『日本文学史序説』補講 加藤 周一 著
「図で示したように方角のある量がベクトルです。
Bは仏教のように外国から来たイデオロギーで、これについては非常によくわかっています。われわれが知りたいのはAで、丸山さんのいう「古層」、日本人のイデオロギー、世界観です。
どのようにしてAを知るのか。
AとBとのあいだに関係が生じます。BはAに影響を与え、AはBに影響を与えます。・・・日本人のものの見方は、Bが入ってきたために変わってCになる、・・・3つのうち2つがわかっていれば、第三のAを推定することができます。」(p30)
加藤氏が推定した日本人のイデオロギー、世界観は、「愛情なき辛口(2)」で引用したくだりに集約されている。
ところで、私は、最新の「週刊文春」をスキミングしていて、驚くべき記事を発見した。
それは、朝井リョウさんの、「私の読書日記」の中の「牧師、閉鎖病棟に入る」に関する感想の部分である(https://twitter.com/asai__ryo/status/1443512222743891969)。
「著者は、「社会のせいだ」でもなく、「自分のせいだ」でもない、甘ったれんな!でもなければ自己卑下でもない、これまでの「ありのまま」像とは違う自己を探求していくことになる。」
この短い一文には、加藤氏が指摘した日本の「土着世界観」(ベクトルA)とは異質な、かといって外来文化(ベクトルB)の影響を受けているとも思われない、ある種の異質な考え方(いわば「ベクトルD」)の影響が窺われる。
私は、朝井さんの本はこれまで一冊も読んでいない(私は、存命の作家だと、基本的には筒井康隆氏と池澤夏樹氏しか読まない)のだが、ちょっと探求を試みてみたいと思う。
というわけで、朝井リョウさんにロック・オン!
「図で示したように方角のある量がベクトルです。
Bは仏教のように外国から来たイデオロギーで、これについては非常によくわかっています。われわれが知りたいのはAで、丸山さんのいう「古層」、日本人のイデオロギー、世界観です。
どのようにしてAを知るのか。
AとBとのあいだに関係が生じます。BはAに影響を与え、AはBに影響を与えます。・・・日本人のものの見方は、Bが入ってきたために変わってCになる、・・・3つのうち2つがわかっていれば、第三のAを推定することができます。」(p30)
加藤氏が推定した日本人のイデオロギー、世界観は、「愛情なき辛口(2)」で引用したくだりに集約されている。
ところで、私は、最新の「週刊文春」をスキミングしていて、驚くべき記事を発見した。
それは、朝井リョウさんの、「私の読書日記」の中の「牧師、閉鎖病棟に入る」に関する感想の部分である(https://twitter.com/asai__ryo/status/1443512222743891969)。
「著者は、「社会のせいだ」でもなく、「自分のせいだ」でもない、甘ったれんな!でもなければ自己卑下でもない、これまでの「ありのまま」像とは違う自己を探求していくことになる。」
この短い一文には、加藤氏が指摘した日本の「土着世界観」(ベクトルA)とは異質な、かといって外来文化(ベクトルB)の影響を受けているとも思われない、ある種の異質な考え方(いわば「ベクトルD」)の影響が窺われる。
私は、朝井さんの本はこれまで一冊も読んでいない(私は、存命の作家だと、基本的には筒井康隆氏と池澤夏樹氏しか読まない)のだが、ちょっと探求を試みてみたいと思う。
というわけで、朝井リョウさんにロック・オン!