言の葉収集

思ったこと、感じたこと、出逢ったこと
いろいろ気ままに書きたいと思っています。

駄目を出す。

2007-03-19 15:14:42 | 出来事
またまた相撲ネタ。

昨日の朝青龍と稀勢の里の一番。横綱は入場する際からかなりの気合が入っており、すごい睨みを利かせていた。
稀勢の里との一番はいつもそうだが、この横綱の意気込みは鬼気迫るものがある。
予想通り、張り手を交えた突っ張り(というよりは張り倒し)で相手の身体を泳がせ、最後は後ろに回って投げ捨てた。このスピードこそがこの横綱の命である。
栃東は敗れて1敗、白鵬は1敗を堅持、その大関陣のすぐ後まで来ている。どうもまた最後は横綱が笑う結果になりそうな予感をさせた一番であった。

しかし、気になるシーンがあった。
稀勢の里が倒れたあと、なんと横綱がその稀勢の里の背中に膝を入れたのである。蹴ったというよりは押した感じだったが、これはいただけない。最悪である。
これがこの横綱の真骨頂と書きたてた新聞もあったが、それは間違いだ。勝負が決まったあとにいわゆる駄目を出すことは禁じられているし、礼儀として決してやってはいけないことだ。しかも天下の横綱が…。

品格よりも気迫、格闘技の世界で通用しても相撲の世界では通用しない。北の湖理事長は横綱を擁護していたが、これは厳しく注意するべきだと私は思う。
相撲は格闘技ではない、武道であると思う。継承すべきは相手を尊敬し思いやる文化である。何の為の蹲踞なのか何の為の礼なのか今もって考えるべきだ。

強い横綱である。この速さが衰えない限り当分はこの人の天下が続くであろう。八百長騒動で第一人者として心身ともに疲れきっているのは同情するが、誰もが認める立派な横綱に、いや大横綱になってほしいと願うのは私だけではないだろう。