Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

陶酔と覚醒

2024年09月28日 06時30分00秒 | Weblog
1st Stage:辻󠄀井伸行 《ベスト・オブ・リスト》
・リスト:コンソレーション 第3番/愛の夢 第3番/ため息/コンソレーション 第2番/リゴレット・パラフレーズ

2nd Stage:加古隆 《ベスト・オブ・加古隆》
・加古隆:ジブラルタルの風/湖沼の伝説/黄昏のワルツ/パリは燃えているか/ナイルの源流にて/ポエジー  他

3rd Stage:小曽根真 《SOLO》
・演奏曲は当日発表いたします

 毎年楽しみにしているコンサート。
 私にとっては、「音楽とハイキング」を同時に楽しめるというのが最大の魅力である。
 翌日のハイキングも大事なので、フェスティバル4日間のうちコンサートは22日の1コンサートだけ予約したのだが、あいにくの天候不順。
 そういえば、2年前も土砂降りで(雨音はドビュッシーの調べ)、ハイキングは中止にしたのだった。
 さて、辻井さんはオール・リストの選曲で、事前の解説では、
『ため息』という曲は、右手と左手を交差させる場面が多いので、弾くのが非常に大変です
という話だったが、まさにその通りだった。
 辻井さんの場合、鍵盤の位置を”体”で把握していると思われるのだが(このことは、演奏前のルーティンを見ると分かる)、手を交差させると、一旦把握した鍵盤の位置がどうしてもずれてしまうのだろう。
 というわけで、辻井さんには珍しく、チラホラとミスタッチが見られた。
 アンコールもリストで、これは定番の「ラ・カンパネラ」。
 例によって超高速での演奏で、演奏後はブラボーが飛び交っていた。
 ちなみに、ピアノの音に触発されたのか、「ラ・カンパネラ」に合唱するかのごとく、近くにいた鳥たちが高音でさえずりを始めたのがこのシアターならではの出来事であった。
 2番手の加古さんが弾いた曲は、ホームページに掲載されたものとはやや違う。
・ジブラルタルの風
・ポエジー
・グラン・ボヤージュ
・パリは燃えているか
・ナイルの源流にて
(アンコール)黄昏のワルツ
という曲目だった。
 加古さんは、私見では、アンドレ・ギャニオンのような、「心にしみわたる」演奏が特徴だと思っていたのだが、「ナイルの源流にて」は意外にも激しさを含んだ曲で、驚いた(もちろん名曲)。
 ラストは小曽根さん。
 ライブで聴くのは初めてだが、いかにも気持ちよく演奏するので、川口成彦さんを筆頭とする「気持ちよさそうに弾くピアニスト」のカテゴリーに入れたくなる。
 曲目は、
・ブラック・フォレスト
・ガッタ・ビー・ハッピー
・ミラー・サークル
・?
・「こどもの樹(ピアノ:壺阪健登さん、トランペット:松井秀太郎さんとのトリオ)
アンコール曲:不明
だった(はず)。
 小曽根&壺阪さんは、拍手する・足で床を踏み鳴らす、などのジャズ的な動きを交えた演奏で、見ていても楽しい。
 辻井さんと小曽根さん&壺阪さんを見て強く感じたのは、皆さん「陶酔しながらもしっかり覚醒して演奏している」というところである。
 完全に「陶酔」してしまうと、演奏が出来なくなるわけで、楽器を弾く手は(自動的に動いているかのようだが)ちゃんと覚醒している必要があるのである。
コメント
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