満月通信

「満月(バドル)」とは「美しくて目立つこと」心(カリブ)も美しくなるような交流の場になるといいですね。

アッラーのご満悦のために カファンを施す者の徳

2010-09-24 | ハルカ
بسم الله الرحمان الرحيم



アッラーのご満足のために、
亡くなった方の体を洗い、布を着せる者の徳


預言者さま(صلى الله عليه و سلم)は、言われました。
≪誰でも、死体を洗って、彼を布で包み、保存し、運び、彼のために(葬儀の)礼拝をし、彼が間違いからしたことを暴露しなかった者は、まるで、母親から産まれたときのような(罪のない)状態になります。≫ イブンマージャ出典

≪誰でも、死体を洗って、彼のアマーナ(信頼)を守り、そのときの彼の状態を暴露しなかった者は、罪を許されて、母親から生まれたときのようにな状態になります。≫ アハマド出典

≪誰でも、死体を洗って、彼の秘密を守った者は、アッラーが彼の罪をきれいにしてくださり、もし死体に布を着せれば、アッラーがスンドゥスを彼に着せてくださいます。≫ タバラーニー出典

彼の秘密を守る: いくつかの死体に見られることがある、どす黒い顔(罪が多い印)や、性質の変化などを、人々に言わない事。反対に、もし彼の顔に、光が見えたり、輝きや、微笑が見られたときには、それを人々に言う事が、奨励されます。特に、彼が、生前、敬虔で良い人だった場合は、奨励されます。アッラーのみが最もよくご存知ですが。

スンドゥス: 天国の住民が着ることができる絹の長い衣(洞窟章 31節(日訳P360)、煙霧章53節、 人間章 21節(日訳P744)参照)

≪誰でも、死体を洗って、彼の秘密を守る者は、アッラーが、40回彼を許し、死体に布を着せる者は、アッラーが、彼に天国のスンドゥスとイスタブラクを着せてくださり、死体のために、墓を掘って埋めた者には、アッラーが、彼のために、最後の審判の日まで住むことのできる住まいを与える報酬をくださいます。≫ タバラーニー、ハーキム(ムスリムの条件を満たす)出典

イスタブラク: 天国の住民が着ることができる、厚い絹(にしき)の衣裳(洞窟章 31節 参照)

アッラーは、クルアーンの中でこう仰っています。
【あなたは、視線を向けると、幸福な壮大な王国を認めるであろう。彼らは、美しい緑色の絹と錦の外衣をまとい、銀の腕輪で飾られ、主は、かれらに純良な飲み物を飲ませられる。「本当に、これは、あなた方に対する報奨である。あなた方の努力が報いられ、感謝されたのです。」(とおっしゃられる。】 76章人間章20-22節 日訳P744

葬儀の礼拝については→こちらを


アッラーのご加護と祝福がありますように
والسلام



最後の審判の日 ハウド(水場)

2010-09-24 | ハルカ
بسم الله الرحمان الرحيم

السلام عليكم


最後の審判の日 ― 預言者さま(صلى الله عليه و سلم)の水場


前回は、死後に起こることを順番に見てきました。

死の天使が、体から魂を抜き取る。→ ②(墓の中の)バルザフの世界 → ③最初のラッパによって、生きている物がすべて死ぬ → ④次のラッパによって、全員復活、再生する。 

この後、私たちが復活した後に何が起こるか?についてのお話です。復活が起こる日が「最後の審判の日」と呼ばれている日です。その日にいったい何が起こるのか?墓の中から復活させられた後、私たちに待っているものは、何か?!

まず「最後の審判の日」と言われる日は、アラビア語で「يوم الأخرヤウム=ル=アーヒル」とか、「الساعةアッサーア」と言われます。「ヤウム」が「日」で、「アーヒル」が「最後の」という意味です。直訳すると「最後の日」です。また「アッサーア」というのは、「その時」という意味です。つまり、この日の後には時間の観念そのものが消滅してしまうため、もう「日」というものも「時」というものも存在しなくなるため、この日のことを「最後の日」と呼ぶのです。この「最後の日」を信じることはムスリムの5行6信の中の信仰の6つの柱のひとつです。そしてこの日の存在は、アッラーの公正さ、正義の証明となっています。アッラーは、最も公正であるため、この世だけでなくあの世も私たちのためにお創りくださいました。

