酔生夢死の日録

ド素人が好き勝手に語る妄言です

大阪国際女子マラソン・テレビに一言

2012年01月30日 | 陸上
昨日の大阪国際女子マラソンを、テレビで見ていて感じたことを書いてみたい。


まず始めに感じたことは、解説者が多すぎることだ。

高橋尚子(スタジオ・ブース)、増田明美(1号車)、有森裕子(2号車)、

山口衛里(バイク・リポート)。

こんなにいるから、1号車に乗っている増田明美さん以外は、出番が極端に

少なくなってしまった。


また解説者が話している時に、リポーターのアナウンサーが平気で割り込んで

来て、結局解説者が話を中止せざるを得なかったこともあった。


ところで私が昨日、もっとも腹立たしかったことがある。

それは終始先頭を走っていて、選手名のテロップにも出ていた小倉久美選手

(四国電力)のことについてである。

彼女は一般参加の選手であり、ずっと先頭にいるのが不思議な感じがしたが、

15km付近で他の2人のペースメーカー(以下P・Mと表記)とほぼ同時

に、突然横に逸れたのだ。

あれっと思ったが、実況アナウンサーはP・Mが離れたことは言ったが、

小倉選手のことには全く触れない。

見ていたこちらには、当然ながら何のことやら分からない。

P・Mは識別のためにブルーのゼッケンを着けていた。

しかし小倉選手は、一般参加のゼッケンを着けていた。

棄権するにしては、離れ方に勢いがあった。

一体何なのか?


答えらしきものは、今日になって知ることができた。

実は昨日の当ブログにコメントを寄せて下さった方があり、

その方によると、「(小倉選手は)元々P・Mで参戦予定だったが、

清水裕子に差し替えられたらしい」とのことらしい。

そう言えば、清水選手は陸連からの依頼で急遽P・Mになったという記事は

どこかに出ていた。

そうすると、元々P・Mの予定だった小倉選手は、それなりの練習しか

して来なかった可能性があるから、予定通りの離脱なのかもしれない。

それにしても、実況アナが何も触れなかったのはなぜか。

いかにも不自然ではないだろうか。


これは私の邪推にすぎないが、テレビ局は全て承知の上で、何もなかった

ような振りをしていたのではないか。

番組を盛り上げるためには、小倉選手も一般選手として扱えば、

にぎやかでいいという判断をしたのかもしれない。


さて話題を変える。


今日になってネットでは、P・Mについて不要論がいくつか出ていた。

実は私も以前から不要だと思っていた。

まず一番の理由は、五輪でも世界大会でもP・Mは認められていない

ことである。

P・Mに引っ張られて、好記録を出すのはいいが、大事な本番ではP・Mなし

で走らなければいけない。

それに新記録といっても、「P・Mあり」と「なし」では若干意味合いが

変わって来るようにも思う。

この種の不透明なものは排除すべきだというのが私の考えだ。



























大阪国際女子マラソン・雑感

2012年01月29日 | 陸上
予想外の結果となった。

重友梨佐(天満屋)が2時間23分23秒で優勝。

福士加代子(ワコール)は26km付近から遅れ始めて、

2時間37分35秒で9位。


今更こんなことを言っても信用されないだろうが、

前半の重友の上半身がブレない走りを見ていて、ひょっとすると優勝も

あるかなという感じを抱いた。



道中の簡単な感想を述べてみる。

<10km付近>

福士が沿道の人に向かって、笑顔で手を振っていて驚いた。

<15km付近>

坂本直子(天満屋)が遅れ出す。

4人いたペースメーカーのうち2人が離れる。

(この辺まで先頭を走っていた小倉久美(一般参加・四国電力)も同様に離脱

する。彼女はペースメーカーのつもりで走っていたということなのか)

<22km付近>

最後に1人残ったペースメーカーの清水裕子(積水化学)が離れた。

(ハーフの通過タイムは1時間10分58秒。これは清水の自己ベスト

1時間12分22秒を上回るペースであり、清水はハイペースで選手を

引っ張ったことになる。今日の重友の好タイムは清水のおかげとも言える)

<26km付近>

福士が少し遅れ始める。口も開いて来た。

解説の増田明美は「口は開いて来たけど、走りのリズムは変わっていない」と

コメント。


一方、バイク・リポートを務めていた山口衛里(天満屋・陸上部元コーチ)は、

「腰の位置が少し落ちて来た」と指摘、「脚に来ているかなぁ」とコメント。

福士は少しストライドが狭くなって来たように感じた。

重友はフォームも表情も終始変わらず。

<38km付近>

重友、少し苦しそうな表情を見せ始める。

上体もややブレて来た。

<ゴール>

重友 2時間23分23秒で優勝。

このタイムは日本歴代9位の好記録。

日本選手が2時間24分を切ったのは、およそ3年ぶりのことらしい。

彼女はまだ24歳。

ここ1年程は、駅伝で好走していた印象が強くある。


まぁ、このタイムならロンドン五輪はほぼ内定かな。

ところで問題なのは赤羽有紀子の動向である。

これで果たしてどうするのか。

3月11日の名古屋ウィメンズマラソンに出場するのかどうか。

結構微妙なところがあるような気がする。


一方、福士はどうするのか。

もうマラソンは断念して1万mに復帰するのか、

それとも4年後のリオデジャネイロ五輪へ向けて再挑戦するのか。

いずれにしても辛い選択を強いられるのだろう。

レース前に「4年前の失敗した自分が嫌だからやり直す」と言っていた彼女。

モチベーションをどう維持するかが課題と思われる。



(1/29 午後7時過ぎに追記:大阪陸協からスプリットタイムが発表された。

興味深いデータが出ていたので追記する)


各選手のスプリットタイム(5kmごとのタイム)を比較すると、

最高タイムと最低タイムの差は、以下の通り。


着順 選手名     最高タイム   最低タイム      タイム差
        
1位  重友    16分43秒    17分40秒        57秒

2位 ガメラシュミルコ 17分00秒    17分22秒        22秒

3位  野尻    16分43秒    17分48秒      1分05秒   


9位  福士    16分42秒    24分04秒      7分22秒


見ての通りだが、中段から追い上げて2位に入ったガメラシュミルコは、

ペースをほぼ均一に刻んで最大差22秒なのに対して、

後半大バテした福士は最大差7分22秒である。


かねてから私はスプリットタイムを見るたびに、一流選手には大きなブレが

少ないことに驚かされて来たものだが、今日改めてそれを思い知らされた。

























都道府県対抗女子駅伝(録画を見ての感想)

