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《読書》斎藤美奈子『誤読日記』朝日新聞社

2005-08-02 05:17:16 | 読書
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●〔52〕斎藤美奈子『誤読日記』朝日新聞社 2005
(2005.07.18読了)
 『週刊朝日』と『アエラ』に連載されたものをまとめた本ですが、「この本の性格をひと言でいえば、それは「本のワイドショー」であろう。(pp.388-389)」ということです。また出版社の内容紹介には「書評欄の裏番組」ともありました。
 斎藤美奈子の特色はボソッとした突っ込みのうまさ、一ひねりした比喩のうまさ、的確さにあると思います。
 内容から一部抜粋しますと、

★『二十一世紀に希望を持つための読書案内』筑摩書房編集部編(筑摩書房・2000年)-若者向けの読書ガイドに名著と古典と正論ばかりが並ぶ理由ー
 もうひとつ多いのが「若いときには乱読せよ」という意見である。
 〈若い人には乱読をすすめます。手当たり次第、やぎが紙を食べるように、本を食べてほしいのです〉(瀬戸内寂聴)など。これも正しい。反論できない。しかし、そういう瀬戸内さんの推薦図書はやっぱり『源氏物語』。「若いときは好き嫌いしちゃだめよ」と諭しつつ、「あたくしが好きなのは瓢亭の懐石料理」といっているような感じがする。(中略)
 しかし、21世紀になってもドストエフスキーとトルストイの天下なのか……と思うと複雑な気分である。20世紀はないも同然だったってこと? こうやって本の敷居を高く高く上げてきた結果が「若者の読書離れ」なわけでしょう。「二十一世紀に希望を持つ」ためには、読書ガイドの方法論から考え直す、それが先決かもしれない。(pp.293-294)

★『学力は家庭で伸びる』陰山英男(小学館・2003年)-お子さんには「百ます計算」。お母さまはこちらの本で理論武装-
陰山メソッドは徹底した反復練習だ。ものは試し、お子さんで実験してごらんなさい。成果は確実に上がる。スポーツのトレーニングといっしょで、反復練習は強いのである。家庭生活はしかし、単純な反復ではすまない。そこがむつかしいところである。(p.314)

★『文明の衝突』サミュエル・ハンチントン著、鈴木主税訳(集英社・1998年)-「番長国家」とお呼びしたい。同時多発テロ後、再び話題になった本-
 イラクや北朝鮮を「ならず者国家」と呼ぶアメリカはじゃあ何なのか。
 ふと思いついたのが「番長国家」という言葉である。手下を引き連れて学校内を意気揚々とのし歩き、下級生同士の喧嘩にいちいちわが物顔で介入し、国連という生徒会の決議には都合のいいときしか従わない(番長だけに生徒会費も払っていない)。その理屈でいけば、さしずめ日本は「パシリ(使いっ走り)国家」だろう。(p.355-356)

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