DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

夢(98)

2014-04-23 23:54:25 | ButsuButsu


日本陸水学会は、福島第一原発で凍土遮水壁を使用することに反対している。

これは、リスクが高い手法に対して、陸水の研究者としてきちんとした意見を述べるという基本的な態度に関する申し合わせの結果である。

問題は、凍土遮水壁が、完全に均質に凍結することはありえないという前提に立っている。

当然、凍結が強いところと弱いところが発生する。

というのは、凍らす泥に含まれる物質濃度が均質でないことによる。

濃度が高い物質は、簡単には凍らない。

その結果、弱いところにストレスが集中することになる。

年間を通じて考えるならば、夏期には地面の表面温度が40℃を越えることもあるだろうし、また豪雨によって時間雨量が100mmを越えることもあるだろう。

そのような自然環境の中で、凍土遮水壁の内部が溶解したり、大量の汚染水がたまった場合、いつか決壊を引き起こす可能性が高い。

実際、南極の氷河でそのような決壊が起こっているという報告がある。

このような危険性の高い構造物を、長期間にわたって維持することのメリットが理解できない。

電気代にしても相当なものになるだろう。

他に方法がないわけではない。

もっと単純で、わかりやすい方法を選択すべきだ。

そう学会では主張している。

そのことが4月23日付の産経新聞一面で取り上げられた。

危険性や、多額のコストを国民が分担するわけであるので、正しい情報の開示と適正な執行を政府に求めたい。
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謎(15)

2014-04-23 02:53:48 | ButsuButsu


男はずっと眠っていた。

眠りながら考えていた。

それは琵琶湖の古い時代のことだった。

湖底に潜ると、島だと思っているところが、峻嶮な山のような気がしてきた。

時代をさかのぼると、湖底が盛り上がり、陸となる。

陸はさらに盛り上がり、確かに、山となった。

どのくらい古い時代なのだろうか。

周りに人間は見当たらなかった。

そう言えば、こんな山に登ったことがある記憶があった。

信州にある北アルプスの槍ヶ岳だ。

尖がった険しい山は、神が宿る頂のようだった。

古い記憶をたどりながら、湖と山が作られてきた話を思い起こしていた。

それは日本という島の、創世の話とつながっていた。

琵琶湖の周辺では、二つの大きなプレートがぶつかっていた。

フィリッピン海プレートと、ユーラシアプレートだった。



東から押し寄せてくるフィリッピン海プレートが、琵琶湖の底でもぐりこんでいた。

そこに、西からくるユーラシアプレートが乗り上げていた。

地面は押し付けられて、山と湖ができてきた。

高くなった部分は鈴鹿山脈となり、沈み込んだ部分が琵琶湖となった。

今も変化し続けているが、人の目にはその変化がよくわからない。

時々、地震がくると思い出す。

そんな長い時間の変化と、今、湖底で見かけた吹き出しの間に、何か関係でもあるのだろうか。

男の夢は同じ質問を繰り返していた。

何だろうか。

この不思議な感覚は。

興味と恐怖が交錯する、ワクワクとした思いにとらわれる。

ずっと深く潜っていく。

そこにはいったい何があるのだろうか。

そして男は眠りから覚めた。
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