2012年01月17日 | 陸上
連日、都道府県対抗女子駅伝の話題ばかりで申し訳ないのだが、

昨日録画を見て感じたことがいくつかあるので、それについて書いてみたい。

(早い話が、ブログのネタに困っているだけなのだが)


まず感じたことは、有森裕子さんの解説に感心させられたことだ。

有森さんは、選手のエピソードなどの余計な話は一切せずに、

選手のフォームを見て、その選手の調子を判断する能力は素晴らしいものが

あると感じた。

それも、まだ走り始めたばかりの頃に、その選手の状態を見抜いてしまうのは

凄いとしか言いようがない。

しかも有森さんのその判断は、今回の駅伝では概ね当たっていたように思う。

これは解説の見本だと思った。

(余計なエピソードの紹介に熱心な増田明美さんは、反省すべし。

ファン層の拡大を狙ってしているのかもしれないが、正直言って

少々鬱陶しい)


それに比べて同じく解説の金哲彦さんは、今回は選手間のタイム差を報告する

係にされていたようで、少々気の毒だった。


また今更言っても仕方がないが、駅伝は個々の選手の調子がもろに

チーム全体の成績に波及するという意味で、残酷なスポーツだと感じた。

不調だった選手が泣き崩れるのも、無理はない。

個人競技なら自分だけの話で済むが、団体競技ではそうは行かない。

しかも、サッカーなどの団体競技とは異なり、各区間では個人で走っている

のである。

個人の成績の集積が団体の結果になる。

体操の団体成績のようなものと言えるのかもしれない。

いずれにしても、各個人に掛かる重圧は想像を絶するものなのだろう。

それ故にか、駅伝で優勝したチームの喜び方は半端なものではない。

あの歓喜のシーンは実に素晴らしい。


最後に余談を少々。


京都は5区の青木奈波(区間賞)が19秒差の2位に押し上げて、

さてこれから6区・7区で久馬姉妹のコンビで大阪を抜いてトップに立つ

という絶妙なシーンが期待されたのだが、残念ながらそれは夢と消えた。


また、これは以前から気になっていたことなのだが、長距離ランナーは

太腿は鍛錬のせいかそこそこ太いのだが、二の腕が驚くほど細い選手が多い

ように思う。

(昨年の世界陸上マラソン代表になったダイハツの中里麗美選手の二の腕は、

尋常ではない細さである。表現は悪いかもしれないが、「ガリガリ」に近い

レベルである)






















都道府県対抗女子駅伝・雑感(補訂版)

2012年01月16日 | 陸上
やはり駅伝は一筋縄ではいかない複雑なものというのが、

終わってみての正直な感想である。

もちろん予想通りの完勝というレースに終わることもこれまでには結構ある。


しかし予想通りに終わるよりも、どちらかと言えば予想外の結果が出る方が、

私は好きだ。

その意味では、今回私が応援した京都が勝てなかったことも、

ある程度は止む無しと思っている。


京都に関して昨年との比較で敗因を言えば、これは明白である。

昨年のメンバーで今年いなくなった福士、木崎、小島の穴は決定的に大きい。

9人で走る駅伝で、主力が3人も抜けて勝てるわけがない。

だがこれは事前に十分予測できたことであり、今更言っても始まらないことだ。


また言いにくいことをあえて言えば、「中学生が弱い」と言われるチームは

岡山などもそうだと思うが、地元の中学生は弱くても“スカウト力”で

他県から優秀な中学生を集めて来るから、立命館宇治高とか興譲館高が強い

のであって、特定の高校が常に圧倒的に強い理由は、その辺に事情が隠されて

いるように私には思える。


さて、総評を。


<1区>

岡山の中村友梨香(天満屋)が始めからついて行けず、後方のまま。

そもそも脚が上がっていない。

結局42位。なんと先頭から1分8秒差。

京都の石橋麻衣(佛教大)は前半飛ばした影響からか、終盤持たずに

先頭から3秒差の5位。


今年は大阪から出場した木崎良子(ダイハツ)は、さすがの貫禄を見せて、

区間賞。

私の地元の静岡の榊原美希(浜北西高)は高校生ながら、途中まで先頭に並ぶ

などよく頑張ったと思う。(結果、木崎から21秒差の17位)


<2区>

注目の兵庫の小林祐梨子(豊田自動織機)が意外にも延びて来ない。

結果は区間21位という惨敗。

小林は昨年秋頃(?)からスランプに陥っていたようだ。

愛知の安藤友香(豊川高)は2番手に着けて追走するも、

表情は殆ど変わらず、昨年末の全国高校女子駅伝を思わせる好調さを窺わせる

走りを見せて区間賞。

安藤を見ていて感じるのは、とにかくフォームも表情もぶれないということだ。

苦しい表情を殆ど見せない、そしてフォームも殆ど崩さない。

この強さは一体何なのだろうと思わざるを得ない。


<3区>

静岡代表ということで、個人的に注目していた選手、

山本菜緒(三ヶ日中3年)は結局13人抜きをしたものの区間5位だったようだ。

彼女は先月行われた、静岡県内の駅伝であの木村友香選手

(静岡県出身・筑紫女学園高)に勝ったことで、ごく一部ではあるものの

話題になった人である。

まぁ、この区間には強豪が多かったからやむを得ないか。

埼玉の中川文華(朝霞三中)が区間賞。


<4区>

滋賀の竹中理沙(立命館大)が20位から7位と13人抜きを達成したようだ。

群馬の絹川愛(ミズノ)も13人抜き。

(但し絹川は昨年暮れにアキレス腱?を故障してしまい、

予定していたアンカー区間から距離の短い4区に変更されたようだ)


<5区>

菅 華都紀(興譲館高)が15人抜きをしたという。(但し区間記録は2位)

