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歴史は人生の教師

高3、人生に悩み休学。あったじゃないか。歴史に輝く人生を送っている人が。歴史は人生の教師。人生の活殺はここにある。

人間の実相を語る歴史人(玉耶経)

2011年05月11日 | 人間の実相を語る歴史人
人間の実相を語る歴史人(玉耶経)

仏説玉耶経といえば、
江戸時代までは
上流家庭では、嫁ぐ娘に
持たせたといわれるお経である。

主人公の玉耶は
正に主婦の鑑といえる
立派な女性であった。

その玉耶のような奥さんに
なりなさいよと
娘に与えたお経なのだ。

しかし、この玉耶は
始めから良い奥さんでは
なかったのだ。

それどころか、
大変な悪妻であり、
釈尊のお導きにより、
生まれ変わって
しまったのである。

では玉耶とはどんな
人であったのか。

祇園精舎を建立したことで
有名な給孤独長者。
彼は多くの人から
尊敬を受けていたが、
お釈迦様の教えを聞かれるように
なってからは、なお慕われるように
なってゆき、家は栄えた。

その長者も一度、大変な失敗を
犯してしまったのだ。
それが息子の嫁選びであった。

長者には子供じみた
女性観があった。

「女性は美しいことが
 一番素晴らしい妻に
 なれる」

これは若い者が一度は
陥る間違えた考えである。

仏縁もあり、
しっかりした人生観を
持っていた給孤独長者で
あったが、女性観を誤った。

長者は金に糸目はつけない。
インドで一番綺麗な女性を
探し求め、連れてきたのが、
玉耶であった。

親が親ならば、
子も子である。

玉耶の美しさに一目ぼれ、
すぐに縁談がまとまり、
結婚の運びとなった。

ところが、結婚式を終えた
途端、今まで猫をかぶっていた
玉耶が本性を現した。

だれより早く寝て、遅く起き、
日がな一日鏡の前を居場所に、
髪を梳き、化粧を続ける。

裕福な家庭で育ったせいか、
身の回りのことは人任せで、
家事も一切したことがない。

気に障ればわめき、
使用人にあたり散らす。
勝手気ままな玉耶を、
周囲は持て余していた。

「叱ればすねる。
 誉めればつけ上がる。
 殺せば化けて出てくる」

どうしようもない女の
本性丸出しの玉耶であった。

家長の給孤独長者も
困り果てた。

女性は見た目が第一と思い、
探し当てた息子の嫁。
容貌は申し分ないが、
内面は幼いままだった。
労を惜しまず、
他人のために働くことを
当然としてきた長者には、
彼女の日常は理解を超えている。

食事の準備や片付け、
掃除、整理整頓、
人としてなすべき生活の基礎を、
端から彼女は身に
つけていなかった。

だが、こちらから
持ちかけた縁談だから、
今更、離縁もできない。

長者家族は途方に暮れ、
かねて崇敬する釈尊に
おすがりするしかないと考えた。




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