「最後の日」に起こることは、たくさんありますが、まず最初は前回お話したように
①復活
です。2番目のラッパによって、その日、墓の中からすべての人間が復活させられます。今回は復活の後、その次に起こること、墓の中から出てきたばかりの私たちに、まず最初に待っていること「ハウドー天国から流れ出る水場」についてお話します。インシャーアッラー。

②ハウド(水場) : すべての人間が、「最後の日」に復活後最初に行うことは、ハウドの水飲み場に行くことです。墓の中から出てきた私達は、とても喉が渇いているので、私達は、ハウドという水場に急ぎます。そこには歴代の預言者たち(عليهم السلام)の水場がそれぞれあり、その数は星の数ほどあると預言者さま(صلى الله عليه و سلم)はハディースで言われています。

ある人が「アッラーの使徒よ、ハウドの器とは何ですか?」と質問した。すると彼(صلى الله عليه و سلم)はこう応えた。
≪ムハンマドの魂を手にするお方(アッラー)に誓って、その器は、空の星の数よりも多い。それは雲のない闇夜の晩に見られる星の数と同じです。そのように天国の水場はある。そしてその水を飲んだ者は、決して喉が渇くことはない。そこには、天国から二つの水口(とい)が流れ込んでいる。その水を飲んだ者は、決して喉が渇くことがない。その広さは、縦も横も同じで、アンマンからアイラまでの距離ほどである。その水は、ミルクよりも白く、蜂蜜よりも甘い。≫ ムスリム出典

アッラーは、預言者ムハンマドさま(صلى الله عليه و سلم)に、カウサルという天国の川をお与えになられました。その天国の川、カウサルからつながっている水口(とい)があり、その先が天国の外にあるこのハウドに流れ出ています。ムスリムとして亡くなった人は全員、預言者ムハンマドさま(صلى الله عليه و سلم)の水場ハウドに行きます。預言者さま(صلى الله عليه و سلم)はこう仰いました。

≪私はまことに私の兄弟たちに会いたいものです。≫

この言葉を聞いた人達は、「み使い様、私達はあなたの兄弟ではありませんか?」と言った。彼はこれに対し、

≪あなた方は、私の教友です。私の兄弟とは、まだこの世に生まれていない人たちのことです。≫
と答えた。これを聞いて人々が、「み使いさま、まだ生まれてもいないあなたのウンマ(イスラーム共同体)の人たちを、あなたはどうやって見分けるのですか?」と質問した。み使いはこう言われた。
≪ある人が、全身が真っ黒の馬の群れの中で額と両足のところに白い星型のはんてん斑点のある何頭かの馬を所有している場合を想像してみなさい。その人には自分の馬たちを見分けられないでしょうか?≫
これに対し人々は、「確かに見分けられます。」と答えた。み使いさまは続けてこう話された。
≪彼らはウドゥーを行ったため、顔・両手・両足を白く輝かせながらやって来るのです。私はかれらより先に私の水場へ到着していますが、丁度、迷ったラクダが追い出されるように、ある人たちは、私の水場から追い出されるでしょう。私が大声で、「こちらに来なさい!」と呼びかけようとするとき「彼らはあなたの死後、信仰を変えてしまった者たちです。」と天使から告げられ、それで私は「遠ざけたまえ、遠ざけたまえ。」と言うだろう。≫ ムスリム出典

注:信仰を変えてしまった者たち : イスラームを捨て不信に戻った人たち

死ぬときに、どういう状態で死ぬかは、誰にもわかりません。今はこうしてアッラーが私たちをイスラームの勉強会に参加しているムスリムの中に入れてくださっていますが、死ぬ直前に邪心が起こって、不信となって死ぬかもしれません。そうすれば、行き先は地獄です。それは誰にもわかりません。現在お酒を飲んで酔っ払って、人に迷惑をかけて、人をだまして、盗みを働いて、さんざん悪い事をしている人が、死ぬときには、心を入れ替えて、改心して、よいムスリムとなって死に、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)と一緒に、一番高い天国に入るかもしれません。私達は、どんな人を見るときも、彼がどうやって最後には死ぬかはわからず、自分も最後にどうやって死ぬかわからないという事実をきちんと思い出すべきです。どんな人に対しても、それが例え悪い事をしている人であっても、彼が自分よりも劣っているという気持ちが起こったら、それは、まったく自分の無知から来る態度だと知るべきです。自分の最後がわからないことを知らない無知な人だけが、他人の信仰心が低いとか自分より劣っていると言って、他人を裁きます。他人のことをとやかく言っている自分は誰か?よく考えてみることです。自分が死ぬときに、ムスリムとして死ねる事が既に確実に決まっているのでしょうか?アッラーからその確約をもらっているのでしょうか?
どんなに悪い事を行っている人に対しても、私たちがすべきことは、今ひどいことをしている彼のような状態に、アッラーが、自分をしなかったことに対して、アッラーに感謝して、アッラーから大きな試験、試練を受けている彼に対して、「どうか彼を正しい道にお導きください。」とドゥアーをしてあげることです。本当に自分が、彼と同じ悪いことをしなかったとしたら、それはひとえに、自分へのアッラーからの贈り物に他ならないからです。

