モグ連載① モグの系譜

凌ではハンモック専用の寝袋「モグ」を9月上旬に発売する。

これに向けて少しづつモグを紹介していこうと思う。

まずはモグの系譜。

モグバッグ

それはアクジーズクイン創業後の1989年までさかのぼる。もう30年以上も前のことだ。これは記念すべきアクシーズクインの最初のカタログ。

なんとモグは創業直後に既に存在していたのだ。Aqスリーピングバッグ”モグ”。潜るからモグであり、モグバッグとも呼んでいた。この当時にしてはかなりのハイスペックな寝袋を作っていたのだ。仕様面では当時のモグと現在のモグにつながりはないが、商品名をあれこれ考えていた時に潜るという言葉が何度も頭に浮かんできて、かつてモグという寝袋があったことを思い出し、当時のこのネーミングセンスに敬意を表して商品名をモグに決めたわけである。30年前といまは細くとも確かな糸でつながっていたのだ。

1994年になるとイギリス製のPERTEXを寝袋に使用することになりフルモデルチェンジ。モグバッグの歴史はここで一旦幕を閉じる。ちょうどこのころアクシーズクインに入社した私はモグバッグをギリギリ知る人間である。

ウキグモ

2012年にEXPEDの取り扱いを始めることで山遊びにハンモックを積極的に使い始めるが、ハンモック＋マット＋寝袋という保温システムの効率の悪さに大いに疑問を感じていた。いつでも暖かく眠ることができるハンモックが欲しいという思いで開発したのが2017年に販売を開始したウキグモだ。ハンモックにアンダーキルトを縫い付けてトップキルトをセットにしたウキグモのシステムは画期的で、ハンモックに市販のアンダーキルトを組み合わせるよりもはるかに保温効率がいい。こうして生まれたウキグモをベースに、ハンモック専用の寝袋という用途にフォーカスして、既に持っているハンモックに使えるという汎用性を持たせたのがモグである。だからモグはウキグモから派生したアイテムということもできる。　

それにしても、このウキグモもモグもEXPEDの取り扱いがなかったらおそらく開発されることもなかっだろうから、まったく未来は何が起こるかわからないものだ。

アグラスカート

2018年にはなんとも奇妙な中綿入りのスカートを販売開始した。アグラスカートである。冬の足腰の防寒はダウンパンツという常識をこのアグラスカートは少しくらい変えたのではないだろうか？そして、2019年のお泊りシノギングで少年がアグラスカートにすっぽり包まれている姿を見て、うん？これは！と思った・・・。

モグの開発はここから始まった。このアグラスカートがカタチを変えてモグになったのだ。だからモグはアグラスカート直系の子孫ということになる。

次回はアグラスカートがモグに変わるまでのことを話そうと思う。