四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
9月20日「第六回シノギング講習〜凌を知る〜平日編」の様子
少し涼しくなったかと思いきや、まだまだ暑い9月も末。今年の十五夜は9月29日との事で、そこから一気に季節は進むのかしら。
さて定番となってきた「シノギング講習」今回は1回完結にて初の平日開催。最近の東京シノギングは定員にもいたらずまったりやらせていただいている。ましてや平日だと、、と懸念したが過半数はお申し込みがあり一安心。
平日だとやはり高尾エリアも人気は少な目。そもそもその中でも遭遇率の低いルートをタドルのだが笑 駅前は日差しがきつかったので、集合後早々に日影エリアへ移動。まずは挨拶がてらにコンパスハウツー。
少し怪しい方々いたので、入念に。北西!
そして、南南東!
よしよし、一先ずOK。毎度イベント内では伝えているが、コンパス慣れない方は文字盤で動くタイプのコンパスを使うと良い。
コンパス持参!と言うと皆さん大体プレートタイプをチョイスされるが、これ動く針だけでは直感的に北と南しかわからない。当然慣れればその間も感覚で読めるのだが。東西南北が表示された文字盤がくるくる回るタイプは、視覚的にわかりやすい。私は今でもこのタイプをメインで使っている。ただ、このタイプは精度が悪かったり、動きが鈍かったりする場合もあるので、そのあたりも理解して使うべし。そして必ずもう1つはコンパスのバックアップを持参すべし。バックアップをプレートタイプにするでも良い。
次いで地形図の見方やら地図読みする上でのコツをざっくりと。肝は尾根と渓。それが分かるようになれば大体シノギングはいける。細かな地図記号とかは気になれば知らべてみれば良い。
そうして今回行くルートを説明し、その方角尾根を目で見て確認しておく。あの尾根の辺りね~
いざ出陣。
そうそう、勿論私の荷物減らしで、強制的にクナイ、ツユハラヒは貸出済。ツユハラヒは着けることはないだろうが。。
あれがモミの木だよ~外からの観察だけでもあの下にミチがあることがわかるのよ~
沢っぽい所脇からささっと入凌。少し荒れ気味。
しばらく沢沿い左岸で詰める。
煌々と日当たりの良いエリアに出ると、わしゃわしゃと雑草が生い茂る。。
その中で立ち止まれそうなところを、少し馴らし場所作る。
さて、ここからは尾根にまっすぐ上がってもらう。大体の位置だけ補足して、とりあえず西に進めば尾根には上がれるはず。こういう時は初参加の方に率先して行ってもらう笑 いざ!
大体最初と最後に難儀するのがシノギング。ただ、このちょっと荒れた感じも、慣れてくるとあ~いけるね~という感覚がわかるようになるはず。
結果ツヅラヲリ気味に登ればなんてことないミチであった。スギ林ならば大体行けるものだ。
尾根に乗ってからもしっかり方角チェック。確認すると、見立てた位置よりも尾根の全然手前側だった。このポイントポイントで必ずコンパスチェックする癖をつけると良いでしょう。
そうして先頭入れ代わり、南へ完全に折れる小ピークを目指してもらう。
少し暑さに堪える急登が続く。シノギングはファストなハイクではないので、ゆっくりゆっくりで良い。そうそうこれがモミの木。
無事分岐の小ピークへ到達。よしよし。ここでのこの先の予定を話し合い、暑いしがっつり歩くのは無し!となり、さっそくここらでロープワークでミチクサとする。
いつも通りだが、片結びだけのシンプルなロープワーク術。
応用すれば、長い紐1本で、テントやらタープのタイアウトを自在無しで簡単に止めることが出来る。
合間に手錠ごっこも織り交ぜて笑
慣れたシノラーさんはロープワークで魔法陣を形成。ロープワークは本当に反復して飽きるまであり続けるに尽きる。それゆえにシンプルな結びしか教えてない。それで十分なのだ。
とにかく反復練習!
そして開始からターゲットにされていたザックを追い剝ぎ、パッキング講座。
言われてみれば納得な方法で、パッキングしていくと、見栄えもカッコよく、背負い心地も確かに向上する。皆さん、日帰りでシワクチャなパッキングしていないですか??
