気持ちのいい最終回。
綺麗なエンディング。
こういう話はやっぱり好きだなー。
多分、一般的には、これすげー!って評価は得られないのだろうけど、物語をネタにせずに、最後までちゃんと物語として完結させた姿勢は素晴らしい。
評価が別れるところは、多分、当初巨大な謎として立ち現れていた「はじまり/絶園の木/魔法使い」というのが、なんか神というか、外宇宙からの使者のような設定で有耶無耶にされてしまったところで、こういうところはガチに中二病的な人たちはがっかりするんだろうな、と思ったりする。
実際、最後に、羽村が召喚した「絶園の剣」なんて、もう、ご都合主義的なチート技でしかないわけでw
というか、羽村はかわいそうなくらい損な役回りだったので、あれくらいのチート感でごまかすのは必然だったんだろうけど。
でも、この物語は前に書いたとおり、結局のところ、ハムレットとテンペストを元にした、愛花による二次創作なんだよね。
とにかく、いろいろ超常現象があって悲劇も起こるけど、最後には皆が幸せになったと思えるお話。
そういう意味で、真広が言うように、愛花がこの物語の振付をしていた。
で、綺麗な幕切れだな、と思ったのは、その愛花が書いたシナリオを書き換えるという意気込みを真広がきちんと述べた後で、吉野と葉風の再会に続いたところ。
下手をすると、事件の解決後、葉風と吉野が付き合い始めることまで、愛花のシナリオの上にあったことのように思えてしまったら、吉野だけでなく、見ている側も、葉風は不幸だな、と思ってしまうから。
その葉風の恋心の扱いの部分は、彼女が過去に飛んで愛花と話した辺りから気になっていたことだったので、そこは、上手く、一旦区切りをつけて次のステップにいけてよかったな、と。
そういう意味で、この物語の主人公は、真広だよね。
まぁ、これも兄妹の関係があるから、主人公は皆の振り付けをする愛花/真広、ということなのだろうけど。
でも、これも、大元のテンペストがシェイクスピア自身の演劇観についての物語だった、という解釈からも理解できるところで。
今風に言えば、愛花/真広は、プレイヤーでありながらゲームマスターであった、ということ。ただし、その全能感を全面に出したら、物語として成立しないから、愛花は物語の冒頭で死ぬしかなかったし、真広は彼女の復讐が動機で動いているような描写が必要だった。そう思うんだよね。
大体、葉風と吉野を結びつけたのも、真広だしね。
というか、やっぱりこの物語の最大のご都合主義は、真広が葉風の瓶詰メッセージを見つけてしまったというところでw ここの都合の良さを冒頭のくろがね病の惨劇の描写で不問にしたところが、構成的にはうまかったと思う。
だから、第1クールの話と第2クールの話が文字通り、第一幕、第二幕のように、がらっと脈絡が変わったようになってしまったわけで。
個人的には、この転調は好きだったけど、上に書いたとおり、第2クールに入ってからのラブコメテイストにあれ?と思った人も多かったのだろうな、と思う。
でも、この作品は、魔法とか異世界からの襲撃とか、そういうのは主題でなく、ただの「舞台」にすぎない。
その上で、愛花/真広を中心にして、様々な人たちが愛憎入り交じってやり取りしながら、それぞれ大事なものが何であるかを再発見していく物語。
なかでも、葉風が恋を見つける物語。
そして、そのことで、吉野が救済される物語。
だから、主人公は真広、ということになる。
てか、真広、いい男過ぎるよねw?
いい意味で堅実で合理的で、でも超人系。
こういう男子キャラはいいね。
もうホント、一部のラノベにあるようなウジウジした男子が主人公の話は勘弁してほしいと常々思っているので、この真広のようなキャラはいい。
もちろん、吉野も良かったけど。
それにしても、最後の愛花のメッセージはやられたw
そして、このメッセージを語らせるために、CVは花澤さんにしたんだな、と思った。
真広と吉野に対して終始ツンでいたのが、最後に、ちょっとだけデレてみせる。
そういう慈愛感の表現には花澤ボイスはあってた。
一人の役者としてね。
そして、その愛花の向こうを張る葉風のCVが沢城さんだったのもマジでよかった。
この人の「演技」がなければ、第1クールの孤島にいる葉風と、第2クールで吉野を追いかける葉風とを演じ分けることはできなかったと思
う。
基本、吉野は唐変木系のキャラwだから、ラブコメテイストの多くは、葉風の言動で表現されていたわけだから。
前に書いたように、この話がシェイクスピア的な「演劇」であるなら、舞台に立つ俳優にも花がなければならない。その花としてこの二人は別格だった。
そして、その脇を固める人たちもよかった。
正直なところ、梶ボイスはベースが甘すぎるのであまり好きではないんだけど、羽村については、そのウジウジ感からヒーロー役への転換を含めてはまり役だったと思う。
あるいは、フロイライン山本についても。この人、一体何者?って最後まで思わせられたけど、第2クールに入って、真広と吉野に焦点があたるようになったことを受けて、語り部役になっていて、そこで超然としている水樹ボイスは合っていた。
あとは左門を始めバイプレーヤーはたくさんいるわけだけど、彼らの芝居もよかった。
ホント、この作品は超優秀な佳作だと思う。
ボンズは、こういう原作付きのものを映像化するときのほうが安定するね。
神のような異世界人のような存在が災厄をもたらしてしまった、それをみんなで解決するという意味では、最近だったらAOとかもそうだったわけだけど、出来は多分、1億対1くらいの差で、このテンペストのほうが良かったから。
こういう作品を安定の映像クオリティで引き続き見せてほしいな。
ということで、『絶園のテンペスト』、面白かった!