区間1位は、愛知を抜いて2位に上がった京都の青木奈波(立命館宇治高)。

この辺の争いは実に熾烈だと思わされる。



<6区>

いよいよ、私が注目している久馬姉妹(京都・綾部高)の登場である。

まず双子の姉の悠だが、何となくピリッとしないので、少々不満を

感じた。

結局、区間4位。


<7区>

妹の萌の出番である。

顔が少々ふっくらした感を受ける。

また、以前と比べてフォームが少し変わったような気がする。

以前のようにあまり“飛び跳ねなくなった”と言えばいいのだろうか。

荒削りというか、ダイナミックだったフォームが、大人しくなったようだ。

しかしながら、久馬姉妹に対して共通して感じたのは、中学生の頃のような

躍動感・キレが失われたことだった。

まさに「あの輝きはどこに行ってしまったのか」という感慨である。

荒削りの部分も消えた代わりに、逞しさも消えたのなら、ファンとしては

寂しい限りだ。

バンビのように跳ね回っていた頃の久馬萌は、明らかに全国のファンを

魅了していたはずだ。

ひょっとすると、もはや復活は望めないのかもしれないが、もう一度

あの、3年前の都道府県対抗女子駅伝でゲスト解説の高橋尚子さんに

「大物感がある」と言わしめた久馬萌の弾けるようなフォームを

見てみたいものだ。

萌は区間3位。


今回の駅伝に関して、私がネットで調べた範囲では、久馬姉妹に対する人気は

かなりのものであった。

(3年前の中学3年の時の、あの衝撃的な二人同時の区間賞は、多くの人の心に

焼き付いているのだと思われる)


<9区>(8区は省略)


京都は首位の大阪とは35秒差の2位である。

このタイム差は結構微妙と言うよりも、正直言ってかなり厳しい差である。

しかし、今朝7時51分に「勝利のメロンパン、劇ウマ」とツイッターに

元気そうに書き込みをしていた西原加純(ヤマダ電機)のことだから、

何とかしてくれるのではないかと一応期待をして見ていた。


ところが西原の調子が芳しくないようだ。

何となく体が重そうに見えるのだ。

しかもあろうことか、先頭からは離されているというではないか。

この時点で私は京都優勝は諦めた。


軽快に走っているように見える千葉の新谷仁美(佐倉アスリート倶楽部)も、

襷を受け取るまでは笑顔を見せていたものの、走り始めてからは一転して

厳しい表情に豹変して見る者を驚かせたものだ。

(これについては、解説の有森さんも実況のアナウンサーも言っていた)

確かに新谷のあの表情は、一瞬ドキッとさせられる類のものではあったが、

逆の意味で言えば、新谷の精神的な逞しさを感じさせられた場面でもあった。

もしかしたら、昨年の世界陸上を経験してからの新谷の精神的な成長には

要注意なのかもしれない。


新谷は区間賞。

熊本の吉本ひかり(佛教大)が12人抜きで区間2位。

西原は区間10位。



結局、優勝した大阪は2区で2位に下がったのみで、あとは全て1位を維持

したのだから、完勝である。

しかし区間賞を取ったのは1区の木崎のみだから、やはり総合力の勝利

ということだろう。


(4区で大阪は区間14位だったが、首位はキープ。

また2区で佐賀の光延友希(京セラ)は17人抜きをしているが、

32位⇒15位なので目立たなかったようだ。

さらに2区では、福井の平井恵(佛教大)と鹿児島の中原海鈴(神村学園高)

が14人抜きをしている。

放送では、順位が下位であっても、こういう急上昇には触れるべきだと思う)


また、1区で42位と大幅に出遅れた岡山が8位まで追い上げたのは、

さすがと言う他ない。



(追記:昨日、またしても未完成のまま投稿してしまったので、

その分は削除し、1/16に追加・訂正した)


都道府県対抗女子駅伝・前夜

2012年01月14日 | 陸上
明日、都道府県対抗女子駅伝が行われる。


この大会で思い出されるのは、何と言っても2009年の京都優勝の時である。

あの双子の久馬姉妹が爆走して、二人揃って区間賞を取った年だ。

当時中学3年生。

久馬姉妹はこの大会で一躍、全国にその名を轟かせたのである。

私もすっかりその魅力の虜になった一人である。

ネットを見ていると、私同様に今だにあの時のことが忘れられない人が

結構いるようだ。


しかし彼女たちももはや高校3年生。

昨年のこの大会では、貧血で調子が悪かったようで、結局二人とも補欠に

回ってしまい、残念な思いをさせられた。

(もっとも、いかに双子とは言え、二人同時に貧血になるものなのか)

従って私が今年の大会にかける思いは殊の外大きかった。


だが昨日の時点では、姉の久馬悠は6区にエントリーされていたものの、

妹の萌は補欠となっていて、私の気を揉ませたものだ。

しかし今日発表されたオーダーリストでは、萌も7区にエントリーされていて

私をほっとさせてくれた。


リストでその他の選手を見てみると、当然といえば当然ではあるが、

アンカーの9区のメンバーがすごい。

新谷仁美(千葉)、西原加純(京都)、小島一恵(奈良)、

杉原加代(島根)、伊藤舞(徳島)、吉本ひかり(熊本)。


しかし他方、五輪代表選考会のマラソン大会を控えてか、この駅伝を回避する

選手もかなり多い。

福士、野口、赤羽、尾崎、中里、渋井、重友。

オリンピック・イヤーならではの微妙なレース選択なのだろう。


さらに1区も目が離せない。

土井(千葉)、榊原(静岡)、池田(滋賀)、石橋(京都)、木崎(大阪)、

中村(岡山)。


また、3区の中学生区間にも注目している。

中川文華(埼玉)、山本菜緒(静岡)、高松望ムセンビ(大阪)


この駅伝は、中学生から社会人まで出るので私の好きな駅伝なのだ。

今から明日が楽しみだ。
















駅伝・雑話 (改訂版)

2012年01月04日 | 陸上
箱根駅伝が終わった。


昨日の往路の時点で大差が付いていたので、復路の今日は時々確認しただけ

で熱心には見なかった。

大差の付いた今年はともかくとしても、実を言うと私は箱根駅伝はあまり

好きではないのだ。


私が箱根駅伝を見るようになったのはここ数年のことである。

(それまでは都合が悪くて見られなかったこともあるが、そもそも関心が

薄かった)

