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まち灯りが見える尾根で一夜を凌ぐ

紅葉シーズンには大変な賑わいを見せるJR中央本線のこの駅も、フユガレのこの時期はしんと静まりかえっている。

ヨヒヤミを脱ぎ、クナイの紐を結び、凌ピッケルのカバーを外して凌ぐ準備を整える。地形図に出発時間を書き込んで誰もいない道を林道へと向かう。

林道のゲートを開けてくねくねと行くと冷蔵庫(笑)裏山にはこの冷蔵庫を筆頭に、ブラウン管テレビ、ソファ、自動車がよく投棄されている。

いきなり手掛かりの少ない枯れた斜面の直登。四つん這いになって凌ピッケルを刺しながら登る。

その後も崩落地の際を半四つん這いで凌ぐなど、まあ、シノギングらしい出だしだ。

940m圏で尾根は細くなるが傾斜が緩んで歩きやすくなる。

ここまでで当然汗だく(笑)ウール混のアンダーにマタギ尾州だけで十分。パンツは冬のシノギングのど定番シモナギ。マタギ尾州は通気性が極めて高いので、こんなに汗をかいてもこもることがなく、継続的に汗の湿気を放出してくれるのでベースレイヤーの濡れが残りにくい。そして、汗に濡れてもポリエステルフリースのように冷たさを感じないのがいい。日向は8℃、日影は0℃と気温差の激しい真冬のシノギングには、この着こなしが自分には一番快適である。

尾根に立ちはだかる岩場を凌ぐ。

なんとも美しい尾根の曲線にニヤニヤする。

もうここにハンモックを張っちゃおう〜!と思わせる広場。しかし、まだ先が長いので後ろ髪を引かれつつ尾根を辿る。

西からの尾根に合流するとアップダウンが激しくなる。いくつもの凸凹を越え、急登を直登して、目星をつけていた1,300m圏の別荘に到着。ふくらはぎパンパン(笑)

17kgの夢とロマンを詰め込んだLightning 45を降ろすと、なんだか背が伸びていくような感覚がする。バックパックを降ろすような休憩をとらず、ひたすらに歩き続けるシノギングでならではの感覚であろう。

本日のハンモックシステム

EXPED Travel Hammock

モグ350(完売・再生産予定なし)

ハンモックビビィTyvek(在庫わずか)

EXPED Hammock Trekking Tarp

タープはシワなく美しく、バックパックは凸凹なく美しくが設計者への敬意だ。

本来は雪山用だが寒さを凌ぐための試作品のウールブーティーにサボを合わせる。ふかふか落ち葉の広場だが栗のイガだけ踏まないようにしようっと。

クイックハラマキ High Loftを腹に巻き、カルフワタオルを首に巻き、ヨヒヤミ着込んでアグラスカート穿けば一夜を凌ぐ準備は完了。

四時間半尾根を凌いで辿り着いた夕暮れの別荘からは、まち灯りがちらちら見える。日帰りできる裏山を地図読みで歩き、こうしてのんびり一夜を凌ぐのはシノギングの本来の楽しみだ。

夜じゅう別荘を照らしていた満月は、朝になってようやく沈んでいく。気温は氷点下5℃と思ったよりも冷え込まなかったので、今回のハンモックシステムでまったく寒さを感じなかった。

いつかのシノギングで持ち帰ったダケカンバの樹皮で火を熾し暖を取る。

朝日が当たればかなり暖かい。パッキングを済ませて出立だ。

尾根の下りは分岐を間違いやすいので真剣に地図を読む。ウデアテはウッドストーブの火の粉除けよけとしてはもちろん、蒸れない腕の保温カバーとしても重宝する。

昨日辿った凸凹尾根を見る。

シノギングではこんな祠をよく見かける。かつてはこの尾根を生活に使っていたのかもしれない。

岩が落ち葉に埋もれた崖を直降。滑り落ちたら大変なことになるので、丁寧に落ち葉を払いながら降りる。

さっきの崖を境に尾根は急に穏やかになりまるで公園のようだな。

以前はハイキングコースだったのだろうか?とっても歩きやすい道を下って行くと下に林道が見えて来た。今回のシノギングはこれでおしまい。しかしこの後なが〜い下道歩きが待っていたのだ(笑)

今回の着こなしはこちら。

おわり。

 

 

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