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歴史は人生の教師

高3、人生に悩み休学。あったじゃないか。歴史に輝く人生を送っている人が。歴史は人生の教師。人生の活殺はここにある。

法然上人⑩(65才 選択本願念仏集・捨閉閣抛)

2009年10月05日 | 七高僧
法然上人⑩(65才 選択本願念仏集・捨閉閣抛)

『選択本願念仏集』は、建久9年(1198年)、
関白九条兼実の要請によって、
法然が撰述された2巻16章の論文である。
一般には『選択集』と略称される。

浄土三部経の経文を引用し、
それに対する善導大師の解釈を引き、
さらに法然上人御自身の考えを述べている。

末法においては称名念仏だけが相応の教えであり、
聖道門を捨てて浄土門に帰すべきで、
雑行を捨てて念仏の正行に帰入すべきと説いている。
それまでの観想念仏を排して
阿弥陀仏の本願を称名念仏に集約することで、
仏教を民衆に開放することとなり、
浄土教の歴史の中で画期的な意義を持つ聖教である。

1212年に刊行されると、
高名な仏教学者の(特に善導大師)の書を引用し、
弥陀の本願の救いを説いた書である。
確固たる学問的な根拠を示して、
弥陀の本願によらなければ絶対に救われないから、
聖道仏教はさしおいて、浄土仏教へ入れ、
と徹底して教える「選択集」は、
仏教界に水爆級の衝撃を与えた。

『選択本願念仏集』には聖道門の
「捨閉閣抛」(しゃへいかくほう)が
始終一貫、説かれてあった。

捨=捨てよ。
閉=閉じよ。
閣=さしおけよ。
抛=なげうてよ。  

華厳宗の明恵は生前の法然上人を
高徳な人格だと尊敬していたが、
法然上人の死後
「選択集」を読んで激怒し、
すぐさま『摧邪輪』三巻で反論した。
これを皮切りに反論書が次々出されたが、
擁護する書も後を絶たず、激しい応酬となった。
当時の仏教界は『選択集』を中心に動いていた。

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