パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

勇気と覚悟、そして背負っていく気概(日本にいるロシア人の思い)

2022年02月28日 10時19分51秒 | あれこれ考えること

誰もが辛いニュースより明るいニュースのほうが良いと思う
ニュースの中には時として避けて通れないものがある
そんな時の向かい方は人間性が現れる

日本に住むロシア人の女性で山が大好きなユーチューバーがいる
北アルプスなどの登山の様子を流暢な日本語を駆使して
そこで得られる感動を素直に言葉にしている
もう行けなくなった山にそれで行った気になれるので
アップされる度に見ていた

頻繁にアップされる動画がロシアのウクライナ侵攻以後、投稿されなくなった
そんな気分になれないのは想像できる

その彼女が「勇気と覚悟」をもって現在の心境を語る新しい動画をアップした
冒頭の表情からその苦悩が見て取れる
彼女は「戦争反対」と訴え、日本人に合わす顔がないという(世界に対しても)
そしてロシアの行動を恥ずかしいし(多分世界の人々に)謝罪したいという

だが、日本にいても「戦争反対」と表に出すことは、ロシア人の彼女にとっては
いつか政権に対する危険分子として危うい環境に陥るかもしれない
彼女は「勇気」を振り絞って「覚悟」を決めて行動を起こしたようだ

個人と国家とは確かに違う
自分が下した判断ではないが、しかしながら自分がロシア人という現実は大きく
それに対する責任は避けて通れないと自問する
そして、彼女はこれからはそれを「背負って」いくと覚悟する

自分の責任ではないが自分の国の間違いを背負って、その間違いを批判する行動を
勇気と覚悟をもって公にすること
それは想像以上に辛いことと思われる
精神的な重荷が体力を奪うことがあって、彼女は駅の階段から降りるだけで
支えが必要になっている(それは彼女の登山の健脚ぶりからは信じられない)

内的な時間の経過は物理的な時間経過とは違う
内的な濃密な時間経過は人を強くすると思われる
勇気と覚悟を決めるまでの時間
そして自分には責任がないとしながらも、自己として国家の責任を背負う覚悟
その思いに至るまではどれだけの苦悩があったことだろう

自分には責任はないが、ロシア人としてこの行為については批判も背負っていく覚悟は、
今の若者には戦争の責任がない、、と考えたがる日本の一部の人たちに聞かせたいくらいだ
仮に今の若者に責任はないとしても、再び戦争を起こさない責任はあるはずだ

テレビではこの危機を逆手に取って、勇ましい言葉が出るようになっている
おかしいことになっているのはロシアだけでなく、この国も、、とつい思ってしまう

とてもつらいが、見習いたい人間性を感じる動画はこちら↓↓

ロシア国民として、皆様にお伝えしたい。

コメント
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