綺麗なエンディング。
こういう話はやっぱり好きだなー。
多分、一般的には、これすげー!って評価は得られないのだろうけど、物語をネタにせずに、最後までちゃんと物語として完結させた姿勢は素晴らしい。
評価が別れるところは、多分、当初巨大な謎として立ち現れていた「はじまり/絶園の木/魔法使い」というのが、なんか神というか、外宇宙からの使者のような設定で有耶無耶にされてしまったところで、こういうところはガチに中二病的な人たちはがっかりするんだろうな、と思ったりする。
実際、最後に、羽村が召喚した「絶園の剣」なんて、もう、ご都合主義的なチート技でしかないわけでw
というか、羽村はかわいそうなくらい損な役回りだったので、あれくらいのチート感でごまかすのは必然だったんだろうけど。
でも、この物語は前に書いたとおり、結局のところ、ハムレットとテンペストを元にした、愛花による二次創作なんだよね。
とにかく、いろいろ超常現象があって悲劇も起こるけど、最後には皆が幸せになったと思えるお話。
そういう意味で、真広が言うように、愛花がこの物語の振付をしていた。
で、綺麗な幕切れだな、と思ったのは、その愛花が書いたシナリオを書き換えるという意気込みを真広がきちんと述べた後で、吉野と葉風の再会に続いたところ。
下手をすると、事件の解決後、葉風と吉野が付き合い始めることまで、愛花のシナリオの上にあったことのように思えてしまったら、吉野だけでなく、見ている側も、葉風は不幸だな、と思ってしまうから。
その葉風の恋心の扱いの部分は、彼女が過去に飛んで愛花と話した辺りから気になっていたことだったので、そこは、上手く、一旦区切りをつけて次のステップにいけてよかったな、と。
そういう意味で、この物語の主人公は、真広だよね。
まぁ、これも兄妹の関係があるから、主人公は皆の振り付けをする愛花/真広、ということなのだろうけど。
でも、これも、大元のテンペストがシェイクスピア自身の演劇観についての物語だった、という解釈からも理解できるところで。
今風に言えば、愛花/真広は、プレイヤーでありながらゲームマスターであった、ということ。ただし、その全能感を全面に出したら、物語として成立しないから、愛花は物語の冒頭で死ぬしかなかったし、真広は彼女の復讐が動機で動いているような描写が必要だった。そう思うんだよね。
大体、葉風と吉野を結びつけたのも、真広だしね。
というか、やっぱりこの物語の最大のご都合主義は、真広が葉風の瓶詰メッセージを見つけてしまったというところでw ここの都合の良さを冒頭のくろがね病の惨劇の描写で不問にしたところが、構成的にはうまかったと思う。
だから、第1クールの話と第2クールの話が文字通り、第一幕、第二幕のように、がらっと脈絡が変わったようになってしまったわけで。
個人的には、この転調は好きだったけど、上に書いたとおり、第2クールに入ってからのラブコメテイストにあれ?と思った人も多かったのだろうな、と思う。
でも、この作品は、魔法とか異世界からの襲撃とか、そういうのは主題でなく、ただの「舞台」にすぎない。
その上で、愛花/真広を中心にして、様々な人たちが愛憎入り交じってやり取りしながら、それぞれ大事なものが何であるかを再発見していく物語。
なかでも、葉風が恋を見つける物語。
そして、そのことで、吉野が救済される物語。
だから、主人公は真広、ということになる。
てか、真広、いい男過ぎるよねw?
いい意味で堅実で合理的で、でも超人系。
こういう男子キャラはいいね。
もうホント、一部のラノベにあるようなウジウジした男子が主人公の話は勘弁してほしいと常々思っているので、この真広のようなキャラはいい。
もちろん、吉野も良かったけど。
それにしても、最後の愛花のメッセージはやられたw
そして、このメッセージを語らせるために、CVは花澤さんにしたんだな、と思った。
真広と吉野に対して終始ツンでいたのが、最後に、ちょっとだけデレてみせる。
そういう慈愛感の表現には花澤ボイスはあってた。
一人の役者としてね。
そして、その愛花の向こうを張る葉風のCVが沢城さんだったのもマジでよかった。
この人の「演技」がなければ、第1クールの孤島にいる葉風と、第2クールで吉野を追いかける葉風とを演じ分けることはできなかったと思
う。
基本、吉野は唐変木系のキャラwだから、ラブコメテイストの多くは、葉風の言動で表現されていたわけだから。
前に書いたように、この話がシェイクスピア的な「演劇」であるなら、舞台に立つ俳優にも花がなければならない。その花としてこの二人は別格だった。
そして、その脇を固める人たちもよかった。
正直なところ、梶ボイスはベースが甘すぎるのであまり好きではないんだけど、羽村については、そのウジウジ感からヒーロー役への転換を含めてはまり役だったと思う。
あるいは、フロイライン山本についても。この人、一体何者?って最後まで思わせられたけど、第2クールに入って、真広と吉野に焦点があたるようになったことを受けて、語り部役になっていて、そこで超然としている水樹ボイスは合っていた。
あとは左門を始めバイプレーヤーはたくさんいるわけだけど、彼らの芝居もよかった。
ホント、この作品は超優秀な佳作だと思う。
ボンズは、こういう原作付きのものを映像化するときのほうが安定するね。
神のような異世界人のような存在が災厄をもたらしてしまった、それをみんなで解決するという意味では、最近だったらAOとかもそうだったわけだけど、出来は多分、1億対1くらいの差で、このテンペストのほうが良かったから。
こういう作品を安定の映像クオリティで引き続き見せてほしいな。
ということで、『絶園のテンペスト』、面白かった!