ΓΝΩΘΙ ΣΑΥΤΟΝ-購書&購盤日記-

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《読書》荻原魚雷『古本暮らし』晶文社

2007-09-22 14:48:03 | 読書
●〔70〕荻原魚雷『古本暮らし』晶文社 2007(2007.09.20読了)

○内容紹介
ほしい本を見て悩む。明日からの生活費のことを考える。でも、買っている。古本暮らしは、愉しく、辛く、幸せだ。古本屋巡礼が散歩。
荻原魚雷[オギハラギョライ]
1969年三重生まれ。明治大学文学部中退。在学中から雑誌の編集、書評やエッセイを執筆。『sumus』同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 市民図書館で借りました。しみじみとした味わいのあるエッセイでした。


○整理術
 わたしは整理術の基本であるイン&アウトの法則を忠実に実践する者である。
 つまり買ったら、売る。もしくは捨てる。これは本にかぎらず、レコードやCD、衣類、食器、なんでもそうする。(p.11)

 私もわかってはいるんですが、「言うは易く、行なうは難し」です。


○私生活
 こうした古本エッセイを読むと著者に私生活に興味が持たれます(「酒と家庭は読書の敵」なので)。結婚はしているようですが(奥さんはまんが雑誌の編集者)、お子さんはいないようです。
 わたしは学生時代、二度ほどつるし上げられたことがある。某市民団体を批判するビラを作ったときは、二百人くらいに囲まれ、徹夜で批判された。こちらの発言は、ことごとくヤジでかきけされ、一晩中、飲まず食わずで質問ぜめにあい、さらにその様子をビデオカメラで撮られた。後日「二度と顔を出すな」とその場にいなかった会の主宰者にいわれた。(pp.96~97)

 九〇年代に学生運動をやっている人間はあきらかに少数派だった。さらにその運動の世界からもはみだしてしまった人間はもっとすくない。自業自得とはいえ、同時代に自分の代弁者はいないとおもっていた。後年、体制に反発して、反体制を志したものの、その反体制運動からもおちこぼれてしまうというのは、けっこうありがちなことであると知るのだが、そのころのわたしは自分を少数派だとおもうことが唯一の心のよりどころだった。(p.98)

 なお、p.50に『石神井書林目録』とありますが、正しくは『石神井書林日録』です。同じ晶文社の本なのに。


※『古本暮らし』刊行記念 特別エッセイ「散歩は古本屋巡礼」