酔生夢死の日録

ド素人が好き勝手に語る妄言です

ベンチ裏の落合監督

2011年12月01日 | 野球
一昨日のテレビ朝日系列・「報道ステーション」の落合監督へのインタビュー

は、想像以上に面白い内容だった。

インタビュアーが長嶋一茂だったので、当初あまり期待していなかったのだが、

これが実に内容の濃いものだった。

先日のTBS「S-1」のノムさんと落合監督の対談よりもはるかに良い

出来だった。(あの番組は見掛け倒しのことが多く、また時間が短すぎることも

不満だ)


中でも一番驚かされたのは、落合監督が試合の途中(イニングの間)に

頻りに席を外すことについての話だった。

今年は特に頻繁だったので、私はずっと気になっていたのだ。

トイレにしては回数が多すぎるし、薬を飲むにしても頻繁すぎる。


話を聞いて驚いた。

監督はイニング交代の度に頻りに席を立って、監督室に行って気分転換・

ストレス解消を図っていたというのである。

監督室で「あの野郎、あんなボールを打ちやがって・・・」とか独り言を

言って、気分転換をしてまたベンチに戻って、例の無表情な顔で采配を

振るっていたそうだ。

あの冷徹なほどの表情の裏にはそんな努力が隠されていたのか。


そして落合監督がそこまでして冷静を装うのには、訳があった。

それは監督がベンチで感情を剥き出しにしていると、それは当然選手に伝わり

その結果選手は萎縮してしまい、実力を発揮できなくなってしまう。

彼はそのことを怖れたのである。

「過去の中日にそういう政権があった」と落合は言う。

言うまでもなく星野元監督のことである。

現に、星野監督の下で4番打者を務めていた当時の落合が、監督の怒声

を結構気に病んでいたという話は、当時のテレビ中継で聞いたことがあった。


元々落合は大学の野球部を「鉄拳制裁」を嫌って中退した人である。

中日の監督になってからも、コーチに「鉄拳制裁」は絶対禁止にさせたのだ。


ところで星野仙一・現・楽天監督は、鉄拳制裁で知られた人である。

昔流の体育会系体質の持ち主と思われる。

かつて西武のコーチを務めた大久保博元は、選手に対する暴力問題等で

コーチを解任されている人物である。

そして彼は来年から、星野監督の下、楽天のコーチに就任することが決まって

いる。


2008年の北京五輪、野球の日本代表監督を務めた星野は当初「金メダル以外

要らない」と言っていたが、メダルなしに終わった。

帰国後、星野はメディアから散々叩かれて、翌年開催のWBCの監督も

原監督に替わった。

あの五輪では信じられないようなエラーを繰り返す選手も出て、私には選手が

萎縮しているように感じられた。

(北京五輪当時の日本代表チームの内情については、過去に当ブログで

書いたことがあるので、興味のある方はこちらをどうぞ)

厳しい言い方になるが、星野の流儀が破綻していたのは北京五輪で明確に

なったのではないのかと思われる。

結局私には、星野の手法が過去の遺物にしか見えないのだ。