西風に吹かれて

日本の西端にある基地の街から、反戦や平和の事、日々の雑感を綴ります。

春は訪れてきたのに…

2012-03-14 21:20:31 | 原発事故
庭の梅がやっと咲き出した。



椿の赤い花も咲き出した。まだ、咲き誇るところまでは行っていないけれどもうすぐだ。



でも、気持ちは晴れない。
震災から1年を経過したが、原発事故の収束のめどは立っていないし、瓦礫の問題も片付いていない。

反原発の学者・小出裕章さんは、福島の子供たちを助けるためには瓦礫を引き受けざるを得ないと、次のように発言されている。

私は間に合わない、
専用の焼却施設を作るべきだと言ったのですが、日本の国はそんな事をやろうともしていないわけで、
今現在どんどん被ばくが進行している。
私はもう間に合わない分は全国の自治体で引き受けるしかないと発言しているのです。

そのために原子力に反対しているみなさんから怒られ続けていますけれども、
でも、私はもう、やるしかないと思っています。


そうなのだろうか?

私は、専門家でもないし学者でもない。
しかし、違うような気がする。いますべきことは、福島の子供たちを国が主導して疎開させることなのではないか?
ずっと、早く疎開させたほうがいいと思っていたが、なぜか国レベルの大きなキャンペーンにはならなかった。

瓦礫処理の問題とは大違いだ。
小出さんはまた、次のようにも発言されている。

ただし、ですけれども、
初めに私が聞いていただいたように、今日本の国がやろうとしているように、
現在ある焼却施設で焼くという事は間違えています。
そして、出てきた焼却灰をそれぞれで埋めてしまう事も間違えていると、初めに発言しました。

じゃぁ、どうすればいいか。
・第一 少なくとも焼却施設の排気系に適切なフィルタを設置し、放射性物質を捕捉できるか現場でテストする
まず、一番初めにやらなければならない事は、少なくても焼却施設の排気系に適切なフィルタを設置する。
そして放射性物質を捕捉できるか現場でテストするということです。

なにか、大阪府の検討会でも、バグフィルターが付いているから、もう大丈夫なんだという事を、行政の方が説明しているようですけれども、とんでもないことです。

そんな、バグフィルターが、本当に性能があるかどうか、やってみたら、テストしてみたらすぐに分かる訳ですけれども、普通の焼却施設は、もともと放射能を取り扱うように設計されていませんし、多分、あちこちで漏れもあるだろうし、捕捉効率も悪いだろうと思います。

ですから、ちゃんとやっぱりやらなければいけないという事をまず考えて欲しいです。


だったら被災地にちゃんとした焼却炉を作ったほうがよほどいいのではないか?

新党日本代表の田中康夫氏はこう言っている。

「みんなの力で、がれき処理 災害廃棄物の広域処理をすすめよう 環境省」。数千万円の税金を投じた政府広報が昨日6日付「朝日新聞」に出稿されました。それも見開き2面を丸々用いたカラー全面広告です。

“笑止千万”です。何故って、環境省発表の阪神・淡路大震災の瓦礫は2000万トン。東日本大震災は2300万トン。即ち岩手・宮城・福島3県に及ぶ後者は、被災面積当たりの瓦礫(がれき)分量は相対的に少ないのです。

「静岡や大阪等の遠隔地が受け入れるべきは『フクシマ』から移住を望む被災者。岩手や宮城から公金投入で運送費とCO2を拡散し、瓦礫を遠隔地へ運ぶのは利権に他ならず。良い意味での地産地消で高台造成に用いるべき。高濃度汚染地帯の瓦礫&土壌は『フクシマ』原発周囲を永久処分場とすべき」。

『広域処理』なる一億総懺悔・大政翼賛の『絆』を国民に強要する面々こそ、地元首長の発言を虚心坦懐に傾聴せよ!」。

ツイッターで数日前に連続投稿した僕は、その中で戸羽太・陸前高田市長、伊達勝身・岩泉町長、両名の“慧眼”発言も紹介しました。

「現行の処理場のキャパシティーを考えれば、全ての瓦礫が片付くまでに3年は掛かる。そこで陸前高田市内に瓦礫処理専門のプラントを作れば、自分達の判断で今の何倍ものスピードで処理が出来る。国と県に相談したら、門前払いで断られました」。

「現場からは納得出来ない事が多々有る。山にしておいて10年、20年掛けて片付けた方が地元に金が落ち、雇用も発生する。元々、使ってない土地が一杯あり、処理されなくても困らないのに、税金を青天井に使って全国に運び出す必要がどこに有るのか?」。

阪神・淡路大震災以前から、産業廃棄物も一般廃棄物も「持ち出さない・持ち込ませない」の域内処理を自治体に行政指導してきた政府は何故、豹変したのでしょう? 因(ちな)みに東京都に搬入予定の瓦礫処理を受け入れる元請け企業は、東京電力が95.5%の株式を保有する東京臨海リサイクルパワーです。

これぞ産廃利権! 仙谷由人氏と共に東電から献金を受け(朝日新聞1面既報)、父君が北関東の産廃業界で重鎮の枝野幸男氏、同じく東電が重用する細野豪志氏に「李下に冠を正さず」の警句を捧げねば、と僕が慨嘆する所以です。

「復興を進めるために、乗り越えなければならない『壁』がある。」と件の全面広告には大書きされています。呵々。乗り越えるべき「壁」は、「業界の利権が第一。」と信じて疑わぬ「政治主導」の胡散臭さではありますまいか?!
(転載終了)
私には、こちらの意見のほうがよく理解できるのだけど。