バリん子U・エ・Uブログ

趣味、幸せ探し! 毎日、小さな幸せを見つけては、ご機嫌にハイテンションに生きているMダックスです。

Don’t beat yourself up. 完成版

2015-02-28 22:36:34 | お話 ペットロス
愛犬が死んだとき、お金持ちは激怒した。
「お前が、しっかり気を配ってやらなかったからだ!」
お金持ちは飼育係りを怒鳴りつけた。
(それはお金持ちが、自分自身を責める言葉だった。)
「あなたは精一杯やりましたよ。」
飼育係はそう言って去って行った。
飼育係はお金持ちが、愛犬のために使うお金を惜しんだことがないことを知っていた。


愛犬が死んだとき、学者は考え込んだ。
「もっと、一緒にいてやればよかったのかな?」
学者は研究に夢中で、しょっ中研究室に泊まりこんでいた。
(それは学者が、自分自身を責める言葉だった。)
「あなたは精一杯やりましたよ。」
学者が留守の間、愛犬と留守番をしていた妻が泣きながら言った。
妻は学者が、一緒にいるときは全身全霊で愛犬と向き合っていたことを知っていた。


愛犬が死んだとき、貧しい男は号泣した。
「お金があったら、病院に連れて行ってやれたのに。いつもお腹いっぱいに食べさせてやれたのに。」
貧しい男は運命を恨んだ。
(それは貧しい男が、自分自身を責める言葉だった。)
「あなたは精一杯やりましたよ。」
泣きながら眠った夢の中で、貧しい男は優しい声を聞いた。
神様は貧しい男が、愛犬のために全ての時間と愛情を注いでいたことを知っていた。


思い出して、
あの子が欲しがったのは、おやつ、おもちゃ、お散歩、抱っこ。
一度だって、あなたの「後悔」を欲しがったことなんてない。

Don’t beat yourself up. 3

2015-02-27 22:35:22 | お話 ペットロス
愛犬が死んだとき、貧しい男は号泣した。
「お金があったら、病院に連れて行ってやれたのに。いつもお腹いっぱいに食べさせてやれたのに。」
貧しい男は運命を恨んだ。
(それは貧しい男が、自分自身を責める言葉だった。)
「あなたは精一杯やりましたよ。」
泣きながら眠った夢の中で、貧しい男は優しい声を聞いた。
神様は貧しい男が、愛犬のために全ての時間と愛情を注いでいたことを知っていた。

Don’t beat yourself up. 2

2015-02-26 22:34:14 | お話 ペットロス
愛犬が死んだとき、学者は考え込んだ。
「もっと、一緒にいてやればよかったのかな?」
学者は研究に夢中で、しょっ中研究室に泊まりこんでいた。
(それは学者が、自分自身を責める言葉だった。)
「あなたは精一杯やりましたよ。」
学者が留守の間、愛犬と留守番をしていた妻が泣きながら言った。
妻は学者が、一緒にいるときは全身全霊で愛犬と向き合っていたことを知っていた。

Don’t beat yourself up. 1

2015-02-25 22:32:42 | お話 ペットロス
愛犬が死んだとき、お金持ちは激怒した。
「お前が、しっかり気を配ってやらなかったからだ!」
お金持ちは飼育係りを怒鳴りつけた。
(それはお金持ちが、自分自身を責める言葉だった。)
「あなたは精一杯やりましたよ。」
飼育係はそう言って去って行った。
飼育係はお金持ちが、愛犬のために使うお金を惜しんだことがないことを知っていた。


奇跡はあるんだよ 完成版

2015-02-24 22:28:57 | お話 ペットロス
少年は奇跡を探していた。
「今日は塾の日だ。2ページ残っている宿題を・・・・」
そこまで考えて、少年は自分が微笑んでいることに驚いた。
立ち止まって考え込む少年の頬に、ビルの間から午後の光が差している。
自分が生まれる前から家にいたあの子のあたたかさだと気付く。
優しい毛皮の感触までが蘇ってくるようだった。
あの子はいつもここにいる。それは小さな奇跡だった。


ママは奇跡を願わずにはいられなかった。
あの子を亡くして、ママでなくなった女は旅に出た。
少しでもあの子に近づけるような気がしたから、飛行機の旅にした。
もちろん、星はどこまでも遠く、雲の上にも天国はなかった。
けれど、煌めく白い雲を見つめたとき、気が付いた。
あの子の一部は大気に融けて雨になり雲になり空気になって彼女を包む。
あの子はいつもここにいる。それは小さな奇跡だった。


