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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

五等分の花嫁 第117話 感想2:五月エンドっていわれてるほど唐突なのか?

2020-01-16 21:45:29 | 五等分の花嫁
117話で示された、あれ?もしかして五月エンドあり? という展開に、そんなのありえねー、とか、さすがに遅すぎ!、とかいう意見が結構あるみたいだけど。

でも、そんなにいうほど、無理な展開かね?

前の感想にも書いたとおり、五月って、むしろ五つ子の中では例外的に、風太郎との距離の縮まり方を現在進行形で描かれてきた人物だと思うのだけど。

連載直後は「大嫌い」だったのが、林間学校あたりで「ニュートラル」にまで持ち直して、その後は少しずつ「信頼」を取り戻して、この間の日の出祭で「尊敬」の対象にまでなって、そして、今回、とうとう「好き」ってことでしょ?

黄金のルートではないの?

その変化のプロセスも2年間分、きちんと描かれているのだし。

そもそも今の五つ子と風太郎との関係の出発点となる、風太郎による五つ子の「パートナー宣言」にしたって、五月が風太郎をけしかけたからだったし。

連載開始初期の花火大会で、五つ子を「パートナー」と呼ばせたのは、他でもない五月だったわけで、その発言に最初にグラっときて食いついたのが一花と三玖で、その後のしばらくの物語を引っ張ったわけだけど、でも、当然、そのパートナーの中には五月も含まれているわけで。

五つ子たちのことをきちんと「特別な対象」として意識させたのは五月だった。

それに、これは地味に重要じゃないかと思うのだけれど、風太郎が、最初に変装を見分けた相手って、五月だったってこと。四葉ではなく。

林間学校で、一花に変装した五月に気づいたことね

もちろん、あれは「上杉くん」という五月が使う呼び方に気づいたからなのだけど、ともあれ、最初に五つ子を見分けることができたのは「あの時」という理屈も、一応、通るかな、と。

つまり、この「五等分の花嫁」ワールドにおける黄金律たる「愛があればわかります!」に従えば、あの林間学校の時点で、風太郎は「愛」を五月に対して覚えていた、ということでしょ?

まぁ、「愛」は必ずしも「恋愛」を意味するわけではないから、直接「好き」ってことではないだろうけど。

でも、五月の存在が風太郎にとって大事なものだった、というのはあの時からあったわけで。

で、その後は、デレる前の二乃の横暴(風太郎が用意したプリントを破いたというやつ)を目にして、思わず風太郎に代わってビンタした事件とか。

いうまでもなく、零奈に扮することで、何度も本音の会話を風太郎と交わしていたわけで。

で、そのそれぞれの事件は、いずれもこの2年間の風太郎の行動や決断に大きな影響を与えてきていた。

四葉のような完全な支援形態ではなかったけど、折りに触れ、風太郎の行動をたしなめていたわけで。

とはいえ、なんといっても五月は「堅物」だから、そもそも風太郎に限らず、男子に対して「恋愛」を真剣に考えるモードには達していなくて、それよりも姉妹に対して母を演じることを優先していた。

それもあって、四葉から零奈に扮するよう頼まれたことで、自分の気持ちよりもまずは「優先権」という意味で、四葉がまずは風太郎に気持ちを打ち明けることを最優先するようにしてしまったんじゃないかな。

仮に風太郎に惹かれていると感じたとしても、それは零奈を演じることで、風太郎が零奈に向けた言葉に揺り動かされてしまったから、ということで。

でも、その言葉は、本来なら零奈=四葉こそが受け止める言葉であると。

とまれ、零奈を演じるようになったあたりから、自分の気持ちがだんだんわからなくなっていったのが実情じゃない?

