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シノギングタープ「ヤナギニカゼ」開発経緯とその全貌 その一

シノギングに必要なタープとは?

シノギングでは、休憩や一夜を凌ぐときにハンモックを使うことと決めている。ハンモックはゆらゆらと眠りを誘うベッドであり椅子でもあり、とても優れた道具である一方、とても無防備な道具なので雨風を凌ぐにはタープが必要だ。一夜を凌ぐとき、タープはハンモック(茶の間兼寝室)と森を仕切る壁としても重要な役割を担う。

我々はシノギングにおいて主にEXPED Solo Tarpを使っている。Solo Tarpはハンモック一張りを覆うのにちょうどいい大きさなのだ。これを使っているシノラーさんも多いだろうし、シノギング標準装備のようになっている。

しかしながら、というか当たり前だが、Solo Tarpはシノギングを考えて作られているわけではない。とても相性はいいのだが長年使っていると、ここがこうなっていたらなぁ、あそこがああなっていたらなぁとか、わがままな考えが出てくる(笑)

シノギング、つまりハンモックと相性のいい、またはハンモックに使えるタープはいろいろあるだろう。しかし、ハンモック生活を主役に考えたタープなんておそらくないのではないか? 試しにググってみると、ハンモックタープという名称のタープはいくつも出てくる。しかし・・・(以下省略)。そういうことだ。

シノギングに必要なタープとは、簡単にいうとハンモックに座った時の前と後ろにそれぞれ別の機能を持つタープである。

シノギングに必要なタープのかたちと大きさ

六角形やひし形などタープにはいろいろなかたちがあり、デザイン的にとっても美しいものもあるが、たいていそういうものはシノギングには不向きだ(笑)シノギングで重視するのは見栄えではなく実用性であり、必要なタープのかたちはずばり長方形である。見栄えについて補足すると、タープそのもののかたちよりもきっちり張られたタープが最も美しく見栄えがするものだ。

例えば、EXPED Solo Tarpの大きさは長辺300cm、短辺190cmであり、これはハンモックを覆うのにちょうどいい絶妙なサイズである。長辺300cmは全長250cmほどのハンモックにちょうどいい。全長が300cmくらいのアメリカンなハンモックもあるが、シノギングには必要ないと考えている。短辺190cmということは片方の庇が95cmであり、庇を下げれば十分に雨風を凌げる。これでも十分に凌げるのだが、わがままを言うとハンモックに座った時の前面の庇がもう少し長いと、茶の間の空間が広くなり一夜を凌ぐ道具を展開しやすい。そして雨や雪が茶の間に入り込みにくくなる。つまり、庇の長さが非対称なタープが理想的と考える。

その二に続く・・・

 

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