お父さんは奇跡は信じていなかった。
朝起きて仕事に行き、仕事から帰ってきて眠る。
その繰り返し。ある週末に夜更かしをして、お酒を過ごした。
酔っ払って、思わずあの子の名前を呼んでいた。
自分の魂にあの子が刻まれていることに気が付いた。
あの子はいつもここにいる。それは小さな奇跡だった。


そして、何より、一緒に過ごした日々こそが、奇跡だった。

奇跡はあるんだよ3

2015-02-23 22:28:12 | お話 ペットロス

お父さんは奇跡は信じていなかった。
朝起きて仕事に行き、仕事から帰ってきて眠る。
その繰り返し。ある週末に夜更かしをして、お酒を過ごした。
酔っ払って、思わずあの子の名前を呼んでいた。
自分の魂にあの子が刻まれていることに気が付いた。
あの子はいつもここにいる。それは小さな奇跡だった。


そして、何より、一緒に過ごした日々こそが、奇跡だった。

奇跡はあるんだよ2

2015-02-22 22:27:14 | お話 ペットロス

ママは奇跡を願わずにはいられなかった。
あの子を亡くして、ママでなくなった女は旅に出た。
少しでもあの子に近づけるような気がしたから、飛行機の旅にした。
もちろん、星はどこまでも遠く、雲の上にも天国はなかった。
けれど、煌めく白い雲を見つめたとき、気が付いた。
あの子の一部は大気に融けて雨になり雲になり空気になって彼女を包む。
あの子はいつもここにいる。それは小さな奇跡だった。

そして、何より、一緒に過ごした日々こそが、奇跡だった。

奇跡はあるんだよ1

2015-02-21 22:26:18 | お話 ペットロス
少年は奇跡を探していた。
「今日は塾の日だ。2ページ残っている宿題を・・・・」
そこまで考えて、少年は自分が微笑んでいることに驚いた。
立ち止まって考え込む少年の頬に、ビルの間から午後の光が差している。
自分が生まれる前から家にいたあの子のあたたかさだと気付く。
優しい毛皮の感触までが蘇ってくるようだった。
あの子はいつもここにいる。それは小さな奇跡だった。



そして、何より、一緒に過ごした日々こそが、奇跡だった。

遺産相続人 

2015-02-20 22:22:26 | お話 ペットロス
最初の遺産相続人はまだ少年だった。
だから、少年は自分がどれほどの物を相続したのか理解していなかった。
けれど、少年には才覚があった。受け継いだ遺産を有効に使い、より大きな資産を築いた。
それこそが、遺産を譲ったものの、遺志だった。


二人目の遺産相続人は、青年だった。
思いがけない病にかかり、一生を諦めていた。
そこに、遺産が届けられた。遺産を使い、時間をかけて以前のように走れるようになった。
そのとき、青年は昔の自分に戻るのではなく、相続した遺産にふさわしい自分になろうと決心した。刻苦勉励の日々は、闘病生活よりも苦しかった。
けれども、青年がが新しい彼になったとき、譲られた遺産は青年の財産になっていた。
こうして、遺産は受け継がれていく。


三人目の遺産相続人は老婆だった。
ほとんど見えない目と、自由に動き回ることのできない身体で、家族に見放され、途方に暮れていた。
まさか自分が遺産を受け継ぐとは思いも寄らなかった。
あたたかい家で、あたたかい人達に囲まれて、彼女は祈った。
「どうか、財産を譲ってくれた方が、安らかでありますように。
その方が心から愛していた人達に、自分もありったけの愛を捧げます。だから、どうか、自分がささやかでも、遺産を譲ってくださった方が愛した人達の、慰めになりますように」と。





