酔生夢死の日録

ド素人が好き勝手に語る妄言です

監督の適性:佐々木則夫と星野仙一

2011年07月21日 | スポーツ
サッカー・女子ワールドカップで日本代表が優勝してからというもの、

佐々木則夫監督の評価がうなぎ上りである。

いろいろ見聞してみて、なるほどと思わされることが多かった。

特に、選手に接するに当たって「上から目線ではなく、横から目線」で見る

ということが印象的だった。

何しろ選手たちは普段、監督を「ノリさん」と呼んでいたそうだ。

これにはさすがに少し驚いたが、絶対的な上下関係で締め付けるよりは

はるかに良いと思う。


これに関連することで、先日興味深い記事を読んだ。(スポーツナビ

内容はヤクルトの宮本慎也選手へのインタビューなのだが、

中でも興味深かったのは、北京五輪の野球の日本チーム「星野ジャパン」に

関する話題だ。(宮本選手は日本チームの主将を務めた)

私が特に面白かったのは、質問がかなり踏み込んだものになっていて

質問そのものが「星野ジャパン」の内情を明かしている点だった。


  「 ――北京五輪では、ぎくしゃくしたチームで意思疎通を図るのは難しかったのでは?」

  「ボクが星野(仙一)さんに話とかできたりしたら、もうちょっと変わったんじゃないかな、と思っています。」


  「 ――世代の差があって、お互いの考え方やスタイルを理解できなかったとも報道されました」

  「北京五輪のときは若い選手もいるしボクより年上もいた。でも……ボクの配慮が足りなかったというのは、本当に思っています。若い選手らにちょっとイヤな思いをさせたかな、と。」


 
そしてアテネ五輪の時には、準決勝で敗れて3位決定戦に回ることになった

際に、宮本選手は選手全員を集めて「最後まで全力でやってメダルを取って

帰ろう」と話したという。(結果、銅メダルを獲得)


それが北京五輪では、「すごい迷って……結局、集めなかったんですよ。ボク

の中で『たぶん、集めてもダメだ』っていうのがあって。」

(結果、メダルなし)

宮本選手は今でもそのことを後悔しているという。


さらに最後の質問は何とも辛辣だ。

  「――ベテランが全員ミーティングの招集を躊躇(ちゅうちょ)するほど、チームはバラバラだった。
一流選手が集う短期決戦。主将の責任を超えているのでは?」


この質問は明らかに監督批判である。


北京五輪での「星野ジャパン」は、単にメダルが取れなかったことよりも、

選手がすっかり萎縮してしまっていて信じられないようなエラーを連発したの

が、何とも見るに堪えなかった。

私は星野流の指導は不適切との印象を強く抱いた。

五輪前に星野監督が「金メダルしか要らない」と発言していたこともあって、

世間では星野バッシングが起きたものだ。

そして星野監督は(一時は有力視されていた)翌年のWBCの日本代表監督

にも選ばれなかった。(原監督が就任)


話は逸れるが、プロ野球・楽天の選手の不甲斐ないプレイを見て、ベンチの

星野監督が苛立っている姿を見ると私は不愉快な気分になる。

私にはどうも「熱血監督」というのが合わないようだ。


男子サッカー・日本代表のザッケローニ監督も選手に威圧的に振舞うタイプ

ではないようだし、そろそろ新しいタイプの指導者が出て来てもいい頃だと思う。