で、多分、実は人の心情がわかる「国語の得意な」四葉は、五月のそうした「迷い」にも気づいていると思うのだよね。

つまり、四葉からすれば、自分がいるせいで、五月は自分の本心を明かすことができない、というように。

で、ここからさきは、五月エンドの可能性、ということになるけど。

一番のポイントは、一方の当事者である四葉の行動でしょ。

好きだから付き合う、ではなく、好きだけど付き合わない、という選択肢も、まだ当然、残っている。

互いに「好き」だといっても、四葉と風太郎の意識がすれ違っている可能性ももちろんあるわけで。

あの日の出祭最終日における四葉の「好き」は、いわば修学旅行の時の三玖が風太郎に言った「好き」と同じで、姉妹のアシスト(特に五月と一花)があったからこそ、実現したもので。

でも、その一方で、四葉がまだ風太郎に伝えていない、隠したままのことは、いろいろあるわけで。

その筆頭は、6年前の京都のことであり、五月に頼んだ零奈のことであり、もちろん、日の出祭のあいだに、風太郎にキスしてしまったことも。

というか、もしも、次回、二乃とのやり取りの中で、風太郎に日の出祭中にキスしたことを明かしてしまったら、それは風太郎の耳にも入ることで、例の「鐘キス」要件からしたら、四葉が一歩後退することになったりはしない?

ということで、五月が風太郎と積み重ねてきたものや、五月の成長の後が(言葉ではないけれど)具体的に作中で描写され続けてきたこと、そして、四葉が態度を保留していること、などを考えたら、四葉エンドではなく、五月エンドに変わる可能性もあるし、そのことには、これから10話も20話もかけないとできないことでもないと思うのだよね。

つまり、五月エンドがあったとしても、全く唐突ではない。

で、もう一つ、メタな話をしてしまえば、『ぼく勉』のアニメの「うるかエンド」が典型的だけど、ここのところ、従来の「幼馴染=すべり台」の公式を覆す「逆張り」として「幼馴染エンド」が出てきているようには思うのだけど、さすがに、その流れに『五等分の花嫁』は乗ったりしないよね?というのがある。

だって、理由が従来の常識を覆すというだけの「逆張り」でしかないわけで、さすがにそれは安易すぎるでしょ、ということ。

それからもう一つ。

102話で一花が、風太郎に自販機で飲み物を選ばせることで、鐘キスが誰だったらいいと思っていたか、告白させようとした時のこと。

あの時、五月にはコーヒーがあてがわれていて、しかし、作中で、風太郎がコーヒーを好まないことはすでに、五月とのやり取りで繰り返されていた。

なので、そもそもコーヒーをあてがわれた時点で、五月は選択外、という話があったと思うのだけれど、この先、あれは逆の意味に取れるようになるのではないか?

つまり、風太郎は、「コーヒーの五月ちゃん」を選ぶことができるのか?ってことで、いや、風太郎、高校も卒業するんだから、そろそろコーヒーの味も覚えろよ、いつまでも、コーヒー苦い、飲めない、とか、ガキみたいなこと、いってんじゃねぇよ、ってこと。

つまり、風太郎も、この物語を通じて一つ、大人になれ!ということ。

となると、むしろ、あれほどしつこくコーヒーを勧めていた一花は、実はずっと、風太郎に五月推しをしていた、ということになるのだけどね。

あ、でも、林間学校の時に、五月が一花に紛争したのも、そもそも一花がけしかけたことだったか。

となると、実は、一花は、最初から風太郎に五月を推すための役目を負わされていたのかもしれない。

ともあれ、多分、風太郎と四葉が結ばれてしまうようなら、それは、単純に6年前の小学生の時の二人が結ばれるだけのことで、それでは、ただ時間を巻き戻すだけのことになってしまう。

そこから一歩踏み出す、という意味でも、四葉は、もしかしたら風太郎を好きだけど選べない、付き合えない、ということなのかもしれない。

前回の116話でも、三玖に対して「上杉さんのことを思い続けてる」と面と向かって言っているし。

「思い続ける」ことを「付き合う」ことは、四葉の中では、もしかしたら全く違うことなのかもしれない。

まぁ、そのあたりの四葉の考え方、というか本心は、次回明かされるのだろうけど。

ともあれ、もう二転、三転くくらいしそうな感じだね、物語としては。

まったく敗戦処理ではなかったw

でも、そのほうが、花嫁は誰だ?!ミステリーっぽいと思うんだよねw

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