四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
甲府SUNDAY 出張シノギングの様子
今回のシノギングは山梨県北杜市にあるSUNDAYさんの山小屋が起点。
月曜日から降り出した雪のおかげでこの通り。願ってもいない雪のシノギングを楽しめそう。
今年のシノギングで新たに取り入れているのは靴紐の結び方。みなさんの靴を触ってみると意外と緩い人がいることに驚き。低山小道具研究家の森勝氏のハンドパワーで緩い部分を見つけては締めていく。
どうです?かわったでしょう?
シノギングは地図読みの情報を頼りに山を歩くので、そのための基本中の基本であるコンパスの見方を入念に。実際にやってみるとプレートコンパスよりも文字盤のある簡易コンパスの方が視覚的にわかりやすいことに気付く。大雑把な方位の確認であれば簡易コンパスで十分だし。使い方のわからないプレートコンパスを持っていても意味がないよね・・・。
ちょっとだけ応用編を教えたりして、
本日のエリアを確認。現在地からどの方角に行くのか?
目指す場所はどこなのか?やばい時にどの方角に向かえばいいか?あらかじめ地形図上で確認しておく。
ツユハラヒ、クナイ、アグラスカートなど、凌のお試し品を配ってさあスタート。
ひとまず地形図を見ながら道路をたどる。とてもいい天気だ。
尾根の傾斜や川の近さなどから現在地を想定し、ここだというところから山に入り込む。
最初は少し傾斜があって、そのあと緩くなって・・・、
その次の傾斜が現れるところまでゆっくり進む。
風がなく、日差しがあるのですぐに暑くなる。こういう日の着こなしは意外と難しい。
暑い寒い、汗の多少は人によって違うので、自分に合った着こなしを知ることが大事。
目の前の傾斜と地形図を照らし合わせて、
今この辺かな?こまめに現在地を更新することが大事。
908m圏の三角点までの登り。
雪に埋もれた三角点に気付くことなくピークの平坦地を進む。
南側の日当たりのいい物件で休憩とする。休憩といってもすぐにはお昼を食べさせてくれないのがシノギングイベント。
簡単そうで意外とてこずるロープワークにみんな夢中。
コツを覚えてしまえばもう簡単。基本の結びを応用すれば色々なことができる。
アグラスカートにすっぽり包まる雪ん子ちゃん。
こちらはウキグモでうとうと・・・。
ハンモックなら雪の上でもこんなに簡単にゆらゆら揺られることができる。
2時間ほど休憩を取った後は帰りのルートをみんなに説明してスタート。
ほどなく別荘適地発見。近くの人はぜひここに遊びに来てね。
傾きつつある日差しの中を雪中行軍は進む。
60mほどの登りをこなして、
すぐ隣の尾根に向けてトラバース。縦横無尽に雪の山を進む。
無事に隣の尾根に乗り、この先の下り尾根に備えてチェーンスパイクを装着。
下り尾根の分岐には要注意。違う尾根に乗らないように慎重に方位を確認して進む。
横向きで一歩ずつ安全に降りる。
落ちるような急傾斜を難なくこなして、
あとはこのまま林道をたどるだけ。
山小屋に帰ると夕暮れの時間・・・。
最後に笑ってはいけないやつで〆
今回の出張シノギングに参加して下さったみなさまありがとうございました。
誰も歩いていない雪の上を歩く楽しさと、自分たちでルートを見つける難しさの両方を体験できたのではないでしょうか?
シノギングを続けることで遭難しない自立した山歩きの術を身に着けることができます。
地図読みやロープワークなど、忘れないうちに復習しておいてくださいね。
お忙しい中このイベントの開催にご理解とご協力をいただいたSUNDAYさん、同行してくれたSのI氏、マダムM、ありがとうございました。
シノギングの情報は書籍では入手できず、ネットでもほぼ入手できません。少しでも興味を持っている人はぜひシノギングイベントに参加してください。この手記に書かれていることはシノギングのほんの一部です。実際に参加することでシノギングのいろいろを知ることができます。百聞は一見に如かず。
凌は美学
いつ何時でも所作、立ち居振る舞いを美しく
いつ何時でもあたふたせず、まごまごせず
道具に踊らされず
凌ぎ
美を追求すべし