歴史は人生の教師

高3、人生に悩み休学。あったじゃないか。歴史に輝く人生を送っている人が。歴史は人生の教師。人生の活殺はここにある。

人間の実相を語る歴史人(海運王オナシスの世界戦略)

2010年12月24日 | 人間の実相を語る歴史人
人間の実相を語る歴史人(海運王オナシスの世界戦略)

アリストテレス・オナシスは
1906年1月15日に
ギリシャに生まれた。
彼は後に
「20世紀最大の海運王」
と言われるのである。

若い頃難民生活を余儀なくされた彼は、
20歳すぎて単身、南米に渡る。

1906年、エーゲ海に面した
トルコの港町に生まれたオナシス。
ギリシャ商人であった父は
彼にこんな教育を施した。

「つきあう人間は、どれだけ
 自分の得になるかで決めろ」

しかし、トルコとヨーロッパの
動乱の中、一家で難民暮しを
余儀なくされた彼は単身、
南米アルゼンチンに渡った。

首都ブエノスアイレスで
皿洗いなど転々とした彼は、
ある時電話交換手の
アルバイトにありついた。

深夜、その気になれば電話を
盗み聞きできることを知った彼は
株の取引を巡る裏事情に
聞き耳をたてた。

ブエノスアイレスは、
ロンドンとニューヨークの
時差の間に位置し、
株式市場の閉まった後に
大きな取引が動くことに
気づいた彼はめぼしい情報を
そっとメモしては、
自分も小遣いを投資した。

これで小金を貯めたオナシスは、
タバコの輸入で一儲け。
さらにギリシャの領事に
取り入った彼は、
“外交特権”を不法に利用し
ヨーロッパの外貨を
闇市場で売りさばき、
20代後半で既に
百万長者に成り上がった。

オナシスは6隻の中古船を買い、
海運事業を始めた。
海運業はリスクも上がりも大きい、
ギャンブルに近い商売だった。
休む間もなく働いた
オナシスの睡眠は、
いつも服を着たまま。
食事も労働者達に混じって取り、
自分の船を無駄なく稼働させる。

手段を選ばずビジネスの手を
広げていくオナシス。
世界のエネルギーが
石炭から石油へとって代わり、
巨大タンカーが時代の主役と
なることを予見した彼は、
1万トン級タンカーを造らせ、
世界の海に、その威容を
見せつけていくのであった。

また、第二次世界大戦後、
アメリカが払い下げた
リバティ船をダミー会社を
通じて安く買いあさった彼は、
これをさらに転売。
巨万の富を手に入れるのであった。

そしてオナシスは、
結婚をもビジネスの
一環に取り入れた。

ギリシャの老舗
海運業者リバノス家の
令嬢アシーナの嫁入り道具は、
「石油運送の権利譲渡書」。

この結婚によって彼は
ギリシャの支配階級に
食い込むことに成功。
自分を成り上がり者だと
見る上流階級に、
金に糸目をつけずに
造った豪華ヨット
「クリスティーナ号」
を披露。

「上品さは金で
買うことはできないが、
 それがないことを
大目に見る寛容さは
買うことができる」

これだけの富を手にしながら、
オナシスはまだ
飽き足らなかった。

カジノなどで知られる
ヨーロッパ社交界の
花形舞台モンテカルロ。
ここを金の力で乗っ取り、
ギリシャの国営航空を買収し、
海と空を一手に
制することになった。



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