回、何してたわけ?

いや、きっと、たぬきに向かって「好きだー!」ってやってんだろうけどさw

にしても、風太郎、存在感ねぇー。

今回だって、勝手に四葉と三玖の間で、手打ちがなされてしまっている。

普通さ、もう少し男子に対して、フラれた側は逆恨み的行動、するもんだぜ。

恨みっこなし、なんてのは、誰になるかわからない時の言葉で、結果が出てしまったら、あれ、そんなこと、言ってたっけ?ってなるのが常道でしょ。

いや、だって、マジでヒドイでしょ。

三玖と四葉は、カラオケで完徹wして歌い尽くして、ウサを晴らしていたのに。

少なくとも、116話の最後で示された三玖の、なんか、もうスッキリしちゃた!・・・って感じの独白は、一応、5時間かけた向かい合い(歌い合い?)の結果でしょ。

で、その間、もう一方の当事者である風太郎は、なにしてんだよ?

確かに、日の出祭の最後の場面では、五月に「余計な気遣いは無用」と言われてはいたけどさ、それは、あくまでも、あの時限りのことでしょ?

そういう意味では、誰も彼もが当事者だったんだから。

まぁ、こんな不満の声も、ねぎ先生はお見通しのことだろうから、次回あたり、風太郎を強襲する二乃の話ぐらいになっていてもおかしくはないけどね。

なにしろ、二乃は怒っているのがデフォルトだからw(三玖談w)

少なくとも、向こうから先に告白してきていた二乃と三玖に対しては、風太郎の口から、ちゃんと一定の釈明が彼女たちそれぞれになされてもいいと思うけどね。

それは「余計な気遣いは無用」ということとは別の次元の話として。

単純に誠実さの問題として。

で、その上で、つまり、風太郎からの釈明を一通り聞いた上で、いや、でも自分は変わらずフーくんを思い続けるから・・・くらいの言葉は、二乃の口からは聞かせて欲しいところ。

そういう意味では、今回の三玖の態度は、あまりにも淡白すぎるでしょ。

あの日の出祭三日目の昼間、校舎の屋上で風太郎を押し倒した三玖はどこへ行った?

あの時点で、てっきり二乃クラスの肉食系に三玖も転身した、というか変貌していたとばかり思っていたのだけどね。

なので、是非、二乃には、聞き分けの悪い女になってほしいw

しかし、こう見てくると、一花が京都で「全部、嘘」と告げた場面も、今回の敗戦処理の対象からいち早く一花を外しておくための省力策だったのかと思えてくる。

今回、三玖に対して行ったことを、二乃だけでなく一花にまでしたら、(作者としては)手間がかかって仕方がないから。無駄にページを割くだけだし。

二乃については、やっぱり、気持ちの整理がつくまでホテル暮らしをする!というぐらいの姫キャラを演じてほしいね。

というか、実のところ、二乃って、五つ子の中で唯一、そういう感情の爆発を許された子だったはずなので、ここは、躊躇なく家をでてほしい。

その上で、マルオが上杉家に乗り込んでくる、という親バカを是非、演じてほしい。

てかさ、マルオ視点で見れば、どう考えても、風太郎は二乃と付き合っているようにみえていたはずだよね?

どうすんのさ、この先w

まぁ、だから、マルオは最後の結婚式には出席しないとすねて見せてるんだろうけどね。

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五等分の花嫁 第116話 『五時間一部屋』 感想: 三玖推しの人たちはこれでホントによかったの?

2020-01-08 11:17:57 | 五等分の花嫁
年をまたいでの三玖と四葉の話だったわけだけど、結局のところ、三玖が自分の気持ちにけじめを付ける回だった。

