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Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

メリル・ストリープ、あるいは間口の広さ

2025年07月06日 06時30分00秒 | Weblog
振付:スタントン・ウェルチ、ジュリー・ケント
『クリア』
『蝶々夫人』より
『シルヴィア』より
『魂の音』より
『ヴェロシティ』

 ヒューストン・バレエ団の再来日で、「オープニング・ガラ」では芸術監督であるスタントン・ウェルチの作品のみを上演する。
 本人が、
 「一つの型にはまらない、間口の広い振付家であることを心がけています。あらゆる役を演じきる女優のメリル・ストリープのように・・・」
と述べるとおり、前回公演「白鳥の湖」のようなクラシカルな作品だけでなく、この日のような種々のコンテンポラリー作品も自由自在につくることができる。
・ジャンプのとき、両手を後方に、両足を前方に伸ばす
・回転ジャンプの後、床に倒れ込んで転がる
というコリオが頻出するのだが、これは彼の好みなのだろう。
 総じて音楽と調和しつつもアクロバティックで高難度・高速度のコリオという印象で、メリル・ストリープもびっくりしていることだろう。
 当然、ダンサーには高度の身体能力が求められるわけだが、これに関しては地の利があると思う。
 というのは、ヒューストンのエスニシティは非常に多様で、こうした人材のリクルートがしやすいのではないかと思われるからである。
 例えば、大柄なアフリカン・アメリカンの男性ダンサーが揃っているところや、ベネズエラ出身のカリーナ・ゴンザレスが長年プリンシパルを務めているところなどは、このバレエ団の特色と思われる。
 個人的にも、スタントン・ウェルチのコンテンポラリー作品は観ていてエキサイティングだし、全く退屈しない。
 なので、誰かこの人のテーストだけでも継承して欲しいと思う。
 この点、元ABTのジュリー・ケントが共同芸術監督に就任しており、ウェルチの後任となるのだろうが、”武蔵野”風に言えば才能多面体の路線を継承するのは、相当難しいのではないかと思う。
 メリル・ストリープは、なかなか真似できない存在だからである。


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