30分近くのミチクサで、暑さもしっかり解消された。さて再出立。
と思ったら、下りた鞍部辺りでまたストップ。シノギングイベントでは中々進まなくなることも多々ある笑
立ち止まったのは、この鞍部渓側のプチ崖で、お助け紐練習はどうか?
意外にしっかりした足掛かりはあり、無理なく下れるけども、このお助け紐があるだけで安心感は断然変わってくる。
まずは森勝氏のデモンストレーション。なんか面白い絵面。
次に続くシノラーさん。あれデジャヴ??笑
お次はザックをハーネスに見立てた、お助け紐下降。
ビレイヤー的相方が必要だが、この1本攣られるサポートが入るだけで、安心して登り下りが出来る。
最後はソロを想定した、木にループで括り付けるダブルロープでの下降。森勝氏がニンジャの如く実践し、2ピッチであっという間に下の方まで。。
総じて言えるが、ロープ伝って登りで活用する場合は、当然最初の一人はフリーで登り、そこからロープを下げてもらう必要がある。故にソロが多いシノギングでは基本は下りの厭らしい部分でしかお助け紐を使うことはない。ただ停滞時のリッジライン紐等にも使えたり、さまざまな応用もできるので、携行していて間違いはないはず。常に使うことは想定していないが、いざという時に役立つ。それゆえに”お助け紐”である。
ここでも30分近くミチクサをして、再々出立。
と思いきや、またもや物の数分でストップ。今日は本当に中々進めない笑
なぜかって、良質なファットウッドを見つけてしまったから。ノコギリで切り出して、プチバトニンングで中心を割くと、油ぎっしりの鮭とば(見た目が)姿を現す。
シノギングでは定番だが、これは油そのものなので、まぁ良く燃える。知識として抑えておけばいずれ役に立つかも?見分け方を知りたい方は是非シノギングイベントへ参加されたし。
さてさて、そろそろ前進したいところだが、、またまたまた少し進んでストップ。だってそこはもう目星を付けていたモックポイント。時間も頃合いで、ここでお昼休憩とする。
イベント初めてで張り方が心配、、という方だけレクチャー。こちらは森勝氏のスパルタ講習中。
こちらは新たに導入いただいた(ありがとうございます)という、EXPED Travel Hammock Lite Kitのおさらい。こうなった時はこうすると良いという小技を伝授。綺麗に張れていた◎
他シノラーさんは慣れた感じで、うろうろと別荘ポイントを選定後、そつなく住居を構築していく。
落ち着いたところで、それぞれのお昼休憩。
自由時間を堪能していただく。
時間を持て余し始めるころに、新型の「ヤナギニカゼ」をお披露目。自信を持ってお届けできるシノギングタープだ!
いつも通り2時間弱、、しっかり休憩を凌ぎ、あとは反対の渓側に下るだけ。擦り合わせをして方角もしっかりチェック。
のっけの三叉路で少し心配になっていたが、コンパスを使えば目指すミチは一択であることが明確化する。低山の分岐は三叉路ぐらいまでしかなく、その方角は基本は明確に違うはず。実は低山尾根歩きでの地図読みは非常にシンプルなのだ。
自信と共に下り始める。
最初は明瞭で歩きやすい尾根だったが、地形図の通り、徐々に傾斜が急になっていく。ガレ気味な所もあるので、離れ過ぎずで一歩ずつ下っていく。
最後の最後、逆に土でザレザレな感じになると、ツヅラヲリでトラバースを繰り返しながら、もはや滑るように下っていく。
沢へ到達。見返して凌ぎ具合にシミジミするシノラー達。
後は、少し荒れ気味の沢沿いをえっちらほっちら。。
下界への入口へ。
振り返ると本当に閉ざされた感じになっていた。
意外に早めに下りてこられた。ということで、車道を歩き、駅も越え、高尾ハナレで座談、談義とする。シュワッチ!高尾ハナレ到着。
久しぶりのシノラーさん交えた高尾ハナレでの談義。フィールドではお話できなかった、凌のあれやこれやをツラツラと、森勝氏の小話も交えて笑
併せて、今回実践していただいたシノギングのために企画された凌の製品たちもご覧いただく。今年もサボり気味となってしまった、高尾ハナレの一般開放。。来年からまた少しずつ復活させていきたいなぁと思わされた。私的にも楽しかったです。
ついつい話に夢中になってしまい、辺りはヨヒヤミ。。各々帰路に就くのであった。
今回の決して笑ってはいけない奴。