ハイジィさまよい記

徘徊老人が後期高齢者になりハイジィ(徘徊爺(じじい)を省略して徘爺)にパワーアップ(?)

藤井十冠?

2023年03月20日 17時45分10秒 | 日記

ハイジイは若い頃将棋をやっていたことがあった。仕事が忙しくなったり、将棋で嫌なことがあったりすると止めてしまい、暇になるとまた始めたりしていたので、趣味として本気でやっていた人に比べると中途半端だった。退職後にまた始めようかと思い、羽生九段や多くの棋士を育てたことで有名な八王子の将棋道場に行ったが、市の将棋大会でもあれば、優勝を目指して頑張るということも考えられたが、私の住んでるところではないのと、東京都で優勝するなどという無謀なことは考える気にもならず、目標を持てずに止めてしまった。

そんなところに、藤井少年が現れて、漫画や小説以上の活躍をして、UOUTUBEでは棋譜の解説が丁寧に行われているので、追っかけをするようになった。2016年10月に14歳でプロになって、最初の記録更新が29連勝。それから6年半、これまでにいろいろな記録を塗り替えて来た。その一つに、毎年勝率8割をキープしているというのがある。プロ野球の試合なら勝率6割にもならず、半分くらいは負けて悔しい思いをしているだろうが、8割の勝率なら気分が良いことが多い。

さて、3月19日(日)の午前中放送のNHK杯将棋トーナメントで優勝した。一般棋戦のトーナメントは他に、朝日杯将棋オープン戦、銀河戦、将棋日本シリーズがあり、これらも既に優勝を決めていたので、一般四棋戦全部優勝を飾った。今まで羽生九段が三棋戦で優勝したのが最高だったので、四棋戦優勝は初の快挙である。午後には、渡辺棋王に挑戦して、2勝1敗で王手をかけていた棋王戦の第4局に勝利し、棋王のタイトルを獲得した。これで、今までの竜王、王位、叡王、王将、棋聖と合わせて6冠になった。羽生九段に続いて二人目ということだが、大山永世名人は全冠制覇したが当時はタイトル戦は5つしかなかったということで、簡単には比較できない。それより、四棋戦優勝と6冠保持の合計10冠(優勝)もこれまでの最多で、凄いとしか言い様がない。

2007年に渡辺竜王(当時)と将棋ソフトのBonanzaが対戦して渡辺竜王が辛勝した。コンピュータ将棋の強さが示されたにも関わらず、棋士は、コンピュータとの対戦に制限を設けるとともに、コンピュータ将棋はアマチュアのトップクラス程度と主張してきた。しかし、2017年に佐藤天彦名人(当時)が将棋ソフトのponanzaに敗れて、コンピュータ将棋の方が強いことが明らかになった。それで、将棋の人気が落ちたかというと、そうならなかったのがおもしろいところである。それは天才藤井聡太の出現のおかげだろう。それ以降のコンピュータ将棋の進歩は目覚ましく、非常に強くなった。将棋でコンピュータに勝とうとする人はいなくなり、コンピュータは棋士の勉強および研究の先生になった。棋士の対局の観戦には、コンピュータの形勢判断が必須なものになった。スポーツなら見れば、何となく素晴らしさは分かるが、将棋の場合は、指された手を見ても良い手かどうか分からない。解説を聞いて初めて指し手の意味が分かるくらいで、解説者もいくつかの指し手の候補は挙げられるものの、どれが良い結果につながるかの判断はできていないようである。コンピュータは瞬時に答えを出してしまい、それが正しいような気になってしまうが、来年にはもっと強い将棋ソフトが現れて、現在とは別の手を推奨する可能性が大いにあるので、信頼し過ぎには注意しようと思う。

藤井6冠は4月から渡辺名人との名人戦が始まり、7冠達成達成の可能性が高い。そして、うまくすれば、王座戦の挑戦者になって、全8冠の可能性もあるので、来年度も楽しめることだろう。