四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
GRiPS出張お泊りシノギングの様子
東京に次いでシノラー人口が多いと思われる九州エリアでは3回目となるお泊りシノギングが行われた。
シノギング経験者でなければ辿りつくことのできない九州山地の山の奥の奥の奥を目指すこのイベントは、当然上級向けとなるので集まったメンバーは灰汁が強いシノラーばかり(笑)福岡、熊本、大分、そしてなんと広島からの参加者も!ありがたいことです。
しかし、あきらかに灰汁が強そうな黒系集団・・・。
さて、いつものように大まかなルートの説明とコンパスの使い方などを・・・。はいはい、わかってますよ―という感じだったが一応最後まで聞いてくれた(笑)
1200m圏から渓沿いを詰める。この辺りは春まだ浅く、ようやく芽吹いた新緑がぼんやりと美しい。
鼻歌を歌いたくなるような気分にさせてくれる、風のない穏やかな天気はシノギングというよりも遠足という感じ。
しかし、せっかくのシノギングなのでという事で渓組と小峰組に分かれてS山で合流することにする。
高級カメラを携えたカメラマンが三人もいたのでいろいろな写真が期待できそうだ。
行動中はゆっくり歩き続けて休憩をしないのが本来のシノギングなのだがまだ先も長いのでS山のピークで小休止。
このだらけよう(笑)
ここから下り始める方位をコンパスにセットしてもらったが、果たしてその通りに進路を導き出せるかがシノギングの腕の見せどころ。最近グイグイ言わせてくれているT氏に先頭を任せると、あれあれ?まんまと間違えてくれてこちらも満足(笑)こういうことを繰り返して身に付いてくるのだ。机上だけではだめですよー、実践あるのみ!
ハンモックポイントまでは片側4車線のだだっ広い尾根が続く。ところどころにある小さなピークと方位の変化を頼りにするが現在地の特定が難しい地形だ。途中、二つの小ピークのあいだの鞍部を水平トラバースで抜けることにする。こういう時は知らず知らずのうちに下ってしまいやすいので、近くを見るのではなく目標にする鞍部を見ながら進むことが大事だ。
鞍部からはハンモックポイントまで渓を下る。渓もまた現在地の特定が難しい。地形図とまわりの様子を照合しながら慎重に進むシノギングイベント初参加のB氏とY君。
引きで見るとこんなに大所帯。
水の形跡はあるが、なかなか流れに辿りつかない。
ようやく水を発見。それにしても主尾根から100mも下らないエリアに水が湧いているとは何て豊かな森なのだろう。
ハンモックポイントにチェックイン!思い思いにハンモックを張って、
凌村の出来上がり。東京では見ることのできない豊後高田市のごみ袋を見せていただいた。
たいへん躾のいい環境で育ったと思われるY君のハンモックまわり。
余計なことは話さないGのN氏。孤高のオーナー。
辺りが暗くなるとそんなに遠くないところに野犬が吠えている。写真はないが星座早見表の通りに正しく配置された星が瞬く穏やかな夜。ほろ酔いでいい気分になったB氏は暗闇で2回転レシーブを決めたあと、水にはまって両足ずぶ濡れで別荘に戻っていった(笑)
シノギングらしくないとってもさわやかな朝が訪れた。
パッキングを終えて完全に撤収し昨日来た渓を逆に辿る。私が先導していたが本来辿るべき渓からいつの間にか離れてしまい現在地を見失ってしまったようだ。それには後続のシノラー達も気付いたようで、「あいつ間違ってる、あいつ間違っている」とひそひそ話が渓に響き渡る。はい、私が間違えました、申し訳ありませんでした・・・。
その後、少々の彷徨いの後に現在地特定可能ポイントに辿りつき、そこから先は片側4車線の尾根を鼻歌交じりの遠足気分で帰ったのであった。
経験値の高いシノラー達にあらためて教えることなどなかったが、この二日間のイベントで凌とシノギングの真骨頂を感じてもらえたらうれしい限りだ。
このイベントに参加してくれたみなさま、楽しい時間をありがとうございました。また一緒に凌げることを楽しみにしています。
貴重な土曜日、日曜日をこのイベントのために提供してくれたGRiPSさんありがとうございました。
最後に決して笑ってはいけないやつ。
「九州のシノラーがナメられないようにポーズを決めようぜっ」とGのN氏が檄を飛ばしていました。
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