酔生夢死の日録

ド素人が好き勝手に語る妄言です

AKB48の人気の秘密

2011年12月30日 | テレビ
AKB48という女性グループを知らない人は、現在殆どいないはずだ。

そのくらいにテレビに出まくっている。

しかし別段ファンでもない私にとっては、はっきり言って鬱陶しいだけである。

そもそも「握手券」(AKB48のメンバーと握手ができる「握手会」への参加権利

の付いたカード?。CDを買うと1枚添付されているらしい。中には複数の

握手券を求めて何枚もCDを買う人もいると聞く)なるものが発行されている

と知った時点で,何ともあこぎな印象を受けて、非常に嫌な感じを

抱いたものだった。


AKB48というグループは、露骨な言い方をさせてもらうと、ごく一部の人間を

除くと、殆どが10人並みのレベルで、とても「アイドルグループ」とは

思えない。

このようなグループがこんなにも人気を集めているのは、一体なぜなのか。

これは異常事態としか言いようがないだろう。

私もこの点は以前から気になっていた。


しかしその答えは、AKB48のプロデューサーの秋元康氏自身からもたらされた。

ウォール・ストリート・ジャーナル



確かに商業レベルでは大成功しているらしい。

何しろ、今年のシングルCDの売り上げベスト5は全てAKB48の曲だという。

これはいくらなんでも極端すぎると私は思うのだが、ある意味では、

どうでもいいことではある。


しかし「最新ヒット3作はすべて発売日に100万枚のCD販売 を記録した」

というから、やはり尋常ではないだろう。

CDが発売初日に100万枚売れるということの異常さは、言うまでもなく

それを買う人がそれだけいるということである。

(ある種のファンは、同じCDを一人で複数枚買うというから、

別段驚くべきことではないのかもしれないが・・・。しかしもはや

こうなると、ファンの行動心理を研究する必要が出てくる。何やら気の重い

世界ではある)


ところで、なぜこうも彼女たちの人気が高いのかということに関連して、

前述の記事の中で秋元康氏はこう語っている。


「(AKBは)完成されていない。
つまり、歌とダンスはまだ完璧ではない「途中」の段階からデビューさせ、
ファンに応援してもらい、その成長の過程を目撃してもらう。
それがAKB48なのです」

「一番近いのは、野球の熱狂的なファン。野球の熱狂的なファンは、優勝がかかった試合をなんとしても見に行くと思う、そういうような気持ちじゃないか。
もっと近くにいって、「応援しているよ。この間よりダンスうまくなったね、歌うまくなったね。髪をもう少し切ったほうがいいよ」といった関係を築ける。
ファンの皆さんもプロデューサーなのです。この連帯感が多分楽しいのです」


要するに熱狂的なファンというのは、自分は彼女たちの成長過程をずっと

見て来たという自己満足に浸れるというのだ。

従ってここでは、未熟ささえも価値あるものとなっている。

明らかな価値観の転倒。


確かに熱心な野球ファンは2軍の試合まで見に行く。

そして2軍の選手が成長して、1軍に上がって来るのを楽しみにしている

はずだ。

それはゲームの世界の「競走馬育成シミュレーション」にも近い部分がある

のかもしれない。


とにかく今や東南アジア各国にも進出して、それぞれの国でグループを作って

いるというから、そのパワーは恐るべきものだ。