Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

ベクトルD

2021年10月06日 06時30分45秒 | Weblog
『日本文学史序説』補講 加藤 周一 著
 「図で示したように方角のある量がベクトルです。
 Bは仏教のように外国から来たイデオロギーで、これについては非常によくわかっています。われわれが知りたいのはAで、丸山さんのいう「古層」、日本人のイデオロギー、世界観です。
 どのようにしてAを知るのか。
 AとBとのあいだに関係が生じます。BはAに影響を与え、AはBに影響を与えます。・・・日本人のものの見方は、Bが入ってきたために変わってCになる、・・・3つのうち2つがわかっていれば、第三のAを推定することができます。
」(p30)

 加藤氏が推定した日本人のイデオロギー、世界観は、「愛情なき辛口(2)」で引用したくだりに集約されている。
 ところで、私は、最新の「週刊文春」をスキミングしていて、驚くべき記事を発見した。
 それは、朝井リョウさんの、「私の読書日記」の中の「牧師、閉鎖病棟に入る」に関する感想の部分である(https://twitter.com/asai__ryo/status/1443512222743891969)。
 「著者は、「社会のせいだ」でもなく、「自分のせいだ」でもない、甘ったれんな!でもなければ自己卑下でもない、これまでの「ありのまま」像とは違う自己を探求していくことになる。
 この短い一文には、加藤氏が指摘した日本の「土着世界観」(ベクトルA)とは異質な、かといって外来文化(ベクトルB)の影響を受けているとも思われない、ある種の異質な考え方(いわば「ベクトルD」)の影響が窺われる。
 私は、朝井さんの本はこれまで一冊も読んでいない(私は、存命の作家だと、基本的には筒井康隆氏と池澤夏樹氏しか読まない)のだが、ちょっと探求を試みてみたいと思う。
 というわけで、朝井リョウさんにロック・オン!
 

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