預言者さま(صلى الله عليه و سلم)は、私たちにこうおっしゃ仰っています。

≪私の死後、あなた方は、否認すべき様々な事柄を見るであろう。
天国の水場で私に会うまで、耐え忍びなさい。≫ 
アルブハーリー出典

私たちがすべきことは、ハウドで預言者さま(صلى الله عليه و سلم)に会うまで、どんな状況に会っても、耐え忍び、信仰を守り、どんな人に対しても、常に善いことをしていくことです。
私たちが、天国から流れ出ている水場ハウドで、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)に、「こっちに来なさい!」と呼ばれるときに、水場に行ける人たちの中に入れますように。預言者さま(صلى الله عليه و سلم)のハウドから水を飲める人たちの中に入れますように。
アーミン。

アッラーのご加護と祝福がありますように
والسلام




死後におこること

2010-09-24 | ハルカ
بسم الله الرحمان الرحيم

السلام عليكم



前回は、インシャーアッラーこれから私たちが全員必ず行くバルザフ(墓の中)の世界についてお話しましたが、今週はその続き、バルザフの世界の後に私たちが体験する最後の審判についてです。


質問: 死が訪れる時間は、遅れたり早まったりすることがありますか?

回答: すべてのムスリムが、確信していなければならないことに、死の瞬間というのは、遅れたり早まったりすることがまったくないということがあります。例えそれが殺人のような人の手によるものであったとしても、殺人犯が、殺害された人の死を早めたというわけではなく、実際には殺害された人は、アッラーがお望みになられた時間に亡くなっただけなのです。

アッラーは、こう仰いました。
【それで、かれらの時期(死の時期)が到来する時は、一刻も遅らせたり、早めたりはできない。】
16章蜜蜂章 61節 日訳P330 

【定められた時がやって来た時、アッラーは誰にも猶予を与えられない。】 63章偽信者章 11節 

預言者さま(صلى الله عليه و سلم)は、仰いました。

《神聖な天使が、私の心に告げたことには、本当に、どんな魂も、その富と寿命を完全に終えるまでは、死ぬ事がありません。》 イブンハッバーン出典

質問:墓の中の世界の後には、何がありますか?


回答:ムスリムは、誰でも、墓の中の世界の後に、「来世」と呼ばれる世界があることを確信しなければなりません。それは、私たちが今生きているこの世の後にあり、その証として、様々な出来事が段階を追って、起こります。

① 来世の兆候     ② 最後の審判の日     ③ 復活の時

質問: いつ最後の審判の日が起こりますか?

回答: ムスリムは誰でも、最後の審判の日や復活の時がいつ起こるのかは誰にも知らされていないこと、アッラーのみがご存知のことだと確信しなければなりません。預言者たちや使徒たち(عليهم السلام)にさえ、それは知らされず、また天使やジンやどんな創造物にも、知らされてはいません。

アッラーはこう仰いました。
【彼らは最後の審判の時について、いつそれがやってくるのかとあなたに問うであろう。言いなさい。「それを知る方は、ただ私の主だけである。その時(最後の審判)を知らせてくださるのは、かれの他にはない。その時は、天でも地でも重い(重大事)となる。全く突然あなた方にやってくる。」 】 7章 高壁章 187節 日訳P206

【人々は、(審判の】時について、あなたに尋ねよう。言いなさい。「本当にその知識は、アッラーの御許にある。どうしてあなたに分かるだろうか、その時は近いであろう。」】 部族連合章 63節