というか、それだけの回でしかなかった。

あくまでも三玖回。

四葉の本心は多少は吐露されたけれども、他の姉妹や風太郎へのことばは次回以降に繰り越し。

特に誰かを推しているわけではないけれど、しかし、今回の内容は、要するに、全国の三玖推しのファンの人たちに向けた、止めの一撃だった、ということで。

いよいよ、このまま四葉エンドで物語をたたむことが決まった、って感じかな。

いや、一応まだ、そう見せておいて実は・・・、というサプライズを、ストーリーテリング的には期待している方だけどw

でないと、ただの敗戦処理みたいな話が続くことになってしまうじゃない。


てか、今回の話でいけば、いや、いくらなんでも二乃の扱い、ひどくない?というのが正直なところ。

もちろん、四葉と三玖の対話の中で語られた二乃にすぎないわけだけど。

でもね、なにかあったときに参照点として、というかネタとして二乃が真っ先にあがるのは、さすがにこの状態では不憫だなぁ、と。


それにしても、難しいなぁ。

この「敗戦処理」の段階になって、この物語のヒロインが全員姉妹、しかも五つ子だという設定が、結構、グロテスクにヒドイ状況になってきている。

本気で、失恋の感情を爆発させることができない。

特に、今回の最後にあった、四葉には言わないけど、あの転校があったから風太郎と出会えた、だから不幸ではなかった、・・・なんていう思いは、さすがに自己完結させ過ぎでしょ?

しかも、こう思ったことも直接、四葉には言わない、っていうのだから。

一応、それが、四葉に対するせめてもの意趣返しなんだろうけどさ。

いや、でもさ、それ、爆発させろよ!

一度は怒れよ!、それこそ二乃みたいに。

このままだと、ホント、四葉エンドが、出来レースにしか見えなくなる。

いや、読者にとってはもちろん出来レースだよ。だって、途中であれだけ、彼女の「本当の想い」を先見せさせられているんだから。

でもね、三玖や二乃にとっては、まんま青天の霹靂だったはずだよね。

今回、三玖が四葉に対して、まさか、四葉の口から風太郎のことをずっと思い続けている、という言葉を聞く時が来るとは思わなかった!、と素で驚いたくらいなのだから。

だったら、もっと素直にこじらせないとダメでしょ。

それこそ、以前に五月と喧嘩して二乃がマンションを飛び出したことがあったように。

あれ以上の衝撃的事件が、起こったはずなのに。

でも、全員が同居しているために、全く冷却期間をもつことができない。

このあたりは、物語的には、わりと致命的。

一旦冷まして、しかる後に、喧嘩なり和解なり、が生じて当然のところなのにね。

で、仕方がないから、今回のように、暴風で電車が止まって帰れないという力技で、四葉と三玖の二人だけで、カラオケで夜を明かす、なんていうムリクリのシチュエーションをつくならければならなくなる。

このまま消化試合が続くだけなのかなぁ。

四葉が参戦してからが本番、だから、早く舞台に上がってきなさい、と思っていたのに、その舞台に四葉が上った途端、唐突に、いきなり幕が降ろされてしまうのだから。

カタルシスもなにもあったものじゃない。

今思うと、日の出祭の竹林遭遇事件のときに、三玖が四葉の行動にあれれ?と思った場面も、四葉が選ばれた時の三玖の衝撃を多少なりとも和らげるためだけのものだったようで。

でも、せめて、あの時に、(二乃はさておき)三玖だけは四葉の気持ちに気づいてしまい、四葉にきちんと問いただす場面が挟まれでもしていたら、だいぶ、今回の印象も変わったのだけどね。

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バビロン 第9話 『連鎖』 感想

2020-01-07 17:02:44 | バビロン
アレックスと正崎がようやく対面。

フランス大統領のルカも登場。

しかし、日本だと「新域」なんていう架空の特区でなんとなくホンモノっぽく見せることができたけど、話がアメリカにまで飛ぶと、スケールが大きくなった分、ウソっぽさが増したように見えるから不思議。

というか、大統領の距離が近すぎでしょ、いくらなんでも。

あと、ホワイトハウスだけでなくワシントンDC自体がペラペラに薄く見える。

原作の文章を読んでいるときには気にならなかったけど、映像にすると、とたんに、制作スタッフの理解度の薄さが露呈してしまう感じ。

というか、監督の絵コンテが貧弱なんだろうけど。

せめてドラマの『ホワイトハウス』ぐらいは見て、感じを掴んでほしかったなぁ。

FBI長官のブリーフィングがあるなら、当然、大統領執務室におかれたソファを使いながらのものになるんじゃない?