ところが、数年前に雪の中での壮絶な闘いがあり、脚の痙攣等から

途中棄権を迫られるチームが幾つかあって結構衝撃を受けたものだ。

そしてそれ以降は、私は箱根駅伝を概ね見続けて来た。


しかし箱根駅伝は凡そ200kmの距離を10人で走るわけだから、

1人平均約20kmだ。

これが私には長すぎるように感じた。

なぜなら同じ選手を約1時間近くも見続けることになるからだ。

これはリレー競技としては、いくらなんでも冗長ではないだろうか。

私の希望では、駅伝では最長区間でも10km程度にして欲しい。

20kmもの超・長距離区間なら抜き返すことが可能ということは

もちろん分るのだが、はっきり言ってそれでは退屈してしまいかねない。

私としてはとにかく、リレー競技としての最大の面白さ、

抜きつ抜かれつの楽しみを待ち望んでいるのだ。

能力の異なる選手が出て来ることによって、順位は変動する。

そのためには、ある程度の選手交代も必要に思うのだ。


ところで、知らない人も結構いると思われるのだが、箱根駅伝は実は

全国大会ではなく、関東の大学の地方大会に過ぎないのだ。

(実は私も3年程前に初めて知った。

そういう意味では、ただの地方の駅伝大会を全国レベルに仕立て上げた

日本テレビの手腕は馬鹿にできない部分もあるようだ。

要するに、一地方大会にすぎない箱根駅伝を全国ブランドに育て上げたわけだ。

もっとも、これには、あれだけ圧倒的に情報を流せば、

誰でも”洗脳”されてしまうという指摘もできるだろう)


さらに言えば、私は基本的に日テレの実況アナのあの叫ぶような実況が

肌に合わないのだ。

私に言わせてもらえば、彼らは「芸(技術)がないから叫ぶ」のだと思う。

要するに叫ぶことによって、自らの技術の未熟さを糊塗しようとしている

ようにしか私には見えない。

実際、民放のスポーツ担当のアナウンサーのレベルの低さには、愕然とする

ほかない。

(民放のスポーツ・アナのレベルのお粗末さについては、昔のことを

思い出す。その当時、サッカー中継では、ゴールの瞬間にアナウンサーが

「ゴー~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ル」

と極端に長く叫ぶことが流行になっていて、私を白けさせたものだ)


ところで、ある人の指摘によって気が付いたことがある。

それは箱根駅伝ではなぜ伴走(車)が許されているのかということである。

これは恐らく、選手に万一の危険があった時に指示を出す必要がある場合を

考慮した特例なのではないかと、素人考えで思った。


通常、駅伝では伴走は禁止されているはずだ。

ところが、箱根駅伝では選手の直後に着けた「管理運営車」に”同乗”した

各大学の監督が堂々とラウドスピーカーで選手に指示を与えている。

また監督が車から降りて選手に直接給水を行うこともある。

(そのせいかどうかは分らないが、沿道に給水所はなかったような気がした)

ある質問サイトで、なぜ箱根駅伝では伴走が認められているかを質問してみた

のだが、残念ながら回答はなかった。(現時点で)



(追記:実はこのブログは昨日途中まで書いたのだが、酩酊していてそのまま

未完成のままで投稿してしまった。今日改めて少々書き直して「改訂版」と

させて頂いた)








































































全国高校女子駅伝・雑感

2011年12月25日 | 陸上
感想を始めに述べれば、優勝した豊川高校が終始安定した強さを見せた

ということだろう。

しかし豊川高で区間賞を取った選手はいない。

そして区間賞を2人が取った須磨学園は豊川高とは54秒差の4位。

駅伝は少数の突出した選手の力よりも、粒を揃えた総合力が上回る競技だという

ことを、またしても知らされる結果であった。

しかしながら個々の選手の調子は常に変動するから、出場選手の選択が

これほど難しい競技も珍しいのではないか。


話は逸れるが、実は先日の全日本実業団女子駅伝に関する貴重な話を知った。

22位と惨敗した資生堂の安養寺コーチのブログである。

レース直前に、出場選手6人中何と3人もが故障・不調に陥っていた

というのである。

レース前に分っていた痛みをこらえて選手が出場するということ。

実業団所属の選手にとって、駅伝は特別の意味合いがあるようなので

素人が軽薄なことは言えないが、辛い判断があっただろうことは

想像に難くない。


話を戻す。


<1区>

木村友香(筑紫女子学園)がトラック周回中に先頭に立つ。

菅華都紀(興譲館)が2番手。

3km付近で菅が先頭に出るも表情は変わらず好調そう。

一方、木村はやや苦しそう。(解説の山下佐知子・第一生命監督によると、

彼女は不調らしい。)

4.3km付近で木村が遅れ出す。

残り1kmで豊川の安藤友香が先頭に出る。

菅が遅れる。

結局、1区は1位小崎(成田)、2位菅野(立命館宇治)3位安藤

・・・菅は6位、木村は10位。

木村の想像以上の不調には驚くが、実は彼女は今月上旬に行われた

静岡県内の市長村対抗駅伝で中学生に抜かれて自らが持っていた区間記録を

更新されていたのだ。

(個人的には、常に積極的に先頭に出る木村選手は好きなのだが・・・)


<2区>

残り700mで豊川の宮田佳菜代がトップに立つ。


<3区>

0.6kmで須磨学園の福田有以がトップに出る。

残り800mで豊川の加治屋ななこが先頭。

福田が抜き返しトップで中継所へ。


<4区>

0.6kmで豊川の福沢が先頭に出る。

豊川高の選手は皆フォームがきれいで、体のブレが少ない。

(ついでに言えば美形揃い)


<5区>

ワイナイナは断然の強さ。

結局、豊川が1時間07秒29で優勝。

2位は興譲館で1時間07分53秒。

興譲館は、エース・菅が1区で意外にも6位と出遅れたのが結果的に響いた

のだろうか。


<総括>

ところで解説の山下佐知子・第一生命監督は、見るからにボーイッシュで

サバサバとした感じで、実に好感が持てる人だ。

その解説も”しつこさ”は全く感じられなくて、余りの”直言”ぶりにむしろ

こちらが、ハラハラさせられるくらいだ。

(増田明美さんは見習うべし!!余談になるが、私は今年のある時から、

なぜか急激に増田さんのことを鬱陶しく感じ出したのだが、未だに理由は

定かではない)


また「NHKロードレースオンライン」は内容そのものは充実しているのだが、

如何せん更新が遅すぎるし、サイトが重過ぎるのが大いなる欠点。


最後に一言。

立命館宇治の本母さんの姿が見たかった。

また、男子で浜松日体高が7位入賞したことは、同郷の者としては望外の喜び

であった。

事前の情報では「3位を目指す」という選手の発言があったのだが、

それはありえないと思っていたが、まさかの入賞にびっくりしている。


選手の皆さん、お疲れ様でした。




















 




























