満月通信

「満月(バドル)」とは「美しくて目立つこと」心(カリブ)も美しくなるような交流の場になるといいですね。

子供のためのイスラーム礼儀作法その8

2008-03-08 | ファトワ&フィクフ
بسم الله الرحمان الرحيم

السلام عليكم


子供のためのイスラームの礼儀作法(8)話すこと



ビスミッラーヒッラハマーニッラヒーム(慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において)

アッラーは人間を最も美しくお創りになられ、また人間のために聴覚や視覚、知性を授けてくださりました。
そして学習のための手段を授けてくださりました。

至高なるお方は仰りました:
『言ってやるがいい。「かれこそはあなた方をお創りになり、あなた方のために聴覚・視覚・感情(知性)を与えられた方である。何とあなた方の感謝の念の薄いことよ。』
(アルムルク章67:23)

『われらは彼のために両目を創ったではないか。また舌と二つの唇を。』(アルバラド章90:8-9)

私たちは言葉や会話という手段によって、人々に自分の気持ちや考えを表現したり、必要な情報を伝えたり受け取ることもできます。

至高なるお方は仰りました:
『慈悲あまねくお方が、このクルアーンを教えられた。(かれは)人間を創り、物言う術を教えられた。』(アッラフマーン章50:1-4)

至高なるアッラーはムスリムに行動に気をつけると同様に言葉にも気をつけるように命じました。
そしてアッラーはムスリムに真実を口にし、口から発せられる全ての言葉に気をつけるように命じました。

預言者(彼に祝福と平安あれ)は言いました:「ある者は軽はずみにある言葉を口にし、その言葉によって70年間火獄に留まる。」(アッティルミズィーの伝承)

至高のアッラーは仰りました:
『彼がまだ一言も言わないのに、彼の傍の看守は(記録の)準備を整えている。』
(カーフ章50:18)

アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:“アッラーと最後の日を信じる者は、よいことを口にするか、さもなくば黙っていよ。”」(アルブハーリーとムスリムの伝承)

以上のことから、私たちの口から発せられる「言葉」が、イスラームにおいて審判の日にアッラーの清算の対象となるのだ、ということがわかります。

それでは「話すこと」に関してのイスラームの礼儀作法を以下に挙げます。
それらを守れているか自分で、あるいは家族で確認してみましょう。

1‐人との会話において、美しい言葉と良い単語を選びましょう。また人からの質問や呼びかけには丁寧に礼儀正しく答えるようにしましょう。

良い言葉はサダカにもなり、地獄の業火を遠ざける原因にもなります。

ウダィユ・ブン・ハーティム(彼にアッラーのご満悦あれ)によると、アッラーの使徒(彼に祝福と平安あれ)は言いました:「デーツの半分ででも火獄から身を守れ。それすら持たない者は良い言葉でもって(身を守れ)。」(アルブハーリーとムスリムの伝承)

2-聞き手がその話の内容を理解できるようにゆっくりと明確に話すようにしましょう。

アーイシャ(彼女にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼に祝福と平安あれ)はあなた方のこの早口のように話を続けざまに言うことはなく、もし数える者が数えたならば(言葉数を)数えられるほど(ゆっくりと明確に話したもの)でした。」(アルブハーリーとムスリムの伝承)

3-聞き手の理解力・知識・学術的レベルに合わせて話すようにしましょう。

アーイシャ(彼女にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼に祝福と平安あれ)の言葉はそれを聞いた者たち全員が理解できるほど(言葉が区切られていて)明確でした。」(アブー・ダーウードの伝承)

4-知らないことやその情報が正しいのか明らかでないことについては話さないようにしましょう。

5-質問に対しての答えやアドバイス、あるいは善行を命じ、悪を禁じること、またはイスラームの布教を目的としたこと以外では口数を少なくしましょう。

至高のアッラーは仰りました:
『彼らの秘密の集まりの多くは無益なものである。ただしサダカや善行を勧め、人々の間をとりなすことは別である。それらをアッラーのご満悦を願って行う者にはわれらが偉大なる報奨を授けよう。』(アンニサー章4:114)

イブン・ウマル(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:アッラーの使徒(彼にアッラーの祝福と平安あれ)は言いました:「至高のアッラーの念唱以外で口数を多くするのではない。至高のアッラーの念唱以外で口数を多くすることは心を頑なにする。本当に至高のアッラーから最も遠い人々とは心の頑なな者である。」(アッティルミズィーの伝承)

6-益の少ないお喋りや無駄口などは避けましょう。

アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:“アッラーと最後の日を信じる者は、よいことを口にするか、さもなくば黙っていよ。”」(アルブハーリーとムスリムの伝承)

7-実際に話す前にこれから話そうとしていることを理解し、その言葉を発することによって何が起きるかを考えることなしに言葉を口にすることを避けましょう。

至高のアッラーは仰りました:『彼がまだ一言も言わないのに、彼の傍の看守は(記録の)準備を整えている。』(カーフ章50:18)

8-人の話を切ったり、(話が終わらないうちに)言葉を正したり、傷つけたり、間違いを指摘したり、嘲ったりするのを避けましょう。

至高のアッラーは仰りました:『人々には良い言葉をかけよ。』(アルバカラ章2:83)

9-通常の会話などでは必要以上に声を張り上げず、落ち着いて話すようにしましょう。

至高のアッラーは仰りました:『歩き振りを穏やかにし、声を低くしなさい。』(ルクマーン章31:19)