そこで、大統領、首席補佐官、国務長官、FBI長官が着席して内容確認をしているところに、正崎が呼ばれて着席(当然末席)を勧められる、という感じじゃない?

なんか、アレックスを囲んだやり取りが、ホワイトハウスというよりも、日本の官庁のようなやり取りになってしまっていて、リアリティがだだ下がりだよ。

この作品、というか、野﨑まどの小説って、ギリギリまでリアリズム的な描写を保ちながら、その限界でオカルトの世界、完全フィクションの世界に入っていくから、逆に言うと、オカルトが発生するまでの描写はリアリズムに徹さないと、本当にオカルトになった時にサプライズが起こらずに、ただの茶番になってしまう。

7話で、曲瀬が猟奇殺人に至る場面も、そこまでの描写が、たとえば暗い地下、捜査車両での情報収集など一定レベル以上のリアリティを確保していたからこそ、バラバラ殺人の凄惨さも増したわけでしょ?

だったら、8話以降のアメリカ編でも、そうしたリアリズムの担保は必要なはずなのに、たとえば、アレックスにしても、ゲーム画面を眺めているだけになる。

まぁ、こちらがすでに、この先の原作の展開を知っているから、というのもあるのだろうけど、それにしても、背景描写を含めて、製作サイドの勉強が足りない感じがする。

これはあんまり意味のない想像だけど、たとえば、この作品の製作をボンズが元請けしていたら、きっとワシントンDC取材とかして、背景に対する一定のリアリズムを確保できるよう、事前に動いていたと思うのだよね。

しかも、今回、自殺法がもつ「人類史における革新性」という、結構重い話を、アレックスと市長の間でやり取りしていたはずなのだけど、そこも徹底的に軽かった。

もうちょっと、やる気を見せてくれないかなぁ。

もっとも、今さら言っても詮無いことなんだけどね。

でもね、とにかく絵が軽い。物語が軽い。リアリズムがない。

さすがに東京が舞台のときはここまで軽くはなかったのだけど。。。

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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeフレイヤ 感想: フレイヤとシルの秘密に迫る想定外の一篇!

2020-01-06 18:16:56 | ダンまち
リューさん編に続く「ダンまち ファミリアクロニクル」の第2弾、フレイヤ編!

それにしても、なんでまた、いま、フレイヤ外伝?と疑問にも思うわけだけど。。。

ともあれ、とりあえず、スペース、空けときます。





































実のところ、フレイヤ外伝よりも、本編、先に進めてほしいのだけど、というのが正直なところで、その結果、なかなか読み進められずにいたのだけど・・・

でも、読み終わって、はっきりわかった。

このフレイヤ編は、とにかく、最後の7ページのためだけに書かれたものだった、ということ。

都合300ページもあって、だったらこれだけで単行本で良かったんじゃね?と思いたくなってしまう、最初の「アリィと8人の眷属」にしても、続くオッタルのバックストーリーを扱った「最強の起源」にしても、そして、アランたち他のフレイヤ・ファミリアのトップ眷属のバックストーリーを簡潔に記した「それぞれの昔日」にしても、これら全部が全部、最後の7ページのためにあった、ということ。

それは、シルとフレイヤの出会いのエピソード。

そして、多分、その7ページから想像されるのは、きっと、今の(ベルくん登場以後の)オラリオにおけるフレイヤは、シルと入れ替わっている、ということ。

正確には、きっと、お互いの身体と魂を入れ替えているに違いないということ。

急いで付け加えると、そうはいっても、本作で書かれているのは、フレイヤとシルとの間で何かを交換したことが示唆されているだけのことで、それが身体と魂を巡るものとは決して明示されていない。

けれども、その記述の直後のシルの描写を見ると、これはきっと中身はフレイヤなんだろうなぁ、と思わずにはいられない。

そして、そう感づいた途端、あぁ、なるほど、この「シルとフレイヤの間での魂と身体の交換」のために書かれたのが、アリィ編の話だったんだ、と思ったのだった。

細かいことを言えば、シルとフレイヤの「入れ替わり」が果たして恒常的なものなのか、それとも何らかの条件付きのものなのかまではわからないけれど、でも、二人の間で身体と魂を入れ替えていることは、多分、間違いないと思う。