                 

山陽女子ロードレース大会・雑感

2011年12月23日 | 陸上
この大会のハーフの部には、野口みずき(シスメックス)や赤羽有紀子(ホクレ
ン)

が出場していて結構興味深いレースであった。


<~5km付近>

坂本直子(天満屋)の動きは、明らかに体が重そうで脚が上がらないように見える。

12/18に行われた全日本実業団駅伝の疲労が残っていると言っていたから、

今日は無理か。


<7km付近>

先頭が、野口、チェビエゴ(九電工)、赤羽、宮内洋子(京セラ)、伊藤舞

(大塚製薬)の5人グループになる。

チェビエゴはケニア勢独特の体が軽そうな走りをしている。

先日の全日本実業団駅伝で謎の区間21位に沈んだ赤羽は、体調が良さそうに

見える。


<8km付近>

チェビエゴが先頭に立つ。


<9km付近>

野口が先頭集団の最後方に着く。

調子が良さそうには決して見えない。


<9.5km付近>

野口が離され始める。


<10km付近>

赤羽が先頭に出る。


<地下道・出口 13km付近?>

赤羽が意識的に(?)前へ出る。

解説の増田明美さんが指摘していたが、今日は前傾姿勢が目立つ。

(上り道ということも関係しているかもしれないが、先日の駅伝で感じた

という”力み”が抜けたのかも分らない)


<16km付近>

赤羽の脚が少し重くなったように感じる。

チェビエゴが少し離される。少し苦しそう。

伊藤舞はそれ以上に離される。


ここで解説の増田明美さんが、突如として赤羽のお嬢さん(幼稚園児)の話を

始める。

なんでも「好きな男の子が出来たらしい」。

う~~ん増田さん!これが一言も二言も多いのですよ!!

これさえ無ければ、実にすっきりした解説だとは思いませんか?

(もっとも、世の中にはこの種の話を好む人がいることは十分想像が付くか

ら、テレビ局としては放任しているのだろう。しかし一部の人にとっては

耳障りでしかないというこの厳然たる事実)


<18km付近>

宮内が2番手に上がって来た。

彼女は派手さこそ無いが、実にタフなレースをする選手だ。


<ゴール付近>

道路から競技場に右折して入る際に、赤羽が一瞬コースを間違えそうになりヒヤッと

させられた。(赤羽は直進しようとしたから、誘導が甘いのではないか)

結局1時間09分15秒の大会新記録で優勝。

赤羽はこれで安心して正月を迎えられるだろう。

もし仮に今日も不振に終わっていたら、正月どころではなかったはずだ。


一方、野口は1時間10分48秒で5位に終わる。

レース後本人は「7kmで疲労が出た」と言っていたが、

オランダの大会の時のような膝の違和感はなかったというからまずは一安心か。


最後に一言。

この大会は、ハーフ部門と10km部門(ハーフから15分遅れてスタート)

に分かれて行われたのだが、ゴール直前のトラックで気になることがあった。

それはハーフの主力クラスの選手が最後の直線に入って来るというのに、

10km部門の一般市民ランナーの中に、後ろから来て抜き去ろうとする

主力ランナーにコースの内側を譲る(空ける)ことをしない人がいて

苛立ちを覚えた。

しかも彼女は隣の人としゃべりながら走っていたのだ。

多くの人は完全に内側を空けて外側のコースを走っていただけに、

余計に腹が立った。










 




























全日本実業団女子駅伝・雑感

2011年12月19日 | 陸上
終わって見れば第一生命の完勝であった。

1区で尾崎が首位に立って2区に引き継いでからは、一度も首位を明け渡す

ことはなかった。

いわゆる「完全優勝」である。

レース展開から言えば、優勝争いという観点では、少々面白みに欠ける部分が

あったのは否めない。

それは無理もない。


ぼんやり観ていると、終始首位を走っていた第一生命の圧勝のように感じるかも

しれないが、区間タイムを見れば、そうでもないことが分ると思う。

第一生命の選手が区間賞を取ったのは、1区の尾崎好美と6区(アンカー)の

田中智美の二人に過ぎない。

これは駅伝で最も必要とされる「総合力」の違いではないだろうか。

要するに、突出した選手を一人・二人抱えるよりも、平均点以上の選手を

全ての区間に揃えることの重要さ。

それは言い換えれば、抜くことよりも抜かれないことの大切さということだろう。


個々の区間の話に移る。


<1区>

5.6km付近で土井友里永(スターツ)が先頭に出る。尾崎好美

(第一生命)は二番手。その後にパナソニックの中村仁美。

6.1kmの下りでで尾崎がスパート。土井が一旦抜き返すも尾崎がトップで

引継ぎ。


<2区>

第一生命の横沢永奈が快走してトップをキープ。

(区間2位。区間賞の積水化学・松崎璃子とは1秒差)


<3区>

最長距離区間ということに加えて、トップレベルのランナーの多くが参戦する

ということで最大の関心を集めている区間である。

何しろ、福士、渋井、赤羽、西原、小島、勝又、永尾が登場する区間だ。


しかし何やらおかしい。

福士が10人抜きした、西原が3位集団から2位集団に追いついたところまではいい。

しかし二人ともその後が少々怪しくなって来る。

明らかに追い上げペースが落ちているのだ。

はっきり言って「追い上げ」どころではない。

(結局、福士は7人抜きに終わった。彼女はマラソン練習を主眼にして

来ていたので、止むを得ない部分もあったと思われる)


この3区は元々激戦が予想されてはいたものの、

誰が区間賞に杉原加代(デンソー)を予想できたであろうか。

これは競馬の世界で言えば、文句なしに万馬券である。

私などはテレビを見ていても、杉原選手が区間賞を取ったとはとても

思えなかった。

(途中、杉原が2位グループにいたのは知っていたが、まさかの14位⇒3位

と11人抜きだった。区間賞候補を把握するのは困難とは言え、

順位をこまめにチェックしていればある程度できるはずで、

その点で不満の残るテレビ中継だった)