それが、私たちにとって、近い、ということは告げられていますが、いつなのか?は、アッラー以外の誰にもわかりません。

最後の審判の時とその前兆

最後の審判の時には、それが近づいたという前兆が起こります。それは、3段階に渡って起こります。

① すでに起こって終わっている前兆 : 預言者ムハンマド様(صلى الله عليه و سلم)が遣わされたこと。

② 一部はすでに起こっていて、一部は今もそれが続いており、一部はまだ起こっていない前兆 : これらは、中間の前兆と呼ばれます。信託物(アマーナ)の紛失、殺人の多発、大災難の多発(大地震、火山の噴火など)、婚外交渉の多発など。

③ まだ起こっていない前兆 : 大きな前兆と呼ばれ、クルアーンとハディースによると、それは、10個あります。(例: イエスキリストの再来、太陽が西から昇る、など)

質問: 最後の審判が起こったときには、どうなりますか?


最後の審判が起こったときが、この世に生きるありとあらゆる生物すべてが破滅します。
【その日、われは書き物を巻くように、天を巻き上げる。われが最初に創造したように、繰り返す。これはわれの定めた約束である。われは必ずそれをかんすい完遂する。】21章 預言者章104節 日訳P403

【天が微塵に裂けるとき、諸星が散らされるとき、諸大洋があふれ出るとき、墓場があばかれるとき、それぞれの魂は、すでにしたことと、後に残した事を知る。】 裂ける章 1-5節

質問: 最初のラッパが吹かれるときには、何が起こりますか?

回答: ムスリムは、誰でも、アッラーが、選任した天使に最初のラッパを吹くことを命じると、すべての被造物が、消滅すると確信していなければいけません。

【ラッパが吹かれると、天にあるもの、また地にあるものも、アッラーがお望みになられる者の他は、気絶しよう。】 39章 集団章 68節 日訳P576
【すべての魂は、死を味わうのである。】 イムラーン家章 185節
【かれの御顔の他、すべてのものは消滅する。】 28章 物語章 88節 日訳P481

質問: 2回目にラッパが再度吹かれたとき、何が起こりますか?

回答: ムスリムは誰でも、2回目にラッパが吹かれたら、消滅した被造物が再生すると確信していなければなりません。
【そして、ラッパが吹かれると、かれらは墓場から(出て)、主の御許に急いで行く。彼らは言う。「ああ、情けない。私たちを臥所から起こしたのは誰でしょうか。これは、慈悲深き御方が約束された通りではありませんか。使徒たちの言葉は、真実であったのか。」】 36章 ヤーシーン章 51,52節 日訳P543

これは、復活と呼ばれます。そして、このときには、宇宙のすべてが、今私たちがいる状態とまったく異なった状態になることを、アッラーはこう仰っています。
【大地が大地でないものに変えられ、諸天も変えられる日、人々はいっせいに唯一の御方、全知全能の御方、アッラー(の御前)にまかり出るであろう。】 14章 イブラーヒーム章 48節 日訳P313

質問: 復活とは何ですか?

回答: ムスリムは誰でも、アッラーが、すべての創造物を死なせ、その後また復活させると確信しなければなりません。
アッラーはこう仰いました。
【本当に(審判の)時はやって来る。それについて疑いの余地はない。本当にアッラーは、墓の中の者をよみがえらせる甦らせるのである。】 22章 巡礼章 7節 日訳P406

そして、この復活は、何でもできるお力を持ったアッラーにとっては、とても簡単なことで
す。

アッラーは、こう仰いました。
【かれこそは、まず創造を始め、それからそれをまた元に戻される御方。それは、かれにおいては、とても容易い事である。天と地における、(考えうる)最高の姿は、かれに属する。】 39章 ビザンチン章 27節 日訳P494

【かれら(マッカの多神教徒)は、天と地を創造なされ、その創造に疲れることもないアッラーが、死者を甦らせることくらい、できるとは思わないのか。】 砂丘章 33節

【人間は考えないのか。われは一精滴からかれを創ったではないか。それなのに見よ、かれは公然と歯向かっている。また彼は、われになぞらえる準えるものを引き合いに出して、自分の創造を忘れ、言う。「誰が朽ち果てた骨を生き返らせましょうか。」言いなさい。「最初にお創りになった方が、かれらを生き返らせる。かれはすべての被造物を知り尽くしておられる。緑の木から、あなた方のために火を造られたのもかれであり、だからこそあなたがたはそれによって、燃やす。」天と地を創造なされたかれが、これに類するものを創りえないであろうか。いや、かれは最高の創造者であり、全知であられる。何か望まれると、かれが『在れ』とお命じなれば、すなわち在る。かれにこそすべての称賛あれ。そのみて御手で、万有をとうぎょ統御なされる御方、あなた方は、かれのみもと御許に帰されるのである。】36章 ヤースィーン章 77-83節 日訳P546

質問: この世と来世というのは、何ですか?

