左足

この悲しみの基は

誰にも相手にされないからなのか

ただ自分の思い通りに

ならないからだろうか



この寂しさの基は

誰にも見向きされないからなのか

ただ自分から誰かへ

歩み寄っていないからなのだろうか




この憤りの基は

誰かに謗られたからか

ただ自分の思い通りに

ならないからだろうか



この鬱の基は

自分がどうしよもなくダメだからか

ただ自分が追いかけてるものは

実力に見合っていないだとか

それ以前に成長する努力さえも

していないだけなのだろうか



この焦りの基は

誰かが動いてくれないからか

ただ自分ができることを放棄して

いつかやるからと

すぐに行動を

していないからなのだろうか



この恐れの基は

何かを失うことへの焦りか

ただ自己鍛錬や

忍耐しなければいけないことが

殖（ふ）えてしまうことに

対するものなのか




蒙昧な思念は

磐（いわ）のように心を硬くして

左足で右足の邪魔をして

躓（つまず）くようなもの



自分の心の中に探査機を派遣して

原因を捜してみたならば

左足の脚力が高まって

右足も俊敏に動かせるだろう