というか、そう考えると、なぜ、今、時間軸で言えば、ダンまち本編よりも前の、いわば前日譚にあたる「アリィと8人の仲間」が書かれなければならなかったか、その理由がわかるから。

要するに、「アリィ編」は、フレイヤが直接、自らの「伴侶」を得ようと思うと、最後には失敗してしまう、という、フレイヤからすれば苦い経験を記したものだったから。

簡単に言うと、「アリィと8人の眷属」は、もう、まんま完全に、カリ城(『カリオストロの城』)だから。

アリィがクラリスで、フレイヤがルパン3世wの。

有名なカリ城の最期のシーンにあった、

「奴はとんでもないものを盗んでいきました!」
「え?」
「あなたの心です!」
「はい!」

という銭形のとっつあんとクラリスのやり取りのような内容だった!、といえば通じるかな?

でも、大事なのは、アリィがフレイヤに心を盗まれた・・・というところではなく、実はクラリスへの思いがまんざらではなかったルパンが、自らクラリスの場を去らなければならなかったところ。

つまり、これもまた有名な、クラリスの「今はできないけど、泥棒なら、覚えます!」と必死にルパンに訴えた言葉と同じことを、アリィもフレイヤの眷属になることを最後に選ぼうとしたから。

でも、クラリスが泥棒になってはルパンが愛したクラリス「姫」はただの少女になってしまうのと同じように、フレイヤが惹かれるほどの魂の輝きをもっていたアリィ「王子」も、王子であることをやめてしまえばただの少女になってしまう。

それでは、ルパンにせよフレイヤにせよ、自分の存在が、クラリスやアリィの輝きを損ねてしまう。

だから、自分がいつまでも心惹かれる存在であってもらうためには、クラリスやアリィのもとから自分の方から去らねばならなかった。

惹かれた相手をいつまでも輝かしい存在にとどめておくために。


要するに、「アリィと8人の眷属」という物語は、フレイヤ視点で見れば、彼女が「伴侶を見つけようとした旅」の失敗談であり、そして、この経験からフレイヤが得たことは、彼女が惹かれてやまない「魂」を手に入れることは、決して叶わぬ夢ではないのか、ということだった。

なにしろ、アリィ編で再三再四強調されたように、「フレイヤが本気になって『魅了』を用いれば、全てが茶番になる」ことが定められているから。彼女の魅了は、発言させれば、相手の自由意志を根こそぎ奪うものだから。その意味で、文字通り、フレイヤの人形となってしまう。

フレイヤの魅了とは、ルルーシュのギアスのようなもので、まさに「王の力は孤独にする」のを地で行っているのが、フレイヤ、ということになる。

だから、彼女は、オッタルたちに対しては魅了を用いず、あくまでも彼らの自由意志に任せる立場を取る。それが、眷属たちにとっては、「フレイヤの寵愛を得る」という媚薬のような魅力になって、いつの間にか、オラリオ随一のファミリアにまで発展するのだけど、でも、フレイヤからすれば、そんな最強ファミリアを得ることには、多分、関心はなく、欲しいのは、あくまでも「伴侶」となる相手。

つまり、相手の魂の輝きを損なわずに、その上で相手も自由意志のもとで自分を選んでくれた、とフレイヤ自身と確信できるような相手、ということ。

今回の物語をみれば、フレイヤが何より嫌いなのは、人間の自由意志を奪う仕組みや存在であり、だからこそ、アリィたちを奴隷の身から解放することを選ぶし、ヘグニやヘディンを彼らの自由を束縛する「王国」から解放してしまう。