回答: ムスリムは誰でも、アッラーが、この世の人生を試験とテストのためにお創りになり、あの世を精算と報酬のためにお創りになられたと確信していなければなりません。

アッラーは、こう仰いました。
【かれは死と生を創られた方である。それは、あなた方のうち、誰の行いが優れているかを試みるためで、かれは威力並びなく、寛容であられる。】 67章 大権章 2節

【あなた方は、われが、たわむれにあなた方を創ったとでも考えていたのか。また、あなた方は、われに帰されないと考えていたのか。】 23章 信者たち章 節 日訳P

【本当にアッラーを畏れる者に対しては、主の御許に喜びの楽園があろう。われは、信心深い者たちを罪人のように扱うとでも言うのか。あなた方はどうしたのか。あなた方は、どう判断するのか。】 68章 筆章 35、36節 日訳P718

あなたが、もし試験会場に入って試験を受けているとすると、その最中は、どんな気持ちで受けていますか?試験中に試験を受けている事を忘れてしまって、ただリラックスして、自分の好きなことをしていたら、試験に落ちてしまうように、この世でただ自分のしたいことだけして、自分が試験中だということを忘れてしまうと試験に落ちてしまいます。学校の試験は、一度落ちても、またやり直す事ができますが、アッラーの試験は一回だけです。落ちてしまったら、もうやり直す事はできません。もう一回この世に戻してください、ちゃんと頑張りますから、と言っても、もう終わってしまった人生は、やり直す事はできません。私たちは、今、試験中だということを忘れないようにしましょう。

勉強会で勉強するイスラームに関する知識は、アマーナ(信託物)といって、アッラーが、あなたに預けている信託物です。アッラーは、こういった知識をあなたから他の人に渡してもらうために、あなたに預けているので、聞いたことは、他の人に伝えなければいけません。もちろん家族に伝えてもいいし、お子さんに伝えるのもとてもいいでしょう。とにかく自分のところでストップしないように、他に伝えていかないといけません。預言者さま(صلى الله عليه و سلم)のハディースに、知識を伝えられた人の方が伝えた人よりも、よく理解することがあるかもしれませんという意味のものがあります。あなたの大好きな人たちが、もっとアッラーのことを思い出して善いことに向かえるよう、この世とあの世で成功者になれるよう、聞いたことを伝えていきましょう。ここにいる一人ひとりがムスリマである以上自分のことだけ考えていてはいけません。自分の後ろにいる人たちのために、人から聞いた役に立つ知識は、すべて他の人にも伝えていきましょう。

アッラーのご加護と祝福がありますように
والسلام




イスラームにおける死とは

2010-09-24 | ハルカ
بسم الله الرحمان الرحيم

السلام عليكم



質問 :イスラームにおける死とは?

回答:死とは、この地上での生が終わることであり、実際にこの世に生きるすべての創造物が体験することです。体は消え、土に溶け、何も残りません。そして魂だけが他の世界で最後の審判まで残る事になります。この世界のことを「墓の中の世界」と言います。
アッラーは、これについてこう仰っています。

【本当にあなたは、いつかは死ぬ。彼らもまた死ぬのである。】 39集団章 30節(日訳P571)
【誰でも皆、死を味わうのである。】 3イムラーン家章 185節 日訳P89

質問:では、実際には誰の手の中に死というのはあるのでしょうか?誰が魂を抜き取るのでしょうか?