また渋井陽子(三井住友海上)は見るからに太目だった。

しかし最も驚いたのは、赤羽有紀子(ホクレン)の区間21位の凡走だ。

しかも「直前まで好調を維持していただけに、このような結果になるとは

考えてもいませんでした」(夫の周平コーチのブログ

また本人も「何が原因か分からない」と言うのだから・・・。
スポーツ報知

でも周平コーチは「1キロ付近で、何かおかしいと思った」とも語っている。

人間の体とは摩訶不思議なものとしか言いようがない。


さらに3区では、優勝候補に上げられていた天満屋の中村友梨香が

区間17位(6位⇒13位)、同じく優勝候補の一つだった豊田自動織機の

小島一恵が区間18位(4位⇒12位)と振るわなかった。


<5区>(4区は省略)

木崎良子(ダイハツ)のウォーミング・アップの姿が映されていたが、

表情が何とも明るくて好感が持てた。これも先日の横浜国際女子マラソン優勝

の好影響だろうか。

その木崎は天満屋の重友梨佐に一旦は抜かれるが、中継所では抜き返す。

しかし区間賞の重友は、去年も今年もすごいなぁ。



<総括>(6区は省略)


結局、天満屋は5区~6区で14位⇒8位⇒4位と順位を上げて来た。

だてに優勝候補の筆頭に上げられたわけではない。

さすがである。

でもそれだけに、3区の中村の不振が悔やまれるところだろう。


同じく豊田自動織機もまさかの12位では、泣くに泣けないところだろう。


ところで、優勝した第一生命の山下佐知子監督が、ゴール付近でアンカーの

田中智美を待ち構えている時にも、ストップウォッチを持ってタイムを計って

いたのには思わず笑ってしまった。

まぁ、関係者とはそういうものなのだろう。


そして最終結果。

① 第一生命

② パナソニック

③ 積水化学

④ 天満屋

⑤ デンソー


第一生命の完勝を振り返って見ると、1区に尾崎を起用した山下監督の判断が

功を奏したと言えるのかもしれない。


また、ここで名前を挙げるのは失礼かもしれないが、

かつての王者・三井住友海上の没落ぶりには痛ましい思いがした。

若手が育って来ていないという印象がある。


最後に余談になるが、昨日のテレビ中継のCMで渋井陽子個人を取り上げた

ものが放映されて驚いたものだ。(三井住友海上のHP

そういえば、先日の柔道「グランドスラム東京」のテレビCMでも、

上野順恵のもの
が流されていた。

こういうCMは選手にとっても励みになるのではないかと思うのだが、

果たしてどうか。

かえって、重圧に感じる選手もいるかもしれないが・・・。




























































川内・驚異の粘り(福岡国際マラソン)

2011年12月04日 | 陸上
何とも凄まじいレースだった。

誤解を招くといけないので、早めに結果を明かしておくと、優勝したのは

招待選手ではなく国内実業団所属で一般参加のダビリ

(ケニア出身⇒小森コーポレーション所属)で2時間07分36秒。

今回が初マラソンだそうだが、世界陸上では1万mで5位の実績がある。

2位もムワンギ(ケニア出身⇒NTN所属)。


終わって見れば、ケニア勢にスパートされて置いて行かれるというのは、

世界陸上の女子マラソンで見せ付けられたシーンを思い起こさせる。


こういう風景が今後の日本のマラソン選手の常態になってしまうのだろうか。

時間は掛かるだろうが、何か抜本的な対策を施さないといけないことは

誰の目にも明らかだと思う。

そういう意味では、ケニア勢には大差をつけられたとはいえ、逆転して

日本勢トップに立った川内のあの頑張りと、彼の独自の練習法にも

気を配るべきではないかと素人ながら私は思うのである。

川内の潜在能力は結構高いのではないか・・・。

解説の瀬古も言っていた。

「川内君は不思議な選手ですね。この苦しそうな顔で40kmまで続くのが

信じられない」


途中経過を極めて簡単に振り返ってみる。


11km付近:給水所で川内が水を飲む映像が流れた直後に、

瀬古が「給水所で水を取れないこともある」と話し、実況アナが「川内は

どうでしたか」と聞くと瀬古は「ちょっと見えなかった」と答える。

二人ともテレビ画面は見ていないのか。

これも驚くべき反応と言うべきだろう。


15km付近:一般参加のダビリとムワンギが1位・2位を争っているのにも

かかわらず、実況アナは一切そのことに触れないし、「第一グループ」という

字幕テロップの中にも二人の名前はない。

この中継は一体何を報道しているのだろうか。


20km付近:初めてテロップに先頭二人の名前が出た。

川内が遅れ出す。


26km付近:給水所を過ぎてからダビリがスパート、ムワンギも

追いかける。


今井は終始表情が変わらない。不気味である。


折り返し地点:実況アナが川内を「川井」と間違って連呼して白ける。


32km付近:川内が苦しそうな表情も、岡本を抜く。

(ロシアのサフロノフにずっと着いている)


テレビはこの頃から(?)先頭を一切映さなくなり、日本勢の3位争いのみ

を流している。

いくらなんでも極端な報道姿勢だ。


35km付近:川内がスパート。

今井・前田との差を詰める。

ストライドの勢いが前の二人とは明らかに違うように見える。

ついに抜くも、今井が迫る。

しばらく並走する。


38km付近:給水所で川内がスパート。

一気に離そうとするも、今井が追い上げる。

今井が抜く。

二人は抜きつ抜かれつ状態。

今井は苦しそうな表情を見せる。

マラソンではあまり見たことがないようなデッド・ヒートを繰り広げる。


私を含めて日本人のメンタリティーには「川内応援」があるのだと思われる。


結果。

優勝は、ダビリ(ケニア出身、小森コーポレーション所属)2.07.36

2位は、ムワンギ(ケニア出身、NTN所属)2.08.38

3位は川内(埼玉県庁所属) 2.09.57


川内は日本人最高の3位に入ったものの、タイムがイマイチでこれでは

胸を張って五輪代表とは行かないだろう。

川内には更なる積み上げを図ってもらう他ない。

頑張れ、川内!!













