でも、それもこれも、魅了という困った能力をもつ自分を呪った、一種の自己嫌悪の表明に過ぎない。

要するに、フレイヤが望むのは、きっと、燃えるような「自由恋愛」なのだと思う。

それこそ、深窓の令嬢のような想い。


そして、そんな想いを抱えたまま、束縛から解放してあげては熱狂的な眷属を増やし、その力を携えて伴侶を探す旅にでたものの、結局、その相手たるアリィを望むがままに手に入れることもできなかった。


そんなアリィを巡る苦い経験を得たところで見つけたのがベルくんだった!、ということ。

だから、読んでいたときは、そこで、あぁ、この話はダンまち本編の前日譚だったんだな、というのがようやくわかったわけだけどw


ともあれ、そのような時に現れたのが、あろうことかフレイヤの存在のあり方が欲しいと告げるヒューマンの娘シルだった。

結局、390頁もあったこの外伝で一番驚かされたのは、このシルとの出会いを描いた最後の最後の7ページほどだったということ。

明確には書かれてはいないものの、シルがフレイヤに向かって告げた「あなたになりたい」という言葉に面白みを感じたフレイヤは、シルとの間で、魂と身体を取り替える取引を提案したんだと思う。

要するに、「入れ替え」。

シルがフレイヤとして振る舞い、フレイヤがシルとして振る舞う時間を持つ。

もちろん、その「入れ替え」の主導権はフレイヤが握っているのだろうけど。

フレイヤからすれば、自分が「町娘」として外界に降りることで、今回のアリィ編でさんざん語られた、「フレイヤが本気で魅了の力を用いればすべて茶番になる」という自分の強すぎる「神性」という属性から解放されたかったのではないか。

だったら、今回の外伝が、ベルくんを見つける前のフレイヤの話だった、というのも納得がいく。

だって、ベルくんが、仮にアリィ並の「伴侶」となるような魂の持ち主だったとしても、本巻で描かれたような、アリィに示したような「接し方」をしたら、きっとベルくんとの結末も、アリィと同じようなものになってしまう。

フレイヤが、本気で相手を欲しいと思ってしまったら、その瞬間に、相手は、自分の意志からではなく、フレイヤの権能という「外部からの強制力」によってフレイヤに「魅了」されてしまう。

でも、それでは、フレイヤが見初めた魂は手に入らない。

つまり、フレイヤは大きな矛盾を抱えている。

その矛盾から逃れるために、なんの神性の力を持たない人間の身体に自らの魂を移すことができれば、仮にフレイヤが(シルという人間の身体を通じて)どれだけベルくんに好意を示したところで、そこには「魅了」の権能は発現しない、それゆえ、一番近い特等席から、ベルくんの魂の輝きが増す過程を眺めることができる。ときには、その手助けすらすることができる。

これは、「アリィ伴侶化計画」の失敗を通じて挫折を経験したフレイヤからすれば、願ったり叶ったりの状況ではないか。

あくまでも「町娘」として、人間の力でできる範囲のことで、精一杯、ベルくんのサポートをする。

要するに、今回の「外伝フレイヤ編」で描かれたことは、ダンまち本編が、フレイヤ視点で見た時「フレイヤの伴侶発見計画・第2弾」であることを「示唆する」ためのものだった。

そういう意味で、本作の物語はすべて、最後のシルとの出会いと、おそらくその時交わした誓約のためのものだった、ということ。

アリィ編は、まさに計画半ばで頓挫した「フレイヤの伴侶発見計画・第1弾」。

続くオッタルの最強伝説では、彼のバックストーリーとして、オッタルがレベル7の猛者に至った過程を描き、その勢いでアレンをはじめとした他のフレイヤ・ファミリアの一級冒険者についても、ダイジェスト版のバックストーリーが示される流れを、極めて自然のものに感じさせながら、しかし、最後の最後で「シルトの出会い」という爆弾を落としてきた。

本命は、あくまでも最後に出てきたシルだった。

だから、最後に、ベルくんに向けたお弁当を作ろうとプンスカしながら健闘するシルは、実は中身はフレイヤなんだよ。だから、フレイヤの眷属に「護衛」を気にさせ、「シル様」とかわざわざ呼ばさせていたわけで。。。

