京大植物園TODAY

京都市左京区の京都大学北部キャンパス内にひっそり佇む現代の杜、京都大学理学研究科附属植物園の日々の風景を紹介します。

すみ場所(habitat):梅棹&吉良、1976.

2006年04月28日 00時07分48秒 | Weblog
以下、梅棹忠夫&吉良竜夫編、生態学入門(講談社、1976)の38頁より抜粋。

【すみ場所(habitat)】

『環境は、生活の場としてあらわれ、生活の場は、すみ場所habitatとしてあらわれる。すみ場所は、もっとも具体的・総合的な環境の表現である。

すみ場所は、空間であり場所である。それは、生物自身が、そして世界の構成要素自身が、すべては空間的にしか存在しえないという構造によっている。環境の問題は、もっとも具体的・直接的には、まず空間の問題、場所の問題からはじまる。

人間はどのような土地において、どのような系を形成するのであろうか。もうひとついいかえれば、われわれは、どのような土地を、どのように評価するのであるか。

景観学、地理学などのあとをうけて、近代生態学の理論的発展は、じつはこの世界の土地評価の問題から端を発したのであった。』