解説者・高橋尚子の眼力

2011年11月24日 | 陸上
11/20に行われた横浜国際女子マラソンの録画を見てみた。

見たのは、激しく順位の入れ替えがあった終盤部分のみなのだが、

改めて気付いたこともあってなかなか面白かった。


レース当日の当ブログでは、高橋尚子及び

増田明美の解説に対して「鬱陶しい」「耳障り」と失礼な書き方をしてしまった

が、少なくとも高橋尚子は鋭い指摘をしていたことが初めて分った。


40km付近で尾崎がスパートして木崎が離された場面で、

増田明美が「木崎さんのペースは落ちていない」と言うのに合わせて、

高橋は「木崎さんのフォームは崩れていない」と言っていた。

また、尾崎のスパートについては「尾崎さんは、脚の動きがいつものスパートの

動きではない。キレがない」と尾崎が本調子にないことを看破していたのだ。

そう言われて改めて見ると、確かにそう思われる。

弾むような躍動感に欠けるのを感じる。


さらに、20日ほど前に尾崎の所属する第一生命の山下監督から高橋に電話が

あり、尾崎が貧血状態でレースを回避するかもしれないと言っていたという

貴重な話もしていた。

しかしこれらの大事な話を全て聞き逃していた私とは、一体何なのだろうか。

早い話がただの馬鹿なのだが・・・。














国際千葉駅伝・雑感

2011年11月23日 | 陸上
今日の国際千葉駅伝はなかなか面白いレースだった。


優勝したケニアは男子は圧倒的に強かったが、女子は特に2区、4区が弱かっ

た。


そんなことから、私などはついつい穿った見方をしてしまった。

前半から大差が付いてしまうと興味が薄れるので、テレビ局側が戦力の均衡化を

図るべく、ケニアにはある程度低レベルの選手を入れるようにケニア側に依頼した

のではないかという私の勝手な想像による疑惑。


元々この駅伝は「日本対ケニア」というのが売りの駅伝だったはずだ。

あのキャサリン・ヌデレバ(39歳。五輪で銀2回、世界陸上で金2回・

銀1回獲得した選手。後方から追い上げてくる姿はいかにも不気味だった)が

2度程(?)出た駅伝なのだ。


しかし3区(17歳)と5区(18歳)の男子の若手が異常に速かった。

極端な言い方をすれば、次元の違うスピードだった。

あんな走りをされたら、日本勢では到底追いつけない。


以前、福士加代子がケニアに行き現地で練習参加した時に、

当時専門にしていた5000m、1万mではケニアの選手層が厚すぎて

到底ケニア勢には勝てないと悟って、マラソンへの転向を考えたと

言われている。


なにしろケニアでは、五輪でのレースそのものよりも、国内で五輪代表に

選ばれることの方が難関と言われるほどハイレベルの世界らしい。

(要するに、五輪出場枠を拡大すればケニア勢が独占する可能性がある

ということ。卓球の中国勢のようなもの)


話が逸れてしまった。

レースのことに戻す。

<1区>(5km・男子)

途中から上野が遅れる。

学生選抜の大迫が2番手につけるが、最終的には上野にも抜かれて5位。

1位のケニアの選手はフォームが力強い。


<2区>(5km・女子)

話題の西原加純(ヤマダ電機)の出番だ。

4位で引き継いだ西原は快調に飛ばしトップに躍り出る。

(ケニアの選手が弱かったこともあるがケニアは4位に落ちる)

<3区>(10km・男子)

ケニアの17歳の選手が4位から1位に上がり2位と37秒差をつける。

<4区>(5km・女子)

8秒差の2位でタスキを受けた小林祐梨子は、トップに出て2位に29秒差

をつけて5区に渡す。

<5区>(10km・男子)

ケニアの18歳の選手がハイペースで飛ばして先頭に出る。

解説の高橋尚子、金哲彦ともにオーバーペースを指摘する。

しかし結局、区間新を出して1位に。

<6区・アンカー>(7.195km・女子)

日本は35秒差の2位で引き継ぐ。

5000mの持ちタイムは新谷がケニアの選手を43秒ほど上回っている

らしい。

その点では期待してもいいのかもしれない。

だが新谷は追い上げるも結局19秒差で届かず2位。


結局、区間賞は男子は全てケニア、女子は全て日本代表という

何とも言いようのない結果になった。

結果的には5区でつけられた35秒差が痛かった。


新谷がゴール後に、メンバーに手を合わせて謝っていたのが印象的だった。

また新谷は、報道によるとマラソンへの挑戦は現時点で考えていないようだ。

日刊スポーツ

まぁ、まだ若いのだから焦ることもないだろう。














































女子マラソン・五輪代表を巡って

2011年11月21日 | 陸上
今日は、昨日の横浜国際女子マラソンに関する報道を見て感じたことなどを

書いてみたい。


尾崎好美については、昨日ゴール後の表情をテレビで少し見て、意気消沈して

いるのは見て取れたが、その後泣き続けていたらしい。

毎日新聞によると、

「世界選手権後は思うように走れず、10月下旬には貧血が判明。山下監督から

来年の選考会への変更も提案されたが、自分で選んだ横浜への出場を貫いた。

万全の体調でなく中盤から苦しんだものの、『粘らなかったら走る意味はない』

と、執念で優勝争いを演じた」とのことだ。

今後3月の名古屋の代表選考会には出ないような報道も一部にはあった。

09年の世界陸上の銀メダリストがこんなにも簡単に、五輪代表争いから

脱落してしまうのかと思うと、何やら少々怖い気もする。


その代表争いをするであろう野口みずきは昨日、オランダで15km走に出場

するも、「9キロ付近で左膝が『かくかくし始めた』という。痛みはないもの

のフォームが乱れ、11キロすぎで『止まりかけた』」

サンスポ)というから、こちらも心配だ。


昨日優勝した木崎良子は、一旦尾崎に離された時に今年2月の前回大会で

(昨年11月から今年2月に移行した為、今年は年2回の変則開催)

ダイハツの後輩・中里麗美が尾崎に一気に引き離されたことを思い出して、

絶対について行こうと思ったようだ。


そしてその後追いついた際に、尾崎の息遣いを見て結構苦しそうだと判断

して、一気に突き放しに掛かったらしい。

この辺の駆け引きもなかなか面白いものがある。


11/3の東日本実業団女子駅伝、11/13の東北女子駅伝とラストのデッドヒート

を堪能させてもらったが、昨日の横浜女子マラソンも実にスリリングな

ものだった。


ところで私が密かに応援する中里麗美は、昨日の木崎の優勝により、

さらにモチベーションが高まったことだろう。

二人には、ダイハツの選手らしく「TNP」で行ってもらいたい。

 「T」= 互いに

 「N」= 仲良く

オリン「P」=ピック








木崎良子悲願の優勝(横浜国際女子マラソン)

