満月通信

「満月(バドル)」とは「美しくて目立つこと」心(カリブ)も美しくなるような交流の場になるといいですね。

フィクフの初歩の初歩④

2004-11-28 | ファトワ&フィクフ
بسم الله الرحمان الرحيم

ウドゥー(الوضوء)

「ウドゥー」の意味(معنى الوضوء)
言葉本来の意味⇒清潔さ、美しさ、壮麗さ(من الوضاءة و من النظافة و الحسن و البهجة)

専門用語として⇒身体のある特定の部分に(シャフィイー学派ではニーヤと共に)水を使うこと。(استعمالء الماء في أعضاء معينة مع النسة)
ちなみに、ウドゥーに使われる水のことを「ワドゥー(الوَضوء)」という。

☆ウドゥーが必要とされること(الأمور التي يُشترَط لها الوضوء)
①サラー(礼拝ーالصلاة)
②カアバ神殿の周りを七周するタワーフ(周礼ーالطوَاف حَوْلَ الكَعبَ)
③ムスハフ(聖クル’アーンの写本)を触ったり、持ち運んだりすること。(مَسّ المُصْحَف و حَمْله)

《根拠》

-『信仰する者よ、あなたがたが礼拝に立つ時は、顔と、両手を肘まで洗い、頭を撫で、両足を踝まで(洗え)。』(5:6)

ー「アブー・フライラ(رضى الله عنه)によると、アッラーのみ使い(صلى الله عليه و سلم)は『汚れの状態にある者の礼拝は、清めを行うまで受け入れられない』と言われた」(アル=ブハーリー)


ー「アッラーのみ使い(صلى الله عليه و سلم)は次のように言われました。『神殿の周りをタワーフ(周礼)することは、礼拝と同じようなものです。ただその(タワーフ)の最中に話はしても構いませんが。ですからその中で(タワーフの最中に)話をする人は、よいことだけを話すようにしなさい。』と」
(ティルミズィ、ハーキム)


ー『لا يَمَسّه إلاَّ الْمُطَهَّرُونَ清められた者の外、触れることが出来ない。』(56:79)

大多数のクル’アーン解説者は冒頭の「لا」を禁止と解釈しているが、ザイド((رضى الله عنه)やイブン・アッバース(رضى الله عنه)を含めた少数のサハーバやタービィイー(サハーバの次世代)は、この説を取らず、冒頭の「لا」を否定と解釈し、「لَمَسَ」が「肌と肌が直接触れることを意味する」のに対し、「مَسَّ」はそれだけではなく、「精神的な触れ方」をも意味することから、聖クル’アーンに触ったり、持ち運んだりする場合はウドゥーがなくてもいいとしている。その根拠として大きな都市の諸王侯貴族宛てに使者に持たせて遣わせたアッラーのみ使い(صلى الله عليه و سلم)の書簡に中に聖クル’アーンの聖句が使われていることを挙げている。

※さまざまな見解がある場合は、その見解が何を根拠にしているかを見極めることが大切。

ー「アッラーのみ使い(صلى الله عليه و سلم)は次のように言われました。『لايَمَسَّالْقُرْآن إلاَّ طَاهِرクル’アーンには清浄な者以外は触れてはいけません。』と」(ダーラクトゥニー)

ここでいる「清められたطاهر」を少数派は「信徒」指しと解釈している、対になる「清められていないもの」は「ウドゥーをしていない信徒」のことではなく、つまり「不信仰者」のことになる。

☆シャーフィイー学派におけるウドゥーの義務六つ
《根拠》
-『信仰する者よ、あなたがたが礼拝に立つ時は、顔と、両手を肘まで洗い、頭を撫で、両足を踝まで(洗え)。』(5:6)
①ニーヤ(気持ちを確認すること)
②顔を洗うこと
③両腕を肘まで洗うこと
④頭の一部をなでること
⑤両足をくるぶしまで洗うこと
⑥順番

☆ハナフィー学派におけるウドゥーの義務四つ
①顔を洗うこと
②両腕を肘まで洗うこと
③両足をくるぶしまで洗うこと
④頭の四分の一をなでること

☆シャーフィイー学派におけるウドゥーの推奨行為(スンナ)

①最初にアッラーの御名と唱えること
②容器に手を入れる前に、両手を三回洗うこと
③スィワークを使うこと
④口中を水でゆすぎ、鼻に水を通すこと
⑤ひげが濃い場合は、水を浸透させること
⑥頭全体をなでること
⑦手や足の指の間まで水を通すこと
⑧頭を使った水とは別に、新たに両耳の表裏を濡れた手でなでること
⑨すべての部位を三回ずつ洗ったり、なでたりすること
⑩右側を優先すること
⑪こすること
⑫続けて行うこと
⑬肘とくるぶしの周りを洗う際にその範囲を伸ばす
⑭水の無駄使いをしないこと
⑮キブラを向いてウドゥーをすること
⑯ウドゥーの最中は話をしないこと
⑰終了時にタッシャフド(信仰告白と唱えること)をし、ウドゥーを捧げること
أشهد أن لا إله إلا الله وحده لا شريك له، و أشحد أن محمد عبده و رسوله-رواه مسلم
للهم اجعلني من التوابين و اجعلني من المتطهرين-رواه الترمذي
سبحانك اللهم وبحدك، أشحد أن إله إلا أنت أستغفرك و أتوب اليك-رواه النسائي


☆ハナフィー学派におけるウドゥーの推奨行為(スンナ)

①手首まで両手で洗うこと
②最初にアッラーの御名を唱えること
③最初にスィワークを使うこと(ない場合はたとえ指ででも)
④口中を三回ゆすぐこと
⑤鼻の中に水を通すこと
⑥断食斎戒者以外は、マドマダとイスティンシャークをしっかりすること
⑦ひげが濃い場合は、下のほうから水をよく通すこと
⑧指の間に水を通すこと
⑨洗うべき箇所は三回ずつ洗うこと
⑩頭全体を一度なでること
⑪両耳をなでること(たとえ頭を濡らした手のままであっても)
⑫こすること
⑬続けて行うこと
⑭ニーヤをもつこと
⑮アッラーが聖クル’アーンで述べたとおりの順番で行うこと
⑯右から始めること
⑰指先から、頭の前方から始めること
⑱くびをなでること

ー「あなたがたのうちだれでもウドゥーをきちんと終えてから『アッラーの他に神はなく、ムハンマドはアッラーのしもべであり、み使いである』と証言するものに対して天国の八つの門は開かれ、どれでも好きな門からそこへ入ることができるだろう」(ムスリム)

ー「私と同様にウドゥーを行い、雑念なく二ラカートの礼拝を捧げる者の過去の罪をアッラーは全てお許しになろう」(ムスリム)

アッラーのご加護と祝福がありますように
و السلام