有り体に言えば、フレイヤ様は、ただの「自由な」人間になることを望んでいた。

だから、一種の「人魚姫」みたいなものだよね。

ひとりの町娘として、人間の輝く心に触れたい。その心が成長する過程を目の当たりにしたい。

うーん。

でもこう書いてきて思ったけど、そうすると、シルとフレイヤの魂の入れ替わりは多分、条件付きではなく、恒常的なものだよね。

そういう意味では、ダンまち本編が始まったときから、フレイヤ様の中の人は、実はシルだった、ということだよね。

で、そのシルが、もはや自分が人間であったことを忘れるくらい、完璧にフレイヤを演じてみせている、というわけで。一種の影武者。

ただし、現在シルの中にいるフレイヤの魂の願いは絶対に叶えるつもりであると。

だからこそ、フレイヤ(魂はシル)の隣には、お目付け役のオッタルが控え、地上に降りたシル(魂はフレイヤ)の護衛には常にアレンがついている、ということになるわけだ。

それなら、シルが、ミア母さんの下で給仕をしているの理解できるし。

だって、ミアのそばなら何よりも安全なわけでw

うむ。納得納得。

うん、きっと、今のシルは、中身はフレイヤで、そのフレイヤ様がずっと、ベルくんのことをこっそり期待した目で思慕し続けているんだよ。

さすがは戦いの神、魅了の神。

ヘスティアが素でやっていることを、シルという身体を得ることで、魅了の権能から解放されることで初めて行うことができた。

となると、この「シル(中身はフレイヤ)」は、今後、どういう形でベルくんの冒険に、本気で絡んでくるのだろう?

もはや、町娘なんて、いってられなくなるね。


で、あとちょっとだけ。

前巻のリューさん編もそうだったけど、外伝は、だいたい、本編の進行を加速するために必要な背景情報や設定を先見せする機会になっている。

今回で言えば、オッタルの過去話を聞かされているうちに、かつての「最強」であったゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアが、今のオッタルから見ても規格外の集団であったことが明かされた。

なにしろかつてはレベル9やレベル10の猛者がいたのだから。

正直、このパワーインフレがいいのかどうかは悩ましいところだけど、これで、ベルくんの目標も、アイズやオッタルではなく、かつてのゼウス/ヘラ・ファミリアのトップランカー級ということになった。

もはやレベル5とかレベル6とかで驚いている場合ではない、ということ。

ということで、多分、本編では近々、ベルくんのランクアップ、それも二階級特進の、いきなりレベル6、という展開もありだな―、と思った。

だって、それでも、まだレベル9やレベル10の道は遠いのだからw


それから、アリィだけど、今後は、もしかしたら、オラリオの冒険者達を外部に召喚するための役を果たすのかもね。

つまり、本格的に黒竜が現れて・・・という事態。

アリィが今回感じたように、外から見れば、オラリオの上級冒険者は、一騎当千どころか一騎当万の、危険極まりない「戦略兵器」に該当するので、その彼らをダンジョンが抑止力として押さえつけている。

その行使の要請を行う核になるのがアリィなんじゃないかな。

もっとも、ダンジョンをそのような抑止力として使っているのは多分、ウラノスなのだろうけど。

それもきっと、ゼウスとヘラとの間の、同じギリシア神話の神のよしみでの計画だったんだろうな。

そういう意味では、ゼウス/ヘラ・ファミリアなき後の最強ファミリアが、フレイヤ/ロキ・ファミリアという、北欧神話の神の率いるファミリアというのは、意味深なのかもしれない。

なんたって、竜殺しといえば、やはり北欧神話、ゲルマン神話だからねw


ということで、思いの外、このフレイヤ外伝、内容が濃く、今後の本編とも大いに関わる設定バレのものだったことがわかった。

それにしても、この作者、ミスディレクションの掛け方が3重掛けとか4重掛けとかだから困るw

まあ、そこが魅力でもあるんだけどね。執筆意図が常に隠されているというw

終わってみれば、大満足。
(最後の7ページまでは退屈だったと思っていたのは、ご愛嬌w)

ということで、とにかく、本編の新作を早く!

この感じだと、4月か5月くらいなのかなぁ。。。

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