pistil…

火の息も青き鼓動も鋭(と)く響(な)りてきみの花托は永久(とは)に清(すが)しよ

bien…

声なさぬみだらが不意に羨(とも)しくてきみに抱かれし少女の記憶

propre…

白魚のごとき裸形のひらかれてあかあかときみ性愛の唄

cherir…

あかときの夢のごとくに触れてみよ息をひそめる少女(をとめ)のエロス

plaisir…

触れさせよ惑ひの齢(よはひ)美しく過ぎていまだしをんなしたたる

jolie…

恋唄がとほくに聞こへ冬ざれの肩凭(よ)りあへば花色の唇(くち)

naissance…

夢破る荒れ野の限り夏ふかし陽のさす真下(ましも)少年ら過ぐ

joli…

いもうとよ未来のめぐり幸(さきは)へば愛もて濡らせ花色の唇(くち)

famille…

血をつなぐ子を生(な)さざりしいもうとの性冷めるまで冬の海響(な)る

adore…

陽のあまるほどに明るき汗しだる道ならぬほど口唇甘し

amoureuse…

くちびるは夜濡らすべしをみなごよまだ恋なさむ半生ををや

battre…

愛もたぬ華燭年ゆき心音のかをれる余白をとこやさしも

aile…

花終るをはりの不意に眩しかる草生(む)す原の青年の胸

douce…

かりそめも快楽(けらく)は美(くは)しわかものよこの黄熟の脛(はぎ)を分けなば

jaloux…

羨(とも)しもの夏の乙女の四肢長く群青の眸万緑の髪