2011年11月20日 | 陸上
今日行われた横浜国際女子マラソンで、木崎良子(ダイハツ)がまさかの優勝を

成し遂げた。

私は佛教大学時代から彼女を応援して来たので、いささか感慨深いものがある。

ケガなどに悩まされて一時は引退も考えたこともあったという。

昨年の大阪国際女子マラソン以降、殆ど見なくなったので心配していた。

だが、7月の士別ハーフマラソンの10kmの部で1位になったようなので、

復調して来たのかなとも思っていた。

実際、直前の記者会見でも好調なようだった(「寺田的陸上競技WEB 」の11月19日の最上部の項目)

またダイハツの後輩にあたる中里麗美が、夏の世界陸上のマラソンに出場した

ことが大きな刺激を彼女に与えたようだ。

レース後のインタビューで「両親をロンドンに連れて行ってやりたい」と

語っていたが、こういう発言を聞くのは珍しいことだ。

彼女のお父さんは学生時代に4年連続箱根駅伝のランナーだったそうで、

スランプの時にもアドバイスをもらっていたようだ。

そういう意味では家族ぐるみで勝ち取った勝利なのかもしれない。

また実業団駅伝が行われたこの時期に、駅伝を回避してマラソンに専念させて

もらったダイハツの同僚への感謝の言葉も、聞いていて清々しいものがあった。



レースについて簡単に触れておく。

第一折り返し地点でペースメーカーがなんとコースを間違えそうになり、

尾崎も少しコースから逸れてしまう。

(テレビでは解説の増田明美と高橋尚子が、尾崎がコースから逸れて

沿道に近づいたことについて、近くに第一生命の山下監督がいてその指示を

聞こうとしたのか、何かを受け取ろうとしたのではないか、と言っていたが、

そんなことが果たしてあるのだろうか。)

結局このアクシデントをきっかけに、木崎が先頭に出る。


<19km付近>

当初3人いたペースメーカーだが、残っていた1人も離脱してついに無し

になってしまう。(本来なら25kmまで)

<20km付近>

これまで姿が見えなかったマーラ・ヤマウチ(英国)が先頭集団にじわじわ

迫って来る。

<22~23km付近>

尾崎が先頭に出る。

マーラが先頭集団に追い付く。

マーラは、以前の前後にあおる様な独特のフォームを随分変えて"普通”に

なっていて驚いた。

<25km付近>

2番手に付けている永尾が、当初から表情を変えずに走っていて

何となく不気味な感じがした。

<31km付近>

永尾がサングラスを外してペースを上げて先頭に立つ。

<32km手前>

マーラが先頭に出る。

永尾は遅れ始める。

沿道でユニバーサルの小出監督が永尾に声を掛ける。

<39km付近>

尾崎は口を大きく開けて苦しそう。

マーラが大きく遅れ始める。

<40km付近>

尾崎が俄然スパートする。

木崎を一気に離す。

(インタビューで木崎は、「一時は諦めかかったが、ラスト100mまでは

絶対に諦めないと気持ちを切り替えた」と言っていた)

そしてまもなくその差は縮まり始める。

<41.6km地点>

木崎が尾崎を抜きに掛かり、一気に引き離す。

そしてゴール。

2時間26分32秒。

この時期にしては気温が24℃と高かったこと、さらに19km付近での

ペースメーカーの完全離脱などで条件は良くなかったと思われる。

尾崎との差は17秒。

尾崎には、世界陸上の惨敗に続く辛い結果となってしまった。

解説の増田明美によると、尾崎は山下監督から「あなたを指導するのは

横浜までだから」と言われて泣いたそうだ。

これはもちろん、尾崎に発破を掛けたのだが、40kmでスパートした時点で

一気に引き離せなかったのは、世界陸上の疲れがまだ残っていた可能性も

あるのかもしれない。


これでロンドン五輪の女子マラソン代表争いは益々混沌として来た。

何しろまだ福士と野口が控えているのだ。


最後に、今日のテレビ解説について一言。

増田明美と高橋尚子の二人解説は、さすがに鬱陶しく感じることがあった。

増田がなにかしゃべると、高橋が負けじと語り出すのは少々耳障りだ。

また増田明美に関しては、選手の個人情報を話すのは程々にしないと、

今日のように「恋人が・・・」と言うのは週刊誌並みの暴露に等しいもので

聞いていて耳を疑ったものだ。





























東日本女子駅伝・雑感

2011年11月13日 | 陸上
ものすごい駅伝で実にたまげた。

特にアンカーの神奈川・吉川美香と長野・小田切亜希のデッドヒートは、

文字通り死闘と呼びたくなるほどのものであり、これほどのものは

なかなか見られないだろう。


長野と神奈川は6区あたりから首位を激しく争っていた。

特に中学生や高校生が非常な頑張りを見せて、抜きつ抜かれつを繰り返して

いて目が離せない展開だった。

中継所近くになると俄然闘志が湧くのだろうと思われる。


アンカー区間の9区(10km)でスタートと同時に吉川が小田切を引き離す

と、やがて少し差が広がる場面もあり、地力の差を見せ付けられた気がしていた。

8秒差・およそ40mとアナウンサーは言っていた。


ただ、比較的早い段階から吉川が時折苦しげな表情を見せることがあり、

それが気掛かりではあった。

でもまさか、小田切が吉川を抜き去るとは到底思えなかった。

そしてその差が少しづつ開いていくように感じられた。

吉川の表情が非常に苦しそうだったのが印象的だった。

ゴールの競技場に入る頃には、これはもう抜き返せないなと思われた。

トラックに入ってからは残り500m。


トラックを半周余りした時点で、それまで先頭を走る長野の小田切を映して

いたカメラが、突然ロングショットに切り替わり神奈川の吉川との距離を

映し出す。

それでもまだ距離は結構離れているなと思ったその次の瞬間、

吉川が俄然ペースを上げる。

見る見る差が縮まって行く。

何しろストライドの幅がまるで違う。

吉川は一気に小田切を抜き去って大会新記録で神奈川の優勝。


インタビューによると、吉川はトラックに入ったら追い抜こうと考えていた

ようだ。

それにしても凄まじいレースだった。

先日の東日本実業団女子駅伝で逆転優勝した第一生命の尾崎好美の追い上げも

感動的だったが(当ブログ)、今日の吉川の逆転も見事だった。

駅伝はこれだから病み付きになる。


(11/14追記 長野・小田切と神奈川・吉川のタイム差・距離差についての
記述で誤りがあったので修正しました)