Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

喪失恐怖症

2020年11月18日 06時58分51秒 | Weblog
寺島しのぶ、99歳の老婆役に挑戦!三島由紀夫「卒塔婆小町」で
 詩人:たしかに今夜、望みが叶うんだな。なんて妙な、淋しい、気怯れした気持なんだろう。もう望んでいたものを、手に入れたあとみたいな気持だ。
 老婆「殿方にとっていちばんおそろしいのは、そのお気持かもしれないわね。」
 詩人「望みが叶う、・・・・・・そうしていつか、もしかしたらあなたにも飽きる。あなたみたいな人に飽きたら、それこそ後生がおそろしい。そればかりか死ぬまでの永の年月がおそろしい。さぞかし退屈するだろうな。」

  (中略)
 詩人「僕は今すぐ死んでもいい。一生のうちにそんな折は、めったにあるものじゃないだろうから、もしあれば、今夜にきまっている。」

 はたから見ると幸せの絶頂にいる人が、突然自殺することがある。
 詳しく調べれば、おそらくうつ病などの疾患を抱えていることが多いのだろうが、「卒塔婆小町」に登場する詩人のように、生の最高の瞬間において、それを永遠化するために死を選ぶ人間を見ると、この種の自殺をする人の心理が少し分かるような気がする。
 この詩人は、自分に訪れた最高の瞬間を喪失することを恐れているのである(ある意味、「細雪」で、雪子を見つめる幸子の心理に近いところがあるかもしれない。)。
 おそらく健全な心理とは言い難いのだろうが、これは従前から脳科学者によって指摘されてきた現象らしい。

成功者が自殺してしまうのはなぜ? 脳科学的に「幸せになる方法」を教えてもらった
 「はい。そうやってドーパミンを出しながらバリバリ頑張ってきた人は、頂上まで上った瞬間に、今まで以上の目標が設定できなくなってしまいます。
 すると幸福感は薄れて、いずれは絶望感に襲われることになるでしょう。



 
 
 

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