10-優しく静かに語り、また微笑ながら話すようにしましょう。

アブー・アッダルダーは言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーの祝福と平安あれ)は話す時には必ず微笑んだものだった。」(アハマドの伝承)

アーイシャ(彼女にアッラーのご満悦あれ)によれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「アーイシャよ、アッラーはお優しいお方であり、ゆえに優しさを愛でられる。そして優しさに対して、荒々しさやその他の何ものに対しても与えられないものを与えられるのだ。」(アルブハーリーとムスリムの伝承)

11-悪い言葉や汚い言葉を避けましょう。信仰する者はそれらの言葉を口にしません。

アブドッラー・ブン・アムル(彼らにアッラーのご満悦あれ)は言いました:「預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は下品なことを口にすることもなければ、卑俗な性質でもありませんでした。そしてこう言っていたものです:“あなた方の内で最良の者は、もっとも人格の優れた者である。”」(アルブハーリーとムスリムの伝承)

アブー・ムーサー(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「(教友たちは)言いました:“アッラーの使徒よ、イスラームにおける最良の者は、どのような者でしょうか?” (預言者は)言いました:“他のムスリムをその口と手でもって害さないような者だ。”」(アルブハーリーとムスリムの伝承)

12-話中に誓い(「アッラーに誓って」という言葉を言うこと)をするのは必要な時だけにしましょう。

至高のアッラーは仰りました:『あなた方は自分の誓いを守れ』(アルマーイダ章5:89)

13-誓いを言う時に「預言者」「カアバ」「天使たち」「先祖たち」「命」「頭」「栄誉」などのアッラーの被造物に誓うのを避けましょう。

イブン・ウマル(彼にアッラーのご満悦あれ)によると預言者(彼にアッラーの祝福と平安あれ)は言いました:「至高のアッラーはあなた方に、あなた方の先祖たちに誓うことを禁じられた。だから誓いを立てる者はアッラーに誓うか、あるいは黙っていよ。」(アルブハーリーとムスリムの伝承)

14-罪や過ちを犯すたびに(あるいはそれ以外でも)イスティグファールをたくさん言うようにしましょう。また集まりの締め括りにはドゥアーやズィクルを言うようにしましょう。

イブン・ウマル(彼らにアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は、教友たちのために(次のような)ドゥアー(祈願)の言葉でもって祈願するまでは、集まりの場を立つことは滅多にありませんでした:“アッラーよ、私たちとあなたへの不服従との間を阻む、あなたへの畏怖の念を私たちにお与え下さい。そして私をあなたへの天国へと到達させてくれる、あなたへの服従を。そしてあなたがそれでもって現世での災難を和らげて下さる、(あなたの宗教への)確信を。またあなたが私たちを生かし続けて下さる間、私たちにその聴覚と視覚と力を堪能させて下さい。そしてそれを末永く継続させて下さい。また私たちを抑圧する者たちにお報いを与え、私たちを敵に勝利させて下さい。そして私たちの宗教において災厄を被らせないで下さい。現世を私たちの最大の関心事や、学識の目的としないで下さい。そして私たちをいたわらない者を、私たちの統治者としないで下さい。”」(アッティルミズィーの伝承)

アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:“下らない戯言の多い集まりに参加した者で、そこを立つ前に:「スブハーナカッラーフンマ ワ ビハムディカ、アシュハドゥ アッラー イラーハ イッラー アンタ、アスタグフィルカ ワ アトゥーブ イライカ。(アッラーよ、崇高なあなたを賛美と共に讃えます。あなたの他に真に崇拝すべきものはないと証言し、あなたのお赦しを乞い、あなたに悔悟します。)」と言った者は、その集まりにおいて起こった(罪深い)ことに対してのお赦しを得るであろう。”」(アフマドとアッティルミズィーの伝承)

15-舌(口にすること)を監視し、自分や人に害を与えることや禁じられたことから舌を守るようにしましょう。

ムアーズ・ブン・ジャバル(彼にアッラーのご満悦あれ)の伝える預言者(彼にアッラーの祝福と平安あれ)のハディースの一部に以下のようなものがあります:

彼(預言者)は舌をつまんで言った:「これを慎むのだ。」私は尋ねた:アッラーの使徒よ、私たちは口にしたことで評価されるのでしょうか?」すると彼は言った:「お前もお袋泣かせだな。人々の舌が収穫したもの以外に、一体彼らを地獄に逆落しにするものがあるだろうか?」(アッティルミズィーの伝承)

●本気でも冗談でも嘘をつかないようにしましょう:嘘は大罪の中でも最も酷いものです。

●陰口を叩かないようにしましょう:「陰口」とは相手が言われて嫌なこと(例えそれが真実であっても)を陰で口にすることです。

●ナミーマ(仲違いをさせるための悪い噂話)をしないようにしましょう。

●むやみに論争しないようにしましょう。

●人々の名誉を傷つけるようなことを口にしたり、馬鹿にして目配せしたりするのをやめましょう。

●冗談を言い過ぎたり、人を笑わせてばかりいたりすることを避けましょう。

●必要以上に褒めすぎることをやめましょう。

参考文献:
『青少年のためのイスラームの礼儀作法』Dr.ムハンマド・ハイル・ファーティマ著
『幼児期の子供の教育におけるムスリムの父親の責任』アドナーン・ハサン・サーリフ・バーハーリス著
『ヒスヌルムスリム』サイード・ブン・アリー・ブン・ワハブ・アルカハターニー著
『40のハディース』イマーム・アンナワウィー著

アッラーのご加護と祝福がありますように
و السلام



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