バリん子U・エ・Uブログ

趣味、幸せ探し! 毎日、小さな幸せを見つけては、ご機嫌にハイテンションに生きているMダックスです。

よしもとばなな  どんぐり姉妹

2013-08-19 22:49:36 | Weblog
p35『合わないところで、少しずつ心の中のものをすり減らしていくと、人は病気になるんだ、と思って、人の強さそして弱さに驚いた。
別に私はこきつかわれたり、虐待されたり、おじおばとおそろしい軋轢があったわけではない。ただぼんやりと心を閉じていっただけだ。だから大丈夫と思っていた。なのにいつの間にかこんなに具合が悪くなっていたなんて、信じられない。そう思った。
人間ってそんなにわかりやすくできていて、ごはん以外のものも毎日食べているんだ。
雰囲気とか、考え方とかそういうものまで。』(よしもとばなな "どんぐり姉妹"より)



そうか。そうなんだ。そうだよね。と、実感を持って頷いた。
バリを看取って、気がつくとわたしは恐ろしく痩せていた。
病気をしたわけでもないのに緩やかに,食欲が落ち、すごい勢いで体重が減っていった。
バリを見送って毎日泣くようになった。動くのが億劫というほどの意識もなく、運動量が減っていった。体重も4kgおちていた。
こんな風にただ弱って行ったのは初めてだったので、すごく驚いた。
多分、あと一押しで病気になっていたのだと思う。実際、健康診断で再検査に引っかかってしまった。
あの頃、わたしは人生や世界に対して心を閉じていたのだろう。きっとあのまま生きることに意欲をなくしていれば、弱り、病気になって死んだのだと思う。

バリはすごかった。
何の努力をしなくても、バリがいてくれるだけで、心に栄養がどんどん補給された。
かわいいと思う気持ち、愛しいと思う気持ちが自分の中から湧きだし、それが心の栄養になった。
そして、バリはわたしのそんな思いを受け止め、愛を返してくれた。バリのくれる温かい優しい想いがわたしの心の大きな栄養になった。

今になって思う。
わたしたちはバリを育てながら、バリにたくさんのものをもらい、バリに育まれてきた。

ありがとう、バリ。愛してるよ、バリ。


昨日、バリの夢を見ました。
バリがいた頃の何でもない日常の夢です。
とても幸福でした。生きる力がチャージされました。
こんな風に、朝になったら忘れてしまう夢の中でも、バリは優しく温かい生きる力をくれているのかもしれないと思うと、胸がいっぱいになりました。

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