『人間は死ぬとき、
遺言を書いて、
愛する人に全てを残すという。
ボクにもそういう事が
できるなら、こう書くよ。
可哀想なひとりぼっちの野良犬に
ボクの幸せなお家を譲ります。
ボクのフードボールや
豪華なボクのベットも
柔らかい枕もオモチャも
大好きな(飼い主の)膝の上も
ボクを優しく撫でてくれるその手も
優しい声も
今までボクが占領していた
あの人(飼い主)の心も
あの人(飼い主)の愛も…
ボクに穏やかな
最後を過ごさせてくれたその場所を
ボクをギュッと抱きしめてくれた
そのぬくもりも。
ボクが死んだら、
「こんなに悲しい気持ちになりたくないから
もう2度とペットとは暮さない。」
って言わないで
その代わりに、寂しくて、
誰も愛してくれる人がいない犬を選んで、
ボクの場所を
その子にあげてちょうだい。
それがボクの遺言だよ。
ボクが残す愛…
それがボクが与えられる全てだから
© 2008 Laska
Translation(訳) by Big Tree for Animals』

お金持ちと二匹目の犬 完成版

2015-02-18 23:00:15 | お話 ペットロス
お金持ちが愛犬を亡くした。

一人目のお金持ちは、秘書に頼んで、同じ犬種の犬を買ってきてもらった。
新しい犬の、ちょっとした動作や癖に亡くなった愛犬の面影がよみがえった。
けれど、新しい犬の毛はさらさらしていて、撫でる手にしっとり吸い付いてはこなかった。抱き上げてもお金持ちの肩にあごを乗せて頬に顔をすり寄せてはこなかった。
亡くなった愛犬と同じ犬種の新しい犬を見るたびに、お金持ちは悲しくなった。



二人目のお金持ちは、科学者に頼んで、愛犬のクローンを作ってもらった。
クローン犬は亡くなった愛犬と、同じ顔で、同じ毛色で、同じ声で吠えた。
けれど、クローン犬はお金持ちが本当はつらいけれど、強がって笑っているときに、そっと寄り添ってはくれなかった。クローン犬はお金持ちの作り笑顔に騙されて、はしゃいでいるだけだった。
亡くなった愛犬とそっくりなクローン犬を見るたびに、お金持ちは悲しくなった。



三人目のお金持ちは、自分で動物愛護センターに行って、保護犬をもらってきた。
保護犬は毛づやも体格も、子犬の頃から手塩にかけて育てた亡くなった愛犬とは全く違っていた。
そのうえ、保護犬は仲良くやっていこうと手を差し伸べたお金持ちに向かって唸って吠えた。怖くて辛い思いをたくさんしてきた保護犬はお金持ちに信頼のかけらも感じていなかった。
亡くなった愛犬がくれた奇跡のような日々に感謝して、それから、お金持ちは保護犬に向き合った。
亡くなった愛犬とは違うのだから焦らずに、でも、亡くなった愛犬と同じように大切に保護犬に接した。
保護犬は少しずつ心を開き、お金持ちを信頼した。
そして、気が付くと保護犬は保護犬ではなく、お金持ちの二匹目の愛犬になっていた。
お金持ちも二匹目の愛犬も幸せに暮らしている。



ところで、クローン犬を作ってもらったお金持ちだが、幸せに暮らしている。
亡くなった愛犬とそっくりなクローン犬に邪険にすることもできず、しぶしぶ世話をしているうちにすっかりなつかれてしまった。
そのうちにお金持ちは、作り笑顔でも自分が笑顔になるだけで喜んでいるクローン犬がいじらしくなってきた。そして、はしゃいでいるクローン犬につられて、自分まで楽しい気持ちになっていることに気が付いた。
クローン犬はお金持ちの二匹目の愛犬になった。


ところで、同じ犬種の犬を買ったお金持ちだが、彼も幸せに暮らしている。
亡くなった愛犬の面影がある犬に邪険にすることもできず、しぶしぶ世話をしているうちにすっかりなつかれてしまった。
そのうちに、新しい犬は抱き上げてやると、決まって自分の鼻をペロッとひと舐めするようになった。そのたびに、お金持ちは「大好き!」と言われているような気持ちになった。
新しい犬はお金持ちの二匹目の愛犬になった。




「いいでしょ。お父さん、優しいでしょ。」
初めて家に来た日から、自慢そうな明るい声が、二匹目の犬たちの心に届いていた。
子犬だった二匹の犬はその声を本能の声だと思っていた。だから、お金持ちにすぐになついた。
保護犬だけは声の主を知っていた。だから、怖かったけれど、お金持ちを信じることにした。
「いいでしょ。お父さん、優しいでしょ。」
誇らしげに自慢する明るい声。