回答:生かせ死なせるお方、そして彼の手の中に生と死があるお方は至高なるアッラーのみで他の誰もそれに参加しているものはないとムスリムは確信していなければなりません。

アッラーはこう仰っています。

【天と地の大権は彼の有(もの)である。彼は生を授け、死を授ける。】 57鉄章 2節(日訳P676)

【アッラーは、(人間が)死ぬとその魂を召され、また死なない者も睡眠の間(それを召し)、かれが死の宣告をなされた者の魂はそのままに引きとどめ、その他のものは定められた時刻に送り返される。】 39集団章 42節日訳P573

そしてアッラーには「死の天使」という死の仕事をする専任の天使がいます。彼の仕事は、寿命が尽きた命を死なせる事です。アッラーはこう仰っています。

【言いなさい。「あなた方を受け持つ死の天使があなた方を死なせ、それから主に帰らせる。」罪を犯した者たちが主の御前にうなだれて、「主よ、私たちは見ました。聞きました。私たちをお返しください。私たちは善い行いをいたします。私たちは、本当に悟りました。」(と言う姿を)あなたに見せてやりたいものである。】 32アッサジダ章 11-12節 日訳P506

アッラーの命令によって魂を抜き取るとき、この死の天使と共に多くの天使たちがいます。

アッラーはこう仰いました。
【死があなた方の一人に臨(のぞ)むとき、われが遺したもの(天使たち)は(わが命令に)怠慢ではない。】 6家畜章61節 日訳P158

質問:死後、何がありますか?

回答: ムスリムは、この世とあの世の間に「墓の中の世界」という中間の世界があることを確信していなければなりません。この世界は、死と最後の審判の日までの間の世界です。

アッラーはこう仰いました。
【だが死が訪れると彼らは言う。「主よ、私を(生に)送り返してください。私が残してきたものについて善い行いをします。」決してそうではない。それはかれの口上に過ぎない。甦りの日まで、かれらの後ろには戻れない障壁(バルザフ)がある。】 信者たち章 99-100節

質問:墓の中の世界では、何がありますか?


回答:墓の中の世界には、この3つがあります。
①天使二人による質問  ②墓の圧迫  ③墓の恩恵とその罰

①天使二人による質問:アッラーは、死後、人間に天使二人を送り、彼の人生についての基本的なことを聞きます。

その質問は、「あなたの主は誰ですか?」「あなたの宗教は何ですか?」「あなたたちに遣わされたこの男(預言者ムハンマドさま(صلى الله عليه و سلم)について何を言いますか?」 です。

預言者さま(صلى الله عليه و سلم)はこう仰いました。
≪アッラーは、こう仰いました。【アッラーは、この世においても、またあの世でも、堅固なお言葉で、信仰する者たちを確立させる。】14イブラーヒーム章27節 日訳P310 
墓の中の罰について下りたアーヤ(クルアーンの節)であると言いました。(墓の中にいる人は)こう聞かれます。「あなたの主は誰ですか?」そうしたら、こう応えます。「私の主は、アッラーで、私の預言者は、ムハンマドです。」 ≫ アルブハーリーとムスリム出典

②墓の圧迫 : 墓の中で圧迫を受ける事で、これは墓に入っていても入っていなくても死んだ人に起こります。本当のところはアッラーのみがご存知ですが、不信者に対しては、とても厳しい圧迫で、信者に対しては軽いものです。

③墓の中の恩恵と罰 : これも②と同様、墓に入っていてもいなくても、例えば死体を海に流したりしていても、すべての死んだ人が体験することです。

アッラーは、こう仰いました。

【あなた方は、われが、悪行を追及する者を、信仰して善行にいそしむ者と同じに扱うと思うのか。生(この世)と死(あの世)が同じであるとでも思うのか。彼らの判断こそ誤算である。】 45ひざまづく章21節日訳P622

預言者さま(صلى الله عليه و سلم)は二つの墓を通り過ぎるとき、こう仰いました。 

≪本当に彼らは、罰を受けています。≫ムスリム出典

墓の中の恩恵については、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)が信者の墓についてこう仰いました。

≪70日の間に墓の中の彼のために70ズィラーア(腕の長さ)広がり、彼のために墓の中が光で照らされます。≫ ティルミズィー出典

質問:墓の中の世界の後には、何がありますか?

回答:ムスリムは誰でも、墓の中の世界の後に「来世」と呼ばれる世界があることを確信しなければなりません。

 死というのは、まったく恐れるに値しません。ただ、私たちを本当に恐れさせるものは、私たちのした行いです。今日は行いがあり、それに対する精算はありません。しかし明日には精算があり、行いはもうありません。私たちは、間違いを犯したとき、その間違いが大きいか小さいかを考えるべきではありません。そうではなく、本当に考えるべきことは「自分が誰に対して不服従な行いをしたのか?」ということです。

アッラーのご加